お久しぶりです。
先々週、春のトンボを見に高知県三原村の田んぼを訪れました。
この時は田植えの真っ最中でした。
高知県の早場米は8月にはもう稲刈りするので、田植えも3月下旬ごろから始まります。
ゆえにトンボの出現も早いのです。
ホソミオツネントンボが早苗の間や田んぼの淵を飛び交っています。
ホソミオツネントンボ♂
綺麗なブルーに焦げ茶色の斑点が特徴。
成虫で越冬して春~初夏に繁殖するトンボは日本に3種類いますが、これはそのうちの一種。
交尾
メスはオスと同じ配色の型、茶色い型、中間の色の型の3タイプがあります。
↑は茶色型。
連結産卵
以前中国地方で観察した時もそうでしたが、このトンボは10時以降にならないと産卵スイッチが入らないようです。
この日はちょうど10時くらいに到着したのですが、まだほとんどのペアが交尾態でした。
連結産卵
11時頃から急に産卵ペアが増えだしました。
卵を産み付けているのはほとんどがスズメノテッポウという雑草です。
田んぼで産卵を観察したのは今回が初めてですが、てっきり稲に産むものだと思っていました。
早苗の葉や茎は柔らかすぎて産卵には不向きなのかもしれません。
産卵する3ペア
条件の良い所では集団になることも。
このトンボを撮影する醍醐味でもあります。
この株には5~6ペア取り付いていましたが、残念ながら手前の草が邪魔で全体は写せませんでした。
まあ見つかりにくい所だから集まってるんだろうけど(笑)
ホソミイトトンボ
この地区の田んぼではもう一種、ホソミイトトンボも産卵していました。
ホソミオツネントンボと同じく成虫越冬してこの時期に繁殖するトンボです。
産卵?
このトンボこそ稲に産卵するのかと思いきや、
やはり産卵管が深く刺さらないのかこの後すぐに飛び立ってしまいました。
連結産卵
大人気だったのはこのちょっと突き出た棒です。
何ペアも群がっていましたがこの狭さではせいぜい2組様までといったところ。
他所で観察していてもそうですが、ホソミイトトンボは生きた植物にあまり産卵したがりませんね。
田んぼにはこういう棒切れとか枯草があまり浮かんでないので場所取りに苦労しているようでした。
畔のシオヤトンボ♂
春に羽化するトンボ、シオヤトンボもほとんど成熟していました。
これ書いてる今はもう繁殖期に入ってるかも。
タベサナエ♀
羽化したばかりと思われるタベサナエも1匹確認しました。
高知県ではかなり減っている種類です。
こいつの産卵写真も撮りたいんだよなあ。
畔のツマグロヒョウモン♀
ニワハンミョウ
マツバウンラン
春のあぜ道散歩はいいものです。
農薬だらけでウスバキトンボくらいしかいない田んぼもあるけど、こういう命あふれる田園こそ田舎のシンボルでしょう。
三原村では地域ぐるみで農薬を極力減らした米作りを行っているそうです。
耕作放棄地も他の地域と比べて少ないし、ここはまさにトンボの楽園。
この取り組みが後世に引き継がれることを願ってやみません。