足摺ヒラタF2 | 煙の休日

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虫好きによる、昆虫観察・採集・標本・飼育を中心としたブログです。
2019年6月5日旧Yahoo!ブログから引っ越しました。

 

サイズとスタイルの両立を目指して飼育した高知県土佐清水市足摺岬産の本土ヒラタ。

昨年7月頃に孵化した幼虫が丸一年かけて今年の7月頃一斉に羽化しました。

 

累代はF2。

オス個体を全て個別撮影したのでお披露目します。

先に言っときますが、今季の育て方ではサイズは出ませんでした(笑)

形、スタイルに注目してご覧ください。

 

 

WDから採れたF1成虫を2ペア使ってペアリングし、Aライン・Bラインに分けて飼育していました。

 

まずはAラインの結果から。

 

 

1

 

2

 

3

 

4

 

5

 

 

6

 

7

 

8

 

9

 

 

Aライン

最大60㎜

最小44㎜

 

お察しの通り、1~3番までは雌雄判別ミスにより500ビンで育ててしまったやつです(笑)

全体的にサイズは残念な感じですが、下膨れが目立つ個体は無く、シュッとしたスタイルになって良かったです。

というか、この産地自体がスマートな体型になりやすいのかもしれません。

以前、足摺のクワガタは土地の成り立ちから考えて古代九州の大分~宮崎あたりの血を受け継いでいるのではないか?

と書いたことがありますが、中・南九州の本土ヒラタもこのようにスマートな体型が多いのでしょうか。

大顎も長めの個体が多く、隣町の大月町産のものとは印象が異なります。

 

 

 

 

 

次にBラインの結果です。

 

 

10

 

11

 

12

 

13

 

14

 

15

 

16

 

 

Bライン

最大60.3㎜

最小51㎜

 

Bラインはなぜかスタイルにバラつきが出ました。

11番のように横幅があり、がっしりしたものや、12番のようなアゴ短の個体もいます。

最大個体の16番は前胸背板後縁の歪みにより体軸にズレが生じたのがちょっと残念ですが、スラッとした足摺産の特徴がよく出た美しい個体です。

個人的にはその前の15番の個体のアゴの太さ、体幅とのバランスが良くてお気に入りなんですが、これは大月町産の特徴に近いかも。

Aラインと同じ育て方をしたのに面白いですね。

 

 

以上、現在羽化して固まっている足摺産本土ヒラタのオスでした。

まだ3匹ほど蛹やってるので、来季の種親は後程決めようと思います。

ペアリングは来年かな。

 

 

 

参考までにメス。

 

 

この個体はAラインの中で大きい方。

メスは正直評価に困る(笑)

 

メスの数が多いので、種親が決まったら余品を1♂2♀とか2♂3♀にしてオクに出そうかな。

ちょっと涼しくなってからになると思います。

 

 

 

 

総括

 

今季はマットオンリー、床下常温管理・マット継ぎ足し交換というナチュラルな飼育法で、下膨れしないシュッとしたスタイルを目指しました。

あわよくばサイズも・・・と考えていましたが、結果的に小さいのばかりが羽化してきました。

最終体重は14~15gと、菌糸→マットリレーであれば60㎜に届くウエイトの個体が複数出たのにも関わらずです。

ちなみに今季最大体重の16gの幼虫は9番の60㎜となりました。

体型の面はひとまずクリアしたとして、来季の課題はこのスタイルを維持したまま、成虫サイズ…還元率を良くすることですね。

難しいとは思いますが、もう新しいプランは考えているので、来年実行してみようと思います。

 

とにもかくにも、昨季見られなかった60㎜アップが出て、個体変異も確認できたのがなによりの収穫です。

なんとなくこの産地の傾向が掴めました。

累代を重ねれば、もっと美しく大きくなると思います。

 

目指せ!大型美形!!