Tokyo Conference Day3 (3/18) | HCAP東京大学運営委員会(HCAP Tokyo)

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こんばんは。HCAP7期です。

カンファレンス3日目、宮城県女川町・石巻市での活動報告をさせて頂きます。

当日の報告の前に、今回、東北地方を訪れることになったいきさつを簡単にご説明させて頂きます。
ハーバード生に「今」の日本を伝えたい。そう考えた時に頭に浮かんだことは、震災からの復興に関することでした。とは言いつつも、私自身ボランティアなどで東北に行ったこともなく、身近な人に東北の話を聞いていたわけでもありません。ハーバード生に伝える以前に、自分たちも知らないことだらけである状態からのスタートでした。ハーバード生と共に「今」の日本を知ろう、考えよう、と思ったことからこの企画はスタートしました。
2日間の女川町訪問での企画は、街を自分達の目で見て感じる、そして女川町の方々の思いに触れる、そして感じたことをまとめる、という流れで進みました。

ここから、女川町訪問1日目の報告をさせて頂きます。朝
8時頃石巻市に到着、女川町観光協会の方にバスにご乗車いただき、石巻市見学・女川町見学が始まりました。夜行バスで疲れていただろうにも関わらず、石巻市・女川町の津波の被害を目のあたりにし、観光協会の方の話に皆、熱心に耳を傾けていました。かつては家が沢山建っていたであろう場所がきれいに何もなくなっている様子、その中にたたずむ横倒しのビル、使えなくなってしまった車の山…そのような風景を眺めていると、何ともいえない思いで心がいっぱいになりました。メディアを通じて映像を見たり話を聞いたりしていただけでは、いまひとつピンと来ていなかった震災の現状が、生の風景を目にすることで、深い印象となって心に残りました。

その後、巨大冷蔵庫MASKARを訪れました。これは、漁業の町、女川町の水産業復興のためにカタールから資金を得て建てられた巨大な冷蔵庫です。ここでは、見学だけでなく、女川魚市場買受人協同組合の副理事長の方にお話を伺いました。震災の経験をお話しいただいた後の「幸せって何だと思いますか?」という問いかけには、深く考えさせられるものがありました。

昼食後は仮設商店街「きぼうのかね商店街」を訪れました。そこでは和菓子や甘酒、駄菓子、果物などを買って楽しむ様子、そこで出会った子供たちと触れ合う姿が見られました。

その後、震災後に、それまで務めていた会社を辞め、女川町の復興に携わってこられた方のお話を伺いました。トレーラーハウスの宿泊施設を建設したプロジェクトや、女川町の復興に関する動き等のお話しを伺いました。復興途中で新しい建築物を建てることが難しい街に、移動可能なトレーラーハウスを創る、という発想はとても刺激的でした。実際に私達はそこに泊まったのですが、カラフルでとてもファッショナブル、ご飯もとてもおいしく、本当に居心地の良い場所でした。街の復興には宿泊施設が必要だという需要を知り、宿泊施設を再開したいと思っていた人々の連携も手掛け、
2年でオープンしたことに驚くと共に、強い復興への思いを感じました。トレーラーハウスの今後の継続性について疑問を投げかけたり、お話の後も質問をぶつけに行ったりと、東大生、ハーバード生共に興味をそそられる内容でした。

そして夕食後は、近くの温泉へ行きました。個室のシャワーとは大きく異なり大浴場に皆で入るという経験が初めてのハーバード生にとっては、一大イベントだったようです。風がとても強く天候が大荒れの日でしたが、皆で露天風呂に入り、温泉を満喫してもらうことができました。

長くなってしまいましたが、女川町で学んだこと、考えたことはここに書ききれないほど沢山あります。一番考えたことは、この女川町のために、自分たちは何かできるのだろうか、ということでした。あまりにも大きなことであり、私達学生には何もできないのではないのだろうかとも感じてしまいました。しかし、女川町で起きていることを知る事、考えること、そして素敵な街だな、また訪れたいな、という思いを心の中に留めておくこと、それだけでも一つ前に進んでいるのかなと思いました。しかし、考えるだけでなく何かを行動に移すことの難しさも感じました。今後、この経験をどう生かしていくのか、それはまだ私の中で答えが出ていません。これからもじっくり考えてゆきたいと思います。

この女川町訪問では、多数の方に大変お世話になりました。当日、案内・お話していただいた方、女川町を訪れることを勧めて下さった方、企画内容の相談にのっていただいた方、笑顔で私達を迎えて下さった女川町の方々…本当に皆様のご協力なしにはできなかった企画ばかりでした。東北企画担当のひとりとして、ここで厚く御礼申し上げます。

女川町
2日目、高校生との交流企画、と、東北企画についての活動報告はまだ続きます。どうぞよろしくお願いいたします。