治療の価値とは | 広島で乳がん治療をしているひがき乳腺クリニック院長・檜垣健二のブログ
広島で乳がんの治療をしているひがき乳腺クリニック院長・檜垣健二です。

 私は国立大学の医学部を卒業しました。当時の医学部の最初の2年間は一般教養、次の2年間は基礎医学、そして最後の2年間は臨床医学でした。
 私の人生で今でも役立っているのは最初の2年間の一般教養です。最後の2年間の臨床医学は医者になってから勉強しても十分間に合います。
 一般教養のなかで、なぜ科学が進歩したかという講義はおもしろく今でもその内容を覚えています。すなわち、科学は物事を数字に換算するためその客観的な評価が可能となるという、お話でした。
 痛みの評価を表すフェイススケールなどはそのためのツールだと思われます。しかし患者さんが受けられている治療を定量化して評価するのは容易ではありません。
 一般的に治療の価値は分子に「治療効果」、分母に「コスト」と「毒性(副作用)」をもってきて評価することになっています。この三つの因子はいずれも定量化は可能ですが個人差が大きいものもあります。
 もちろん、これらを医療側からみるか患者側からみるかでその評価は異なることが多いようです。このギャップを縮めるツールは科学ではなく医師と患者の対話のような気がします。
 
広島で乳がんの治療をしているひがき乳腺クリニック院長・檜垣健二でした。