広島で乳がんの治療をしているひがき乳腺クリニック院長・檜垣健二です。
私が大学を卒業するころ「内科診断学」のテキストが二冊ありました。いずれも高名な先生が書かれたものでした。
そのうちの一人がご自分の診断の的中率を公表されたことがありました。その数字は100%には遠く及ばない値でした。
エコーやCT、MRIなどのない時代のことですから止む負えないとはいえ、世間ではその数字は否定的に受け止められました。私は今でもその数字はすごいと思っています。
先日、細胞診やMRIまでしても診断がつかない方に腫瘤を摘出することをお勧めしました。ご家族には、「医学が進んだ今でもそんなことをする必要があるのか?」と言われました。
この一年で細胞診や針生検で良性と診断された方の数人が腫瘤の摘出後に乳がんと診断されました。もちろん、これらの方には私自身がそれまでの診断過程での判定が信じられなかったので手術をお勧めしました。
いずれの診断も役に立つけれど100%正しくはない・・・という事実を認める必要があります。そして、それをどう考えるかは医師により異なります。
私の診断の的中率は100%を目指す・・・道中ですので、時々患者さんに手術をお勧めするかもしれません。
広島で乳がんの治療をしているひがき乳腺クリニック院長・檜垣健二でした。