術前診断の限界 ⑤ | 広島で乳がん治療をしているひがき乳腺クリニック院長・檜垣健二のブログ

広島で乳がんの治療をしているひがき乳腺クリニック院長・檜垣健二です。

 

 60代後半のその方は、右の胸に腫瘤を自覚したので前医を受診され、穿刺吸引細胞診をされ良性と診断されました。その後、ひがき乳腺クリニックを受診されましたが、気になるので、私も穿刺吸引細胞診をさせていただきました。

 その結果は悪性でした。私は、広島市民病院乳腺外科に紹介させていただきました。

 手術は乳房全切除とセンチネルリンパ節生検が行われました。病理検査の結果、9ミリ大のルミナールタイプの浸潤がんで、リンパ節転移はみられませんでした。

 術後の治療は、レトロゾールの内服のみですみました。この方のように、良性と言われたにもかかわらず、安心されずに別の医療施設を受診されるような方は少ないと思います。

 ましてや、前医と同じ検査を行い、正反対の結果が出ることはめったにないと思います。私たちは、何事も100%でないことだけは知っておくべきだと思います。

 

広島で乳がんの治療をしているひがき乳腺クリニック院長・檜垣健二でした。