1.0 宇宙と人間原理<プロローグ> | ピアの窓

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徒然に気の向くままに

「人間原理」を聞いたことがあるでしょうか。宇宙に関する科学本では時々紹介されています。

何とも怪しげな名前である。宇宙に関する多くの本で紹介されているものの、詳しい説明(納得できる説明)もないことから、恐らくは神秘主義的なあるいは哲学的な主張だろと考えていた。

 人間原理は宇宙論で、宇宙がどのように誕生し、どのような物理法則で成り立っているのかという問いかけに対し、人間の存在に理由を求める考え方です。人間のような知的生命体が存在しないと、そもそも観測されるべき宇宙は存在しないという強い人間原理と、人間の存在を必然とするような宇宙の構造を考えるという弱い人間原理がある。

哲学的な主張についてというなら、一定の関心を向けられる。というのは科学が行き詰った時に哲学者の力を借りて、新しい発想を得ることもあると聞くからである。

 それにしては、普通の科学本の中に良くでてきており、科学者があたかも一説として認めているように触れているのがどうも気になる。量子力学の学者の半数が信じているとも聞いたことがある。こうなっては、ちゃんと調べざるを得ない。

 

しかし、どんな解説本を読んでも納得がいかない。高度な原理や数学的な解析を使うわけでもないが、どうもどの説明にも納得がいかなかった。主に参考図書により数カ月かかって何んとか自分勝手に納得できたと思われるので、以下の項目に従って次回以降解説してゆきたい。

(1)人間原理とは(wikipediaから)

(2)私的理解の概要(思い切って個人的理解を)

(3)物理定数の偶然の一致(コインシデンス)と人間原理

(4)真空のエネルギー密度と人間原理

(5)マルチバース(人間原理が成り立つための条件か)

(6)哲学との関係(実在とは)

 

<参考図書>

①    野村康則「なぜ宇宙は存在するのか」

②    青木薫「宇宙は何故このような宇宙なのか」

③    雑誌サイエンス「宇宙論と人間原理」