広島で乳がんの治療をしているひがき乳腺クリニック院長・檜垣健二です。
私が11年前にひがき乳腺クリニックを開業して間もなく、看護師が不足する事態が起きました。「猫にもすがる」というのは、こういう事なのか・・・と思いました。
私が広島市民病院に在職中、看護師Tさんと出会いました。乳腺外科の外来がまだ産婦人科の中にありましたから、Tさんも婦人科と乳腺外科を掛け持ちでした。
そんな時に私の家内が婦人科で手術をうけることになり、Tさんが家内の入院のオリエンテーションをしてくれました。当時、もう一人印象に残ったのは新卒の看護師で体は小さいのにパワフルでとにかくよく動いてよく働く人でした。
窮地を救ってくれたのは、子育てをして休職中の前述のTさんでした。藁にすがった私はその藁を10年手放しませんでした。
Tさんが昨年の私の誕生日にひがき乳腺クリニックを退職されて、私の心には杉良太郎の歌う隙間風が吹き続けました。先日の昼休み、Tさんと一緒に働いた当時新卒だった看護師が訪ねてきてくれました。
「Tさんが、この時間が突撃にはいいよ」と教えてくれたそうです。今は香川県立中央病院で働いていて、近いうちにご主人について関東に転居されるとのことでした。
「チキンラーメンが手に入らなかったのでアップルパイにしました」と微笑んだ彼女も、もう41歳になったそうです。半年間しか一緒にいませんでしたが、以前もらったチェックのハンカチは大事に使わせてもらいました。
お互いの夢である「また一緒に働けたら」は叶わないことになりましたが、元気な彼女を見ているだけで、私は50年医師をしていてよかったと思いました。
広島で乳がんの治療をしているひがき乳腺クリニック院長・檜垣健二でした。



