この時期、星がすごくきれいです。
全天で一番明るい星のシリウスなどは、とてもよく見えます。また、オリオン座なんかも有名ですね。仲良く並んだ3つの星はすぐに見つけることができますし、それらの左上にあるベテルギウスや右下にあるリゲルは3つの星を囲む大きな長方形を形成しています。
小学校で星について勉強したとき、星には色がついている、ということも学びました。知識としてシリウスは白、リゲルは青白などと覚えてはいたものの、実際は望遠鏡なしでは、そこまではっきりと色の違いが見えるわけではありません。ただし、ベテルギウスの赤い色だけは少し別で、肉眼でもなんとなくほかの星とは異なった、赤っぽい色をしていることがわかります。
実は、星の色はその星の寿命を表しています。青白い星は表面温度が高く若い星、反対に、赤い星は表面温度が低く寿命の近い星なのです。オリオン座のベテルギウスは、その赤い色からもわかるように、もともと寿命が近いとされる星でした。そしてつい先日、とうとうこの恒星が星としての寿命をむかえてしまう、すなわち、超新星爆発を起こし、ブラックホールになってしまうのではないかという研究結果が発表されました。
asahi.comの記事によれば、「もし爆発すれば、満月ほどの明るさになり、昼でも見えるようになる」そうです。もし本当に爆発してしまったら……、改めて言うまでもないですが、ものすごいことですよね、これ。星がひとつ、大きく変化してしまうわけです。何千年も前から占星術などで親しまれてきた星空がその姿を変えてしまう訳です。ものすごい瞬間に立ち会ってると思いませんか?
まぁ、そうは言っても、星の一生の時間のスケールに比べたら、私たち人間の時間感覚なんてほんのわずかなものです。星にとっては、寿命を迎えるのが明日だろうが1万年後だろうが、ほとんど変わらないのでしょうね。
今日は、関東はあいにくの曇り空ですが、晴れることの多い冬こそ、いつもより少し上に目を向けてみてください。きっとそこには、毎日あくせく過ごしている私たちの想像しているよりもはるかに多くの星たちが悠々と輝いていることでしょう。