区分所有法制研究会の検討内容(6) | セミリタイアを目指すサラリーマン大家 マンション管理のお勉強

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令和3年3月から令和4年9月にかけて「区分所有法制研究会」において、法律専門家、都市工学者等のほか、実務・実態的な側面からマンション関係団体、法務省、国土交通省等も参加して、決議要件の緩和、所有者不明の課題等、広範な検討が行われ、報告書がとりまとめられました。検討会で行われていた議論内容も参考になるかと思い、資料を参照し、気になった点をメモ書きしましています。今回は令和3年9月27日の第6回の検討内容についてです。

■第6回(令和3年9月27日開催)
https://www.kinzai.or.jp/legalization_manshon.html

(1)建替えに要するコストをめぐる問題について

・建替え決議の内容を実現するためには、建替え決議に賛成した区分所有者は、決議に賛成しなかった区分所有者に対して、売渡請求権を行使してその権利を買い取らなければならないが、決議要件を緩和した場合には、その分だけ買取の費用負担が重くなるなど、建替えに要する社会的・経済的コストが増大することになるとの指摘がある。
 そこで、このようなコストの軽減や財源の確保のための方策をどのように考えるかが問題となる。

・建替えに要する費用に充てる資金を捻出するために、管理組合が取得した区分所有建物の一部を賃貸したり、売却したりすることが考えられるが、管理組合の目的の範囲が隘路となっているとの指摘があった。

・資金を捻出するという観点からは、区分所有建物の敷地の一部を売却することも考えられるが、これについては、分筆の手続も必要となるなどの別の問題がある。

・なお、マンション建替え円滑化法においては、容積率制限の緩和の仕組みが設けられているほか、マンション敷地売却における転出者の譲渡所得等の特例が設けられるなどし、税制措置がとられている。

(2)質疑

●所在不明
・所在等不明の定義をどう用いるのかについては規定がないが,三つぐらい定義があると思う。
(ア)とことん突き詰めてそれでもわからない場合,
(イ)登記上の名義人に充ててやればよい場合,
(ウ)中間的なものとして,公的な資料,必要に応じて現地調査をする場合。

・新築して 5~10 年だとそういうことは起きないかもしれないが。かなり悲惨な状態があるとも聞く。そういうマンションだと,もともとの経済的価値は高くないので,できるだけ負担をかけない仕組みも重要だと思う。
 あまり,所有者不明と賛否不明を分けずに,探索も,なるべく負担をかけないと。登記と現住所の二つに通知を出して,あとは委任されたものとすると。対策を前もって講ずることは重要だと思う。

●所在等不明の区分所有者がいる場合における決議一般の取扱い
・専有部分が数人の共有に属する場合において、一部の共有者のみが所在等不明となっているときの取扱いをどうするか。
→昔亡くなっているのにそのままになっているケースでは,戸籍調査などせざるを得ない。どこまで調査すればよいのか。調査結果で生じたのが 30 名だとすると,何人か所在不明者がいたとして,それをどうすればよいのか。