パーソナルセッションをしていると、「その言葉は本当にこの人（クライアント）自身から発せられたものなのだろうか」と思わされることはよくあります。
また普段普通に人と話しているときでも、そのように思わされることもよくあります。その自虐的言説は、本当のその人の声とは違うように聞こえます。何というか声色が変わるのです。
c.f.神と悪魔が戦っている。その戦場は人間の心なのだ！〜鎧の人と中の人、本音と建前と「身銭を切る」 2020年07月05日
あるいは自分のセルフトークをチェックしている方は、「あれ、このネガティブなセルフトークは本当に俺の（私の）言葉なのか？」と思わされることもあるかもしれません。セルフトークが自分の声ではない他の誰かの声に聞こえます。
何にせよ気功を通じて訓練されていくと、人の発する言葉や自分のセルフトークに違和感を覚えることも増えてきます。これは感覚的に（共感覚的に）、何となく違和感を感じるものです。（少なくとも僕にとっては）
「さて、これは本当にこの人の、あるいは自分自身から真に発せられた言葉なのか？」
そのように疑問を設定し、耳をそばだてていると（気功技術「耳を開く」と「エコー」と「プサイ」をセットで発火させるのがおすすめ）、その人自身の言葉か、あるいは自分自身の言葉かの見分けがつくようになってきます。
c.f.気功技術「Echo（エコー）」とは音と光が響き渡る大聖堂のごとく 2016年03月10日
その人自身、あるいは自分自身でない言葉だと感じられるもの、それが洗脳です。あるいは洗脳の断片です。
特に強い言葉や攻撃的な言説は特に注意が必要です。もちろん自虐的な言説にも。
誰かに書き込まれた言葉をそのまま喋らされているのです。そしてそのような現象は、ヒーリングや日常のコミュニケーションの場面にのみならず、小説のような芸術の中にも見出すことができます。
例えば、スコット・フィッツジェラルドの『グレート・ギャツビー』の中にも。
ギャツビーがずっと恋い焦がれていたデイジーが、遠い親戚で語り手でありもうひとりの主人公であるニックに彼女が子どもを産んだときのエピソードを話します。その場面が読んでいると僕にはどうも先述の違和感と同じものを想起させます。
（引用開始）
「ねえ、ニック、あの子が生まれたときに、私が口にしたことを教えてあげる。私がどんなことを言ったか知りたい？」
「是非とも」
「私がそのときまでに、どんな風に物事を眺めるようになっていたか、それであなたにもわかってもらえると思うのよ。子供が生まれてまだ一時間もたってなかったし、トムは例によって行方知れず。私は麻酔から覚めて、とことん一人ぼっちな気持ちになっていたんだけど、すぐに看護婦に尋ねたの。生まれたのは男の子か女の子かって。女の子だとわかったとき、私は顔を背けて泣いた。『いいわ』と私は言った。『女の子で嬉しいわ。馬鹿な女の子に育ってくれるといいんだけれど。それが何より。きれいで、頭の弱い娘になることが』」
（引用中断）（グレート・ギャツビー/p.p.38-39）
※トムとはデイジーの旦那のことです
多くの人がこれを読んで、「これが親が子に言うことか（思うことか）」と怒りを覚えるかもしれません。でもその怒りから離れて観ると、もしかしたらデイジーも過去に親や彼女をチヤホヤする男たちにそのように言われたか、あるいは期待されたのかもしれないという仮説が浮かびます。
『女の子で嬉しいわ。馬鹿な女の子に育ってくれるといいんだけれど。それが何より。きれいで、頭の弱い娘になることが』
一人の人間がそのようにわざわざ自分で自分の性や知能を蔑み、同じ性を持った娘にそう願うには、それなりの経緯があるはずです。具体的には明かされていませんが、デイジーは続けて世の中ひどいことだらけと言います。
やはりそう思うに至って、あるいはそう娘に願うに至って、何かがあったのです。とてもひどいことが、彼女の身に、あるいは社会全体に降りかかったのです。
（引用再開）
彼女は確信に満ちた声で続けた。「だからね、世の中なんてすべて、ひどいことだらけなのよ。みんなそう思っている。とても進んだ考え方をする人だって、そう考えている。でも私の場合は考えるんじゃなく、ただそれがわかるのよ。私はあらゆるところにいて、あらゆるものを見て、あらゆることをしてきたんだもの」その目は挑むような強い光を放っていた。それは先刻のトムの目にどことなく似ていた。それから彼女はどきっとするような捨て鉢な笑い声をあげた。「それは世慣れたってことなのかしら。まったくこの私がーー世慣れたですって！」
（引用終了）（グレート・ギャツビー/p.p.39）
ちなみにグレート・ギャツビーの舞台は狂乱の1920年代で、その直前には第一次世界大戦がありました。作者のスコット・フィッツジェラルドも当然ながらその時代とともに生きた作家です。
（7000万以上の軍人（うちヨーロッパ人は6000万）が動員され、史上最大の戦争の一つとなった。第二次産業革命による技術革新と塹壕戦による戦線の膠着で死亡率が大幅に上昇し、ジェノサイドの犠牲者を含めた戦闘員900万人以上と非戦闘員700万人以上が死亡した。史上死亡者数の最も多い戦争の一つであった。）（Wikipedia）
