ビートママのCancer Xセッションレポート⑪ | NPO法人 肺がん患者の会 ワンステップ

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2023年4月、9年目突入。肺がん患者・家族の「いきる勇気」につながればいいなと思っています。

みなさん、こんにちはニコニコ   ビートママです🐾  

 

 

 Cancer X は、がんと言われても動揺しない社会の実現を目的として設立されました。

今回は、2021年2月に行われた、研究開発治療に関するセッションをお届けしたい‥のですが、実はセッションの内容が2回視聴しても半分以下しかわかりませんでした。英語の専門用語だらけのスライドが多かったことも一因ですが、未知の用語が聞き取れなかったことも多く、レポートとしては「ほんのさわり」になってしまうことを、おわびします。

 

 

Cancer X セッションレポート⑪

研究開発治療「10年後のがん治療はどうなる?」

 

 CancerXの代表理事であり、アメリカMDアンダーソンがんセンター乳腺腫瘍内科教授でもある上野直人先生を含め、登壇者は4名。それぞれがん治療の4つの分野、①化学療法、②免疫療法、③放射線治療、④手術療法について、10年後に向けての方向性を語ってくださいました。

いずれもがん治療の世界をリードする先生方ですが、将来を見通す際にポイントとなるのは、1)個別化がん治療、2)個別化がんケア、3)がんにおける人工知能の活用、4)がん治療にかかわる医療工学、5)個別化がん予防、ということであるという点で、共通するものがおありになるようでした。

 

 

治療の個別化は、ますます進行する。

 

 アメリカMDアンダーソンがんセンター乳腺腫瘍内科教授でもある上野直人先生によれば、ゲノム医療に見られるように、がんの分子情報がどんどん増えているのが現代という時代なのだそうです。

 予測因子(がんになりそうなのか)、予後因子(治療後にどんな状態になりそうなのか)などを踏まえ、治療の個別化は今後ますます進むと考えられているほか、既存の治療のほかにも革新的な治療が出てくる可能性も否定できません。

 現在、がん治療薬として模索中なのが、たとえばこれまでにない天然化合物で、それを捜すために深海やジャングルにまで探索の手が伸びています。遺伝子治療やナノテクノロジー、パノミクス(個別の遺伝子から、タンパク質、代謝までを包括してとらえる考え方)などに加え、がんそのものではなく、身体全体の環境を変えることでがんを排除することを目指すという考え方も存在します。

 治療として、何かを加える、プラスするということだけでなく、がん治療においては「不必要なことをいかに省くか」という「デスカレート」という思想も重要です。たとえば乳がんでは、現在では7割の人が不必要な治療を受けなくて済むよう、デスカレートが進みました。

個別化がんケアを考える上では、人に関するあらゆること(マインド、運動、スピリチュアル、ソーシャルなど)をデータ化することが有効かもしれない、とも。すなわち人の身体の状態や動きなどを全てデータ化できれば、いつもの状態からはずれた「不調」の状態をきわめて早期に検知し、それを病気の兆候として活用できる可能性があると考えられるのです。

 

 

徹底的な解析で、いつかがんを完璧に排除できる日も。

 

 国立がん研究センター工藤知恵先生は、免疫療法の研究に携わっています。

 ひとことに「免疫細胞」と言っても、実はいろいろな種類があります。たとえば、先天的に人に備わっている自然免疫。人が後天的に手に入れる獲得免疫などが知られています。

しかし免疫というのは、外敵をやっつける免疫細胞だけにとどまりません。実はがんの進展をサポートしてしまう、「負の免疫」というものも存在するのです。

 こうした複雑な人体においては、治療効果の高低を決める「キー」も、いまだに不明のものが多いのです。複雑すぎて、よくわからない。治療効果がどう出るかも、完全に予測できない‥。

 そこで、「免疫」に影響を与える可能性のある、身体中のあらゆるパートを徹底的に解析することが必要なのではないか。今、最先端の免疫に関する研究では、そんな考え方が出てきているそうです。一体何が、どうやって免疫にかかわっているのか。そこが解き明かされる日がくれば、これまで以上にがんを完璧に排除できるようになるかもしれません。そて「前がん状態」にある免疫不調を察知することで、早期診断に結びつく可能性もあるとされています。

 

 

実はメリットの多い放射線治療の今後。


 長年放射線治療に携わってきた筑波大学櫻井秀幸先生は、放射線治療を「臓器と機能が残るなど、メリットの多い治療」と評します。そして放射線治療は、現在でもさらに進化を続けています。

 その進化は、画像誘導小線源療法、X線のように透過せず、がんで止まる粒子線治療など、リアルタイムで正確に、がんだけに放射線をかける、あるいはがんだけに放射線を集めるという方向に向かっています。さらに、従来は放射線が効きにくいとされているがんへの対応(中性子補足療法BNCT)や、放射線と相性のいい療法(免疫チェックポイント阻害薬)などとの併用も研究されています。

 10年後にはもっとやさしく、もっと強く、もっと多くの人に使用できる放射線治療でありたい。そのためには大量のデータ解析、そして人材育成が必須となるでしょう。

 

 

手術室も、変貌を遂げつつある。
 
 東京女子医大村垣義弘先生は、手術療法の未来の一端を見せてくれました。
 がん精密誘導手術を実現してくれるスマート治療室・SCOT(Smart Cyber Operating Theater)は、すでに実用化が始まっています。これは治療室の機器をネットワーク化し、術中データの最適表示、融合表示等を行うことで、術者の意思決定をサポートする最先端の手術ツールです。言ってみれば執刀医(パイロット)と、そのほかのスタッフや機材(管制室)の関係のように、包括的に手術を行うもの。これによって遠隔での参加も容易となります。また、全てのデータを今後のためにストックできることから、将来的には、学習型ではあるかもしれないけれど人工知能の活用も視野に入ってきます。
 光線力学的療法PDT(光化学反応による腫瘍組織の壊死)、音響力学的療法SDT(超音波を利用して腫瘍組織を壊死させる)など、従来よりさらに低侵襲な治療法も、研究が進められているところです。

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 10年後、と題して行われたセッション。研究開発は日々続けられているのだ、ということだけはよくわかりました。まさに日進月歩、小さな変化の積み重ねは、いずれ大きな改革への布石となるのでしょう。

 

次回は最終回です。あと1回、お付き合いくださいね🐾🐾

 

 

 

 

 

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