ハードボイルドパパ -9ページ目

ラブレター

タカは三才である。


幼稚園の年少である。


つまり未成年である。

そのタカが同じクラスの可愛い女の子からラブレターをもらった。

中身がすごい。

まだお互いに文字は書けないので、お姉ちゃんが代わりに書いたラブレターだ。



 タカくんが好きだよ!


 タカくんと結婚したい!



大人でも顔を赤らめるほどストレートなプロポーズである。



タカはお手紙をもらったと喜んで妻に渡したが、ハヤには見せたがらなかった。



その後、ハヤはこっそりその手紙を読んで、結婚したいって書いてる、と笑っていたそうだ。



そんなハヤを見て妻は冷たく言った。



「ハヤは一回もラブレターはもらわなかったよね…」



・・・・



「ハヤでもモテててたから、年少のときはモテるもんだしね」



タカ、ハヤ、気にしなくていいんだぞ。



パパは未だに一度もラブレターなんてもらったことなどないのだから。



ハードボイルドにラブレターはいらないのさ・・・

夜、ハヤがを捕まえたと私に右手を差し出した。


私「風呂上がりになんか捕まえるなよ」


と言って見ると、小さな掌には蚊でもない糸のように細く小さなが載っていた。


つぶれてはいないが動かないようなので死んでるのだろう。

よくこんな小さなを捕まえられたものだと感心したものの


私「ティッシュで包んで捨てなさい」


と指示した。


ハヤはティッシュを手に取ったものの、どうやってを捕まえたのかを説明しようとする。


私「早く捨てなさい」


しかし、時すでに遅く、ハヤの掌からは消えていた。


そこへ死ぬほどが嫌いな妻が風呂から出てきた。


ハヤに手洗いに行かせてるのを見て察したらしく、


不機嫌な顔で床掃除を始めた。


眠くてたまらないハヤは何も気にせず布団に入った。



一寸のにも五分の魂というが、


我が家に現われた時点でには未来はないのだ。


気を付けろ!

ラフェスタを探せ!

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我が家では昨年末に車を買い替えた。


妻の要望を満たす両側スライドドアで大きくないミニバン、そのニーズにぴったり当てはまったのが日産のラフェスタだった。

ミニバン市場は飽和しつつあることもあって、広々ルーフの個性をもつラフェスタはいまいち売れてないようだ。


実際乗ってみると、小回りは利くし、トルクもあり、しかも静か、かなりいい。


ルーフのおかげで中も明るく、解放感はオープンカー並みだ。

しかし商用向きでないのもあってほとんど見かけず、


一日一台見ればラッキーなのだ。


だからドライブに出るたび、

私たち家族は、ラフェスタが走っていないか探すのである。


「あ、白のラフェスタ!」


という具合に…。

ドライブ時の家族の合い言葉は、


ラフェスタを探せ! 


なのだ。

オセロを買った

休みの日の朝、ハヤと二人でチラシ広告を見ていたら、近所のスーパーでオセロが1000円で売られていた。


よく見れば逆転リバーシという商品名でいわゆる商標が違うものだった。


リバーシ自体は古くからあったのだが、オセロが一世風靡をしたので、ここではオセロと呼ぶことにする。


オセロは子供でも理解しやすい単純で奥深いゲーム。


ハヤは学校で遊んで興味をもったらしい。



1000円は確かに安い、


買うべきと判断して朝早くからスーパーへ足を運んだのだった。



ハヤにはオセロを買ってあげたが、


タカが引き下がるわけもなく、


マジレンジャーのブルー(マジブルー)の人形を手に取ったまま離さなかった。



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オセロより200円安いだけだが、

捨てられる確率は


200倍を超えるだろうよ…。



バーミヤン

夏祭りの夜、何げに外食がしたくなって近所のバーミヤンに家族で出かけた。


寝起きのタカは事情が飲み込めないまま連れていかれたようなものだった。


あまりに中華風な味は子供の口には合わないので、


炒飯や餃子、焼売などの食べやすいものを注文した。


ドリンクバーで好きなジュースを飲めるのが子供たちには好評だ。


ハヤは最近よく食べるようになった。


炒飯や餃子を満足そうに食べている。


一方のタカは、


白ごはんばかりを食べている。


おかずは一切食べずに白ごはんばかりである。


そしてオレンジジュースを飲んでいる。


大人一膳分ある白ごはんを食べきって、


「もうお腹いっぱいや~」


オレンジジュースと白ごはん。


説明できない味覚だ…



バーミヤンの立場がないだろ、タカ…

ランドセル

近頃のランドセルは、色鮮やかである。


それが別に校則違反ではなく(小学校に校則なんてないか?)

