標準管理規約・管理計画認定制度の見直し等の検討状況(5) | セミリタイアを目指すサラリーマン大家 マンション管理のお勉強

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「今後のマンション政策のあり方に関する検討会とりまとめ(2023年8月)」にもとづき、標準管理規約・管理計画認定制度の見直し等が国土交通省が設置したワーキンググループで検討されています。検討状況の資料を参照し、気になった点をメモ書きしましています。今回は令和6年2月27日の第5回の検討内容についてです。

第5回(開催:令和6年2月27日)
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000142.html

(1)住宅金融支援機構「マンションライフサイクルシミュレーション」について

●管理計画認定基準に定める修繕積立金の基準

・マンション共有部分リフォーム融資を利用するにあたり、長期修繕計画を見直し、適切に修繕積立金を引き上げたにもかかわらず、管理計画認定の修繕積立金の基準値に達しない。(通常、大規模修繕にあたり融資を受けるマンションは、その時点で長期修繕計画を見直し、収支が均衡するよう、修繕積立金の引き上げを行っており、修繕積立金は当該マンションにとっては適切な設定となっている。)

・EVや貯水槽等、維持管理に高い費用がかかる設備がない場合や共用部分が華美でないシンプルなマンションは、適切な修繕積立金設定を行っても、管理計画認定基準に定める修繕積立金に届かないことがある。(マンション毎にスペックが異なるため、必要となる修繕積立金もマンション毎に異なる。管理計画認定基準における修繕積立金基準については、調査データの下限値を採用することで個々のマンションのスペックの差が飲み込めるよう一定に配慮されているものと思われるが、多様なケースに対応し切れていない。)

●マンション管理計画における修繕積立金の基準に満たない場合の取扱

・修繕積立金ガイドラインを基に設定する水準を下回る場合は、専門家からの修繕積立金の平均額が著しく低額でない特段の理由がある旨の理由書を提出することで、基準値以下の場合でも基準をクリアする道が用意されている。その中で『専門家が検討する際の判断材料の一つとして、(公財)マンション管理センターが行っている「長期修繕計画作成・修繕積立金算出サービス」や(独)住宅金融支援機構が提供している「マンションライフサイクルシミュレーション~長期修繕ナビ~」を活用することも考えられる。』と記述されているが、現状、この運用は活用されていない。
→マンション管理士に対するヒアリングにおいても、管理計画認定の修繕積立金の基準に満たないものを自らの判断で問題ないとするハードルは高く、事前確認適合証を発行するマンション管理センターにおいても判断基準が明確で無いため、理由書が提出された場合において判断が困難であると思われる。

(2)質疑・意見

●予備認定について
・予備認定と管理計画認定制度が連続して制度として存続しているというふうに誤解されている方が非常に多い。予備が取れたのに本認定が受けられないのはなぜかみたいな質問を受けることが非常に多い。
→地方公共団体の独自基準等に抵触してしまって管理計画認定制度が取れない場合がある。
・予備認定と管理計画認定の基準は、自治体の基準だけではなくて、基準の中身も違う。→予備認定のときは、独自基準は適用されないので、国の基準だけを満たしていれば予備認定は取れる。さらに、国の基準全部ではない。まだ決まってないものもあるため。
・予備認定は、誰が認定を申請するか、その申請をいつするかということが全然違う。予備認定というのは、あくまで分譲業者が分譲に際して予備的に認定を受けておくと、フラット35の新築分譲の融資が低くなるという大きなインセンティブがあるので、約半数の新築マンションが予備認定を受けているという状況がある。