広島で乳がんの治療をしているひがき乳腺クリニック院長・檜垣健二です。
その方はその年の3月に授乳中でしたが、エコーでの検診をうけられて異常なしでした。しかし夏になると、ピンポン玉大の腫瘤に気が付きました。
検診をうけられたばかりのため様子をみることにしたところ、腫瘤は増大するようでした。そのうち、子供さんが腫瘤があるほうのお乳を飲まなくなったので、2年4か月続けた授乳は中止することにしました。
腫瘤を自覚して半年経過した頃、その方が医療機関を受診されたとき、その方の年齢は40歳を過ぎていました。諸検査の結果、診断は乳がんでした。
がんの大きさは4.8センチあり、腋窩リンパ節はレベル2まで転移があると思われました。幸い、遠隔転移はありませんでした。
針生検の結果は、ルミナールBタイプで、Ki-67は40-50%ありました。母親は強いです。
その方は、事実をすべて受け入れて術前化学療法にのぞまれました。結果的には、検診で異常なしと言われた10か月後には進行乳がんと診断されたのです。
ここで私が強調したいことは、授乳中の検診はそれ以外の場合と比べて精度が劣ることを知っておいてほしいことです。もちろん、自覚症状があれば医療機関を受診することも忘れてほしくないと思います。
広島で乳がんの治療をしているひがき乳腺クリニック院長・檜垣健二でした。