工業化社会と国家による徴兵によって人々が村落共同体から引き剥がされて、僕たちは「孤独な群衆」になりましたが、もしかしたら皮肉にもそれによってイエス様の隣人愛の可能性が拓けたのではないかと最近は考えています。
というのも、イエス様は既存の愛する者や家族（すなわち村落共同体）を愛しても意味がないというからです。
本家ブログより引用します。
イエスの思想の中核は隣人愛です。
ヨハネの福音書（13:34）にもこうあります。
わたしは、新しいいましめをあなたがたに与える、互に愛し合いなさい。わたしがあなたがたを愛したように、あなたがたも互に愛し合いなさい。
とは言え、これも誤解にまみれているので、警告を与えます。
好きなもの同士で愛し合っても、兄弟に挨拶しても意味は無い、と。
あなたがたが自分を愛する者を愛したからとて、なんの報いがあろうか。そのようなことは取税人でもするではないか。
兄弟だけにあいさつをしたからとて、なんのすぐれた事をしているだろうか。そのようなことは異邦人でもしているではないか。（マタイ5章46－47節）
隣人愛というと、律法学者のように、隣人とは誰ですか？というアホな質問が来るので（サマリア人の譬え）、むしろ「汝の敵を愛せよ」のほう真意を伝えられているかもしれません。
つまづきの石は多くありますが、繰り返し丁寧に読みながら、理解を深めていきましょう。
聖書は繰り返し読むに耐える我々人類の共有財産の一つです。
（「まといのば」本家ブログより引用）
それを踏まえると、家族や兄弟といった村落共同体から引き剥がされるのは負の面だけではないように思えます。村落共同体には同調圧力があるのはご承知の通り。
そもそもイエス様は平和ではなく分裂をもたらすために来たと激しくおっしゃいます。
こちらはルカの福音書からの引用です。
「あなたがたは、わたしが平和をこの地上にもたらすためにきたと思っているのか。あなたがたに言っておく。そうではない。むしろ分裂である。
というのは、今から後は、一家の内で五人が相分れて、三人はふたりに、ふたりは三人に対立し、
また父は子に、子は父に、母は娘に、娘は母に、しゅうとめは嫁に、嫁はしゅうとめに、対立するであろう」。（ルカ12:51）
（「まといのば」本家ブログより引用）
これを踏まえると、イエス様のおっしゃる愛と、村落共同体における愛は別のものであることがわかります。
村落共同体の愛はもっとべっとりした、良くも悪くも暑苦しいものです。
逆にイエス様の隣人愛は、もっとシンプルなもののように思います。
それを礼儀作法というのかもしれません。
本家ブログより引用します。
親離れ子離れなどと言いますし、カップルでもべったりすぎるのは問題が多く、適切な距離感というのは大事な気がします。
親しき仲にも礼儀ありなどとも申します。
ロバート・フロストは「良き境界は良き隣人を作る」と言います。
世界はフラットではなく、地球もフラットではなく、重要なのは見えない階層性を作りながら、適切な境界を設けることです（と現代ではタブーとなるような発言をしてみました）。まさに良き境界こそが、良き隣人をつくるのです。味噌糞一緒は最悪なのです。適切な分離こそが、秩序をもたらします（それがかつては人種や性差だったりしたから、悪手だったのです）。
ただその境界もいわば半透膜のようなものが良い気がします。完全な秩序が完全な絶望と同じように存在しないように、適度の混乱やごちゃごちゃは必要です（でも完全なごちゃごちゃはカタストロフです）。
（「まといのば」本家ブログより引用）
親しき仲にも礼儀あり、「良き境界が良き隣人を作る」、です。
僕も敬愛する三島由紀夫と仲が良かった美輪明宏さんが、三島さんと仲良くなった秘密を明かされていました。
それがこちら。
三島さんはおっしゃいました。「俺には、大嫌いな奴がいる。膝の上にのぼってくるから頭をなぜてやると、いい気になって肩までのぼってきて、ほうっておくと今度は頭の上までのぼってきて、顔まで舐めだすような奴。そういう奴を俺は絶対に許さない。ところが君にはそういうところがいっさいなかったから、つきあえたんだよ」と。私は中学生時代に読んだ本で、荘子の「君子の交わり淡きこと水のごとし。小人の交わり甘きこと醴（れい、甘酒）のごとし」という言葉を知り、それを守って生きていました。君子の交わりは、さらっとして、踏み込んじゃいけないところには踏み込まない。「親しき仲にも礼儀あり、をモットーにしてきたので、うまくつきあえたのかもしれませんね」と話しました。
三輪さんが荘子を引いておっしゃるように、『君子の交わり淡きこと水のごとし。小人の交わり甘きこと醴（れい、甘酒）のごとし』です。ここに鍵がありそうです。
それを守って、あとはギルドの中に入り込んで長くいれば、ゴールが次々と叶っていきます。
本家ブログより引用します。
ギルドは学校でも家庭でもないので、本当に気楽に参加し、きっちり礼儀作法を守り、静かに長くその場にいれば、それは情報空間の高速バスに乗っているようなものです。寝ていても移動します（むしろ寝ていて欲しい。特に遠隔中は寝ていて欲しい。コンピューターの深夜アップデートみたいなイメージで受けて欲しい）。
（「まといのば」本家ブログより引用）
恥ずかしながら礼儀作法に関しては僕もまだまだ勉強中で、メンターから指摘されて適宜直していかなければと思う次第です。
ホワイト社会で欠点を指摘するリスクを取っていただけるのはありがたいですし、継続的な関係を結ぶに足ると思われているのだと有り難く思います。
本家ブログより引用します。
聖人なり成功者がニコニコして見えるのは、それは僕らの目が悪いかアタマが悪いからです。継続的な関係を結ぶに足る人間と思われていないから、そうされています。我々などどうでもいいので、どうでもよく接せられているだけです（多分）。
そんな塵芥のような我々としては、少しでも自分を鍛えて、彼らに凄まれるような世界へ早く移動しましょう。
（「まといのば」本家ブログより引用）
鍛えて移動しましょう！！！
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