・弟と、飛行機と、涙と、ぐしゃんこと | 加藤なほ 「"毒親育ち" からの人生改革」

加藤なほ 「"毒親育ち" からの人生改革」

毒親育ち、アダルトチルドレン、恋愛依存(DV)などの実体験を元に、"わたし" を生きる方法を伝えています。
▶︎セッション実績…2013年〜 5000件以上
▶︎メディア…NHK(クローズアップ現代+/あさイチ他)/朝日新聞/他多数。
▶︎著書「ワタシの母は毒親でした。」



明日からいよいよNY。

朝、弟に連絡をして、

さっき二人で夕飯を食べてきたよ。
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二人でご飯なんて、いつぶりかな。

ランチはあるけど、

”二人で夕飯”

は、人生で初めてかもしれない。



今は一人、飛行機を見てる。
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飛行機が、本当に本当に、わたしは大好きなのです。





絶縁して家を出たときに、

「まじ弟いて良かったし!

一人娘だったら、家出れなかったわ!!」

と、おかしな感謝(感謝じゃねーしコレ)を弟にしてた自分を思い出して、恥ずかしくなった。


今こうして心の内を話せることを、心からうれしく思うよ。

私の弟に生まれてきてくれて、ありがとう。

きょうだいっていいなって、心から思うよ。

何度か思ってきたけれど、今日が人生でマックスそう思うよ。

照れ臭くて言えなかったけど、幸せな時間だったよ。

ありがとね。

旅の前に、こんなことがよく起こる。

ハワイ挙式の前日に、絶縁してた弟と会えたし、今日はNY前だし。

あの家庭環境を生きぬいてこれたのは、あなたがいたからでもあるよ。

分かち合ってくれて、ありがとう。

生きててくれてありがとね。

不器用で、こわがりなわたしとにてる部分満載なあなただけど、ますます幸せになってね。

お母さんお父さん、ありがとう。

弟を生んでくれてありがとう。





たくさん傷ついて、

傷ついて傷ついて、

傷つくのが怖くて、

怖いから自分を守りすぎて、

チャレンジすることすら怖くて、

でも、そんな自分がダサくて、

つんけんして、

弱いところを隠して強く見せて、必死で生きてきた。

いくらかっこつけたって、

本当の自信なんてなく、

いつもいつも、安全の中で、無難なく生きてきた。

誰かと比べて、

誰かを見下して、

誰かをバカにして、

自分を立たせてきた、ずるくてせこい、このわたし。


できることが少ない自分に、

凹んで泣いた夜もたくさんたくさんあった。

できるように見せて、私にできることは、本当に少なかった。


弱くて弱くて、何かを選ぶことすらできない、

ずるい自分に反吐が出そうで、もう消えてしまいたいと自分を責めた夜も、たくさんたくさんあった。

失うことが怖くて、手にしたい手にしたいばかりの、ずるいヤツ。


でも、

へぼいなりに、わたしなりに、必死で生きてきた。

「わたしたち、必死で生きてきたよね

よく生きてきたよね」



みんな、それぞれの人生を、それなりに必死で生きてるし、生きてきた。

その背景は、当の本人にしかわからないもの。

だけど、今もみんなが、みんなの今を、生きている。

そんなことを思うと、

この仕事を始めて出会った人、

今でも関わってくれてる人、

家族に、感謝の気持ちがあふれて、デッキで一人で泣いている。


昔は、音楽を聴いたり、切ない映画を見たりしながら、おセンチな自分によく浸ってた。

でも、浸りきれないというか、なんか、ただのナルシストだなって、冷静な私がいたりした。

泣いてる自分に酔う

みたいな。

けれど今は、本気で泣けるというか、

鼻から下をマフラーでぐるぐるにして、

安室ちゃんのcontrailをエンドレスリピートして、

暗いけれど大きな空に飛び立つ飛行機を見ながら、泣いている。


よくがんばった。

よく生きてきた。

寂しかったね。

つらかったね。

ひとりぼっちって、ずっと思ってたよね。

愛が欲しくて、

変わらない、永遠の愛が欲しくてほしくて、

人との別れが来るたびに、苦しくて苦しくて仕方なかった。


あの日のわたしが、ここまできた。



わたしはまだ、わたしの空を飛びたい。

だから、

着陸の飛行機よりも、離陸の飛行機を見てしまう。

「大空へ羽ばたけ

いってらっしゃい」

と。


いつか、

「おかえり

旅はどうだった?」

っていう方に、回れるかな。





地元の潮風のにおいが、なつかしいな。





ナホ