「3月11日」 | HCAP東京大学運営委員会(HCAP Tokyo)

HCAP東京大学運営委員会(HCAP Tokyo)

HCAP東京大学運営委員会の現役メンバーが更新する公式ブログです。

 
 こんにちは。早くも二周目、今回は佐野が書かせてもらいます。
 3月11日。多くの人にとってその日は「3.11の日」として強く記憶に残っているのでしょうが、僕は当時、別のニュースを追いかけていました。被災地の様子や原発付近の惨状はテレビをつければ分かるので、これらの問題に無関心だったわけではありません。しかし、当時僕が興味をそそられたのは震災ではありませんでした。
 2011年3月、リビアでは世界史上まれに見る構造が形成されていました。民主主義を求める民衆が独裁者カダフィの気ままな暴力の下に屈服しようとしていました。それを静観する西欧諸国…。リビアという国で生まれんとしている民主主義体制を流産させてしまうことは、西欧諸国にとって外向的な敗北になるはずです。しかし介入すれば間違いなく戦争になる。この板挟みの中で各国(特に最後まで「飛行禁止空域の設定」=「リビアへのミサイル攻撃」に慎重だったアメリカ)がどのような外交を繰り広げるか、僕は新聞に注目していました。
 震災を境に、報道は全て震災関連で埋め尽くされました。当然の現象だと思っていましたし、今でもそう思います。ただ、リビアをはじめ海外のことを一切流さないメディアや、もし震災以外のことを流そうものなら「不謹慎」のレッテルを貼る日本の社会構造に少し疑問を覚えたのも事実です。「BS世界ニュース」みたいに海外のニュースを流し続けるチャンネルがあったり、深夜には世界の様子を伝えるようにしたり、といった改善は出来ると思うんですよね。
 
 最後に、被災された方々には心からお祈り申し上げます。恐らく自分で能動的に震災を理解しようと思っても他人事として捉えてしまうと思います。だからこそ、被災地の風景をこの目で見たり(今年6月、ボランティアに参加し、お手伝いとお勉強をさせてもらいました)、被災された方々、身近な所ではHCAPの大場や高橋のお話を大切にしたりしながら、理解を深められればと思います。

 自分のデリカシーのなさに気分を害された方、本当にごめんなさい。

 佐野智樹