こんにちは、HCAP(Harvard College in Asia Program)5期代表の高橋亮(たかはし りょう)です。
HCAP東京カンファレンスの提携校として、東京大学が選ばれるのは今年で5年連続となります。このような結果も、HCAPのOB・OG方、多くのスポンサー、そして東京大学の支援やご協力に恵まれたことがあってのことだと確信しております。この掲載を機に、感謝の意を表したいと思います。
さて、今回が初投稿となりますので、自己紹介を兼ねてHCAPを紹介していきたいと思います。
私はアメリカ・ニューヨークに13年間住んでおり、日本に帰国後、東京大学を目指して受験をし、無事合格することができました。東京大学を選んだ理由は、きっと素晴らしい議論空間が存在するに違いないと思い、向上心の強い学生と日々議論できることに魅力を感じたところにあります。実際入学してから半年ほど経ちますが、駒場キャンパスには多くのゼミが存在し、自分とは異なる価値観を持つ人や専攻が違う人と議論する機会が多くあります。そのような議論空間に積極的に参加することは、自分の視野を広げるために重要であると考えております。
しかし当然、世界が抱える問題は、国際的なパースペクティブによって検証されなければならず、各国の意見が反映されなければなりません。HCAPは、「世界が抱える諸問題を、今後リーダーになるであろう学生を一ヶ所に集め、早期の段階でディスカッションを行わせよう」という理念を掲げ、ハーバード大学が設立した学生によるカンファレンスです。そのためカンファレンス中は互いを"student"として認識するのではなく、"delegate"、つまり国を代表する者として見做し、本気で10日間ほど議論するのです。
HCAPに参加したいと思うようになったきっかけも、国際社会の諸問題を東アジア各国の学生とハーバードの学生と共に熟考し、意見をフラットなプラットフォームで交わすことに強い意義を感じたからであります。2008年にノーベル経済学賞を受賞したポール・クルーグマン経済学教授が言うように、「相互理解」は国家間レベルという極めてマクロなところではなく、個人間で行われなければならないと私も強く感じ、学部生レベルでこのようにアジアの学生、そしてハーバードの学生が議論するのは、きっと将来実り多きものになると信じております。
私は代表として、対外的にはいわばHCAPの「顔」として認識されているかもしれませんが、HCAP内では5期全員の英語力の向上に加え、教養を身に付けることに勤めております。海外の中学・高校生が必ず読むと言っても過言ではない小説(1984, The Great Gatsby, Fahrenheit 451などの古典を、週1冊で進めていく)を勉強会の課題図書として課しては解説しております。
グローバル化の進行によって、英語力は確かに重要なコミュニケーション・ツールであり、とりわけ英語圏の文化理解を図るには英語学習は欠かせません。しかし、それだけでは足りない、というのが私の考えるところであり、英語で話すことが出来ても、表現したい「自己」が知的教養をという強い基盤によって支えられてやっと、国際社会の中で評価されるのではないかと思います。
そのような考えもあり、私はHCAP内部では団体の英語力と教養に力を入れており、このプログラムに参加しているメンバー全員がその二つを武器に、いわば「グローバル・パスポート」を手にすることを願っております。そのパスポートを手にし、HCAPメンバーの一人一人が世界をより良き方向へと向かわせてくれることを祈っております。
HCAP5期代表 高橋 亮