造影MRI検査のお手柄 ⑩ | 広島で乳がん治療をしているひがき乳腺クリニック院長・檜垣健二のブログ

広島で乳がんの治療をしているひがき乳腺クリニック院長・檜垣健二です。

 

 60歳のその方は、6年あまり前からひがき乳腺クリニックに通われています。半年ごとに来られていましたが、マンモグラフィで気になる所見があったので、造影MRI検査をすることをお勧めしました。

 その結果、右に11㍉と9㍉、左に6㍉の腫瘤が造影されました。念のため、私は5年ぶりに穿刺吸引細胞診をしました。

 結果は乳頭腫(良性)でした。私は摘出も選択肢に入れました。

 広島市民病院乳腺外科にお願いして腫瘤を摘出していただいた結果、右の2個とも非浸潤癌でした。その後、右は乳輪乳頭温存皮下乳腺全切除、センチネルリンパ節生検、広背筋による同時乳房再建、左は腫瘤摘出の手術を受けられました。

 造影MRIで造影される腫瘤は乳がんとは限りません。穿刺吸引細胞診の結果も100%ではありません。

 今回のケースは、造影MRIをとっていなければ、穿刺吸引細胞診の結果を信じていれば、診断はずっと先になっていたものと思われます。私たちは、これらのことを知ったうえで毎日の診療をしていかねばなりません。

   

広島で乳がんの治療をしているひがき乳腺クリニック院長・檜垣健二でした。