睦月読了。 | ヘッドレス主義日記 ~あたま、かるく~

ヘッドレス主義日記 ~あたま、かるく~

当方四弦。フレットあり、ヘッド無し。
場合によって、フレット無し。

毎度です。


二月も一週間が過ぎてしまいましたね。
さっさと逃げるんだろうなぁ…


さて。2023年も読了シリーズ続きます。
先月は8タイトル計9冊でした。



「いちねんかん」畠中恵著
お馴染み「しゃばけ」シリーズの最新作。
毎年この時期のお楽しみみたいなもんだね。
特に特筆すべきことはないけど、安定した筆致と内容。
いい意味での緩さが年末年始の読書にぴったりでした。
来年も楽しみにしてます。


「鯨の岬」河崎秋子著
先月読んだ「土に贖う」が良かったのでこちらを購入。
淡々としてるのに、重く密度の詰まった感じや、硬質やのに、所々に暖かみを感じる辺りがやはり好み。
愚直なまでに「自然」や「命」と向き合うスタイルは好みが判れるとは思うけど、貫いて欲しいな。
北海道出身だけあって?描写も無理なくスッと入ってくる。
女性ならではの心理描写に共感しにくいところは正直あるけど、それも含めて今後も楽しみたいと思う。


「ライオンのおやつ」小川糸著
所謂「ホスピス」もの。
一度スルーしたけど、TLで誰かがお薦めしてたのが気になって購入。
ホスピスには色々な側面があるとは思うが、ここでは、基本的に、全て優しく描かれている印象。
ネガティブだったり辛く暗い側面は排除されてるので、読み易くはある。
シニカルに読めばこんな綺麗ごとばかりな訳ないとは思うが、それでもどこかで「こうであって欲しい」と思ってしまう内容でした。
帰京する飛行機の中で読んで落涙(苦笑)


「ドリフターズとその時代」笹山敬輔著
ドリフターズの評伝やけど、ただ歴史を追いかけるだけでなく、その関係性も描いてあり興味深い。
いかりや長介と志村けんの確執とか、ね。
戦後の芸能界史としての一面もあり、なかなかの読み応えでした。
やはり「お笑いの人」は、基本的に、真面目だなぁと思ったり。


「短篇宝石箱」集英社編
何冊か出てる集英社の短編集。
他の短編集はテーマに沿った内容が収録されてるが、これは特にテーマ無し。
テーマ無し故に、色々な作家の名短篇を先入観無しで楽しめた。
更に言えば、テーマ無し故に先を読むことも少なくなるし、ね。
タイトル通り、どれも力作。
まさに「宝石箱」な短編集でした。


「桜ほうさら 上下」宮部みゆき著
宮部みゆきさんの時代物。
上下巻の長編だが、エピソード毎に分かれてるので読み易い。
時代物におけるミステリーの匙加減がちょうどいい辺りは流石。
これなら時代物苦手な人でもとっつきやすいだろうなと思う。
そして、こういう人情ものが沁みるお年頃になってきたなぁと実感(苦笑)


「〈あの絵〉の前で」原田マハ著
原田マハさんお得意のアートもの短編集。
マハさんのアート短編集は以前も読んでるけど、あれよりアートは成分少なめ、かな。
ホンマにわき役としてチラッと出てくるくらい。あくまでも、人間が主人公。
とはいえ、どの短篇も、「絵」が人の背中を一押ししてくれる感覚がしっかりと伝わるいい作品でした。
どの短篇にも暖かな読後感があるしね。


「旧友再会」重松清著
重松さんお得意の?中年共感小説。
所謂バンドマンの自分も、世間一般でいう中年ではあるので、沁みました(苦笑)
中でも、「8050問題」を想起させる二編は特に、ね。
最初に収録されてる「あの年の秋」は重松さんには珍しいテイストで…これが一番良かったかな。
後は、地名は変えてあるけど、完全に山口をモデルにした短篇とか。
予備校に通った一年だけ住んだ街やけど、色々と思い出して感慨深かった。








先月の新入荷。
ちょっと少な目…?