 

率先して、黒以外のランドセルで個性を出すのだ。

それでも、無難に、が多い。


女の子は、ピンクだけでも何種類もある。




ハヤの入学用に

色とりどりのランドセルを見に、ある有名なスーパーへ買いに行ったのが2月だった。

 


どの色にしようか散々悩んだ挙句、ハヤトが選んだランドセルの色は、


 

マリンブルー・・・

 

 

 

だった。


どこかで見たことある色だと思ったら、

 


幼稚園のカバンと同じ色だった・・・

 

 


ハヤよ

せっかく環境が変わるというのに、


色が中途半端だし、

個性あるのかないのかよく分からいじゃないか・・・



他人と違うとか、そんなことは気にしない性格、


正直、うらやましいぜ・・・

 


瞳を閉じて



タカが2歳の頃だった。


ある歌を気に入って、やたらと歌っていた。


それは、平井堅の「瞳を閉じて」だ。


タイトル: SENTIMENTALovers


妻が買ったDVDやドラマを見て覚えたようだったが。



 ♪ひぃとみぃをとーじてぇ~


  ちみをたがつよー


  とれだけでいいいーーーーーーーー


  たあとえ ちてつが ぼくをおこちてー


  おきざりに ちぃてぼーーーーーー




さらに、2番に続くのだが、つられて、私や妻が一緒に歌うと


タ:「うたわないでえ!」


と怒られてしまった。



AB型の男というのはケチで独占欲が強いと聞くが、



歌まで独占するとは・・・





ハヤ対タカ

兄弟というのは、3歳以上離れると、もはや主従関係となる。


そう、聞いていた。

確かに、そう聞いた。

妻:「そんなのは小さいときは関係ない!」

そうなのだ、実際に、そんなことはないのである。

ハヤとタカは3歳違いだが、二人に限っては・・・


ハヤはタカに兄貴らしく、ものを言う。

ハ:「アカンの。これはボクのん!」


と言って、タカと玩具の取り合いをする。


タ:「ニイニイのちゃう。ボクの!」


ちなみに、タカはハヤのことを「ニイニイ」と呼んでいる。


そして、ハヤタカの戦いが始まる。



しばらくすると、


パシイッ!


タカの平手打ちが出た!



そして、ハヤは頬を抑えながら、ワンワンと泣き出す。


タカは憮然として、「ボクの、ボクの」を連発する。


私:「ニイニイを叩いたらイカンだろ!」


妻:「ごめんなさい、しなさい!」


いつものことながら、タカに謝らせようとするが、タカは絶対といっていいほど謝らない!


で、


私:「ハヤ、いつまでもビービー泣くな!」


と、ハヤに言ってしまうのだ。


タカの平手打ちならともかく、玩具の自動車でポカンといくときもある。


あれは、さすがに痛い!


さすがに、私もタカに真剣に怒る!


私:「ゴメンといいなさい! そんなことしたらダメだろ!」


といって、タカを叱る。


そして、ハヤとタカは二人そろって、泣き喚き二重唱に・・・。


これでは先が思いやられる・・・。



両家系初のAB型の扱いには


慣れてない2人であった。

プールのテスト

ハヤがプールに通い始めて2年目。


途中、プールの場所も運営主体もいろいろと変更あったが、


何とか、プールに通い続ける。



水中メガネがないとダメなのは相変わらずだが、


あれば、「鬼に金棒」のごとく、喜んで水に顔をつけるようにまでなった。



水泳教室には、昇級テストがある。


ハヤはまだ最初の15級。


5m進めるかどうか、が主な条件のようだ。


ハヤは、5月のテストのときに、4mしか泳げなかったみたいだ。


妻からのメールには、


「水泳のテストの後、何だか落ち込んでる」


と書かれていた。



夜にお風呂でハヤと話した。


私:「水泳のテストはどうだった?」


ハ:「うん、まあまあ」


私:「合格したか?」


ハ:「うん。4メートルやってんけどな合格やった」


私:「4メートル!?」


そのとき、ハヤの言ってる意味が分からなかった。


ハヤが合格というんだから合格なんだろう。


落ち込んでた理由は聞かないことにした。



そして、7月にもう一度テストがあった。


ハヤは、再度15級を受けるという。


私:「どういうことなんだ?」


妻:「前回のテストでハヤは不合格だったんだけど、先生が間違って合格にしてしまったらしい」


私:「はあ!? どういうことだ!? じゃ、ハヤは合格してないことになるじゃないか」


妻:「合格証はもらってるから、今日、合格しても何ももらえないの」


私:「いいんだか、悪いんだか。ま、今回は大丈夫だろう」



そして、5月からは成長していたハヤは、余裕で15級に合格した。


私:「ハヤ、プールテストはどうだった?」


ハ:「ぜんぜん大丈夫!」


私:「そうか、よかったな」


ハ:「次もがんばる。ちょっと難しいけどな」


私は、ハヤのあまり深く考えない、そういうところが好きである。


成長の力が他の子よりも大きいはずだ!


 いろんな意味で

JRは手を振らない

ハヤタカは電車が好きである。


自動車も好きである。


おまけに、建設自動車まで好きである。



電車を降りると決まってハヤタカは、


最後尾にいる車掌に


「バイバ~イ」


と手を振る。


私はそれを恥ずかしげに見つめる。


最寄の私鉄では、すべての車掌が


ハヤタカに気づいて笑顔で手を振り返してくれる。


その場面にホームにいるのは私たちくらいだ。



ところが


JRの車掌は、なぜか手を振ってくれぬ!



別にどうでもいいことだが



ハヤタカはがっかりしている



安全上のルールなのか


組合が決めたことなのか



JRで勤める人々よ、


ファンサービスが足りないのではないか!



それでもハヤタカは電車を嫌いになったりせずに


懲りずに毎度毎度手を振っている・・・