ビートママのCancer Xセッションレポート⑥ | NPO法人 肺がん患者の会 ワンステップ

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2023年4月、9年目突入。肺がん患者・家族の「いきる勇気」につながればいいなと思っています。

みなさん、こんにちはニコニコ   ビートママです🐾  

 

 

 Cancer X は、がんと言われても動揺しない社会の実現を目的として設立されました。

2021年2月に行われたゲノム医療に関するセッションでは、ゲノム医療のいまについて、さまざまな立場の登壇者が語り合いました。今回のレポートでは、そのうちのがん治療にかかわるゲノム医療の部分をお届けします。まず、登壇者を紹介しましょう。

 

桃沢幸秀先生:動物と人間の遺伝子双方に造形が深く、その知識を大規模なゲノム解析に活かして活躍中。

野間博之先生:2018年6月に開設されたゲノム情報管理センター(C-CAT)のセンター長。かつては臨床の現場にいたが、「治せない患者」を前に胸を痛め、基礎研究の分野に飛び込んだ。そこで肺がんの原因遺伝子だるEML4-ALK融合型チロシンキナーゼを発見し、ザーコリ、アレセンサの承認へと治療の道を拡げた。

 

なお、C-CATは我が国が政策として進める良質なゲノム医療を実現するための機関。

 

 

 

 

 

Cancer X セッションレポート⑥

ゲノム「遺伝情報、治療や予防に役立てる?

 

 

 

がんは遺伝病ではなく、遺伝子の病気。

 

 

 がんは遺伝子の病気ですが、遺伝病ではありません。生殖細胞(精子・卵子ゲノム)に変異があれば遺伝病として伝わりますが、将来的に臓器になる体細胞のゲノムの傷ががんになったものは、子孫には影響しません。しかし、がんそのものではないけれど、がんになりやすい素因は遺伝する可能性があります。あるいは、がんやほかの病気を排除するためのDNAに異常があれば、「自分ではがんを治しにくい」というリスクになる場合も考えられます。さらに最近では遺伝子の異常についてより詳細な解析が進み、「二次がんになりやすいので、放射線治療は避けたほうがいい遺伝子異常」なども見つかっています。こうして発見された情報をどこまで患者本人に伝えるべきか。その点については、いまはまだ現場で悩みながら進められている、過渡期にあると言えるでしょう。

 

 

 

保険でパネル検査を受けられるタイミングは?

 

 現在、がん患者が保険の範囲内でパネル検査を受けられるのは、標準治療が終了した、あるいは終了見込みの段階となります。患者の状態が良好とは言いにくい場合も多く、そのせいもあってパネル検査の結果、適切な薬剤に到達できる割合は、約1割となっています。

 現在がんは、肺がん、胃がん、大腸がん‥‥というように、臓器ごとのくくりとなっています。そして治療薬も臓器ごとのくくりとなっているため、たとえばほかの臓器で同じ遺伝子異常が見つかったとしても「臓器が異なれば承認薬とは言えないから、その薬は使えない」ということになってしまいます。このように保険適用内の薬が使えず、治験・先進医療への登録をしても薬が見つかないという場合に、ゲノム拠点病院のみではありますが「受け皿試験への登録」という道が残されています。

 「受け皿試験」で、製薬会社からの薬剤無償提供を受け、試験への参加という形で適用外の薬にチャレンジできる場合もあるのです。混合診療のようなしばりも少なく、これは非常に希望を持てる形態ではありますが、治療後の副反応などに厳重に備える必要があることから、あくまでもがんゲノム拠点病院のみで行われるものとなっています。

 

 

なぜ早い段階でパネル検査が受けられないのか。


 「標準治療終了間近にならないとパネル検査が保険適用にならないのは、不合理ではないか」という声は多く聞かれます。

 確かに、将来は初発時にもれなくパネル検査を行うという時代、あるいは生まれたばかりの時点ですべての遺伝子について解析を行うという、SF映画のような時代がくるかもしれません。それが現在実現できないのはなぜでしょう。

 ひとつは、信頼性の問題です。現在、がん診断時に行われているコンパニオン診断は、ひとつの診断薬でひとつの遺伝子変異の有無しか調べられません。これは一見、不便なことのように思われるかもしれませんが、実はこのコンパニオン診断は実に精度が高いのです。つまり間違いが少ないということで、これは高く評価されるべきことです。

 パネル検査については、現段階ではその精度について調査中の部分も残されています。ちょっと想像してみてください。たとえば「初発時にパネル検査をした。その結果○○という遺伝子変異ははかった」という検査結果が、もしも間違っていたら。その患者さんは、○○という遺伝子変異に対応した薬を使用する道を、永遠に閉ざされてしまうことになってしまう。ですから、パネル検査の確実性の高さが証明されるまでは、パネル検査に安易に頼ることをするべきではない、とされているわけです。この精度の問題については、初発の患者さんを対象にパネル検査とコンパニオン検査を同時に受けてもらい、その結果を比較するという調査が、先進治療という形で進められているところです。

 もうひとつの問題は、その費用です。がん罹患者全員に保険を適用してパネル検査をすることは、国の財政に大きな打撃を与える可能性があります。国民皆保険の制度を持つ国が、パネル検査に保険を適用する例は、実は世界的に見ても日本ぐらいなので、費用の問題については慎重に議論していく必要がありそうです。

 

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 将来的には、病気になった時に調べるのではなく、健康な時に、それも赤ん坊の時にすべて調べてしまうゲノム医療の時代がくるかもしれません。さまざまな遺伝情報や遺伝子の情報について私たちが動揺せずにそれらを受け入れていくためには、たとえば中学生程度になったらゲノム医療の根幹を授業でしっかりと説明するというような環境整備も必須となるでしょう。

 

 

では次回もお楽しみに🐾🐾

 

 

 

 

 

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