広島で乳がんの治療をしているひがき乳腺クリニック院長・檜垣健二です。
80歳前の、そのかたの歴史は22年前に遡ります。右の乳がんには、リンパ節転移が一個認められました。
術後は温存した乳房に放射線治療、そしてアナストロゾールの内服が行われました。それから15年後のことでした。
右の温存した乳房への再発と、左に非浸潤がんが見つかったので、右は乳房全切除、左は乳房温存手術が行われました。
再発病巣は、12㍉大のトリプルネガテイブ乳がんでした。術後は、EC療法後にドセタキセル投与が行われました。
それから7年経過した今でも、その方はひがき乳腺クリニックに来られるたびに、開口一番、こう言われます。
「元気ですよ。ただし、足のしびれはまだありますけど・・・」と。
その方の記録を見ると、ドセタキセルは好中球減少のため4回の予定が3回しかできていませんでした。もし、4回していたらもっと症状は強かったかもしれません。
一般にタキサンのなかで、ドセタキセルはパクリタキセルに比べて浮腫は出やすいものの、しびれは軽いともいわれています。
術後10年すぎていても、しびれで困られている方もおられます。無再発でおられることは何よりですが、現時点ではタキサンをしのぐ薬は出ていないようです。
残念ではありますが・・・。
広島で乳がんの治療をしているひがき乳腺クリニック院長・檜垣健二でした。