【モダンジャズ】
この時代の新しい形式のジャズはマイルスが始めてけん引しました。
■モードジャズ
ビバップをはじめとするモダンジャズでは、コード進行やコードの分解に基づくアドリブ・ソロ(奏者ごとの即興演奏)が行われてきました。ハード・バップに至っては、メロディが洗練された一方で、コードに基づく一つの音階のうち元のフレーズから外れた音が使えないという状況が出てきて制限がさらに増した。その大きな原因は、コード進行だけでなくメロディにおける進行感も演出しようとしたことにあるようです。
そこで、考え方を改め、コード進行を主体とせず、モードに基づく旋律による進行に変更したものが、モード・ジャズです(一説にはハード・バップから洗練・発展したものともいわれる)。
ビバップやハード・バップからモード・ジャズ (modal jazz) 中心へと移ることにより、モード奏法の確立によって、「地味に陥る危険性をはらみながらも、自由な発想でアドリブ演奏ができる」ようになったといえます。
1950年代後半にマイルス・デイヴィスにより1958年にマイルストンズ(マイルストーズ)、1959年に「カインド・オブ・ブルー(So What)
」で完成されました。
*モード(旋法)を使った曲をまとめてみた。【モードについて解説】 | KHUFRUDAMO NOTES - Official Web Site
■フリー ジャズ
フリー・ジャズは、「モード・ジャズまでのモダン・ジャズの理論の束縛からの自由」、ジャズにおける「表現の自由」などとも指摘されます。」
フリー・ジャズは、1950年代末に、クラシック音楽のような白人西洋音楽の理論や様式に従わないという理念と、ビバップ、ハード・バップ、66モード・ジャズなどが限界に達したという認識により誕生した。アフリカのルーツを重視した黒人音楽の正統なルートだけで、白人中心のジャズ音楽界をひっくり返せるというのが、一つの見解でした。
■クール・ジャズ とは、ビバップの反動として1940年代後半に生まれた、白人寄りの傾向をもつジャズのジャンル。リラックスした軽いサウンドが特徴だ。スウィング・ジャズの衰退を受け、戦後まもなくに登場したビバップは、複雑なアドリブ演奏と奔放さを特徴として持っていた。
ビバップが黒人のためのジャズであるのに対し、クール・ジャズは白人による白人のためのジャズと、後に言われることになりました。だが、クール・ジャズの創始者はマイルス・デイヴィスと言われ、彼のアルバム『クールの誕生 (Birth of the Cool)』がその起源ともされています。