広島で乳がんの治療をしているひがき乳腺クリニック院長・檜垣健二です。
「三者三様」は、やり方や考え方が、人それぞれであるということ。三者いれば三つの様(さま)、様子があるということです。私は、日々この熟語を体感しています。
乳がんと診断された患者さんが三人おられたとします。多くの方は、標準的な手術や術後の薬物療法をうけられます。
しかし、一部の方は進行度や病理検査の結果から、そこまでの治療が不要と思われても、「私は気になる」といわれて、より積極的な治療を希望されることがあります。例えば、5㍉の孤立性の乳がんなのに乳房全切除を希望されることがあります。
一方、リンパ節転移があるにもかかわらず薬物療法の副作用のほうが気になるという理由で、無治療での経過観察を希望される方など・・・。この方を患者さんAさんとします。
私は広島市民病院在職中のことを思い出しました。乳腺外科には私とO先生、I先生の3人がいました。
Aさんに対しては、私は何回でも何日でも時間をかけて説得することを試みました。O先生は、ある程度説得したのちは「よそに行く?」と身を引きます。
I先生はAさんの主張に耳を傾け、もし納得できたら「いいですよ」と言います。これは私が感じたことですから本当かどうかはわかりませんが・・・。
ちなみに開業後の私は、昔のようにしつこく説得をしなくなりました。その理由は、その行為が患者さんにとってプラスになるかどうかが自信が持てなくなったためです。
広島で乳がんの治療をしているひがき乳腺クリニック院長・檜垣健二でした。