なのでその時代の空気と「毒」が文章、特に会話文に現れているように思います。ここ最近僕の先生は先陣を切って「解毒」を進めているのですが、その毒の背景には先の大戦による虐殺・ジェノサイドがあり、それが今の第三次世界大戦（by岡田斗司夫さん）の人権侵害によってまた回り始めているとされます。
c.f.戦争や紛争は全てビジネス。 1人の殺害は悪党を生み、100万の殺害は英雄を生む。 数が神聖化する 2021年12月27日
それはさておき、おそらくデイジーの娘はデイジーの期待する通り、馬鹿な女の子になるでしょう。訓練を積んだヒーラーと出会えばその限りではありませんが。
心理学におけるピグマリオン効果は、良くも悪くも働くのです。親や教育者が期待するように、その人はなるのです。
その恐ろしさを僕たちは前提としてヒーリングに取り組まなければなりません。ピグマリオン効果については我らがルー・タイスがその著書で紹介しているので、引用します。
（引用開始）
頭の中に自分の望む状況を思い描き、それを頭の中にとどめておくことができたら、あなたがその状況下で他者に対してとる行動は、彼らから期待する行動を引き出します。これが「ピグマリオン効果」と呼ばれるものです。
ピグマリオンはギリシャ神話の登場人物で、実在はしません。彼は優れた彫刻家で、あるとき彼が製作した女性の像はあまりに美しく、まるで生きているかのようだったため、彼はその像に恋をして結婚したいと思うようになりました。そこへ愛の女神がやってきて、彼の心臓を矢で射て本物の女性に変えたのでした。
ピグマリオン効果とは、私たちが特定のイメージを持って他者を扱うと、彼らはそのイメージどおりに振る舞うようになるということです。
（引用終了）（ルー・タイス「アファメーション」p.p.136-137）
『ピグマリオンとガラテア』
c.f.初体験に近い脱洗脳セッションが楽しく、めちゃくちゃ分かりやすかったです。〜ナマステと遮那瞑想〜 2022年01月17日
ピグマリオンが自ら彫った彫刻に惚れてそれが人間になることを強く願いその願いがアプロディーテ（愛の女神）によって叶えられたように、親や教育者が期待するように僕たちはなるのです。それは良くも悪くも、です。
脱洗脳のひとつはそのように願われ不当に下げられたエフィカシー（自己評価）を上げて正すことです。勘のいいクライアントの皆さんは、セッションのほとんどがそれで構成されていることに気づかれることでしょう。
岡目八目なヒーラーから見れば、ほとんどの人はエフィカシーを不当に下げられそれをセルフイメージとしていて、それでいてどうでもいいことに自信満々だったりします。それゆえにゴールが見えなくなったり、生きづらさを感じるようになります。
そこに介入してエフィカシーを適切に上げ、粗熱を取ることが、セッションの醍醐味です。エフィカシーが上がり粗熱を取ることでセルフイメージが更新され、ゴールも更新されていきます。
『誇れ オマエは強い』（両面宿儺/呪術廻戦）
そのためにも、まずは自分が発する言葉、そして自分の内側で蠢く言葉（セルフトーク）が本当に自分の心の底からのものなのか、あるいは誰かに押し付けられたものなのか、観察するようにしましょう。
無理に分析したりその由来を遡る必要はありません。ただただ自分が口にする言葉や思っていることを観察し、自分の理想のゴールに近いものはどちらかを吟味して見ましょう。
そうやって言葉に敏感になっていくと、さらに脱洗脳とゴール設定が加速していきます！！
ゴールの世界を表す言葉を選び、そうでない僕たちを苦しめる言葉を少しずつでいいので自分の内側から放り出しましょう。
セミナーやセッションでそのお手伝いをできればと思います。
お申し込みお待ちしております！！
【気功ハッキング講座〜美肌・アンチエイジング編〜】
【日時】 1月29日（土）19:00～21:00
【場所】 新宿の貸し会議室（受講生に個別でお伝えしております）
【受講料】 リアル受講20,000円（銀行振込）ヴァーチャル受講15,000円（銀行振込）
【受講資格】ブログ読者
【持ち物】 情熱とゴールと筆記用具
【お申し込み】お申し込みはこちらから
【パーソナル・セッション！！】
【場所】 新宿の貸し会議室（受講生に個別でお伝えしております）もしくは遠方の方はオンライン
【料金】 60分・15,000円（銀行振込） 120分・29,000円（銀行振込） 60分×3回44,000円（銀行振込）60分×10回149,000円（銀行振込）
【受講資格】ブログ読者
【持ち物】 情熱とゴールと筆記用具
【お申し込み】お申し込みはこちらから
↑公式LINEアカウントはこちらから追加できます。お問い合わせお待ちしております。お気軽にお問い合わせください！
※いつもブログに「いいね」ありがとうございます！更新のモチベーションになっています！！