「豆類」
「ダイズ 」について
大豆は、マメ科の一年草である。完熟した種子は、主に搾油の原料となって、脱脂後の絞り粕(大豆粕)は、飼料として利用されている。
食用にもなって、特に東アジアでは、様々な利用形態が発達している。未成熟の種子を、枝豆と呼ぶ。
東アジア原産の、ツルマメが原種と考えられる。ツルマメは、特に日本、中国、韓国に広く分布していて、歴史的に複数の地域で栽培化が始まった。
「大豆の特徴」について
農作物として、世界中で広く栽培されている。日本には、縄文時代に存在したと思われる大豆の出土例があって、『古事記』にも大豆の記録が記載されている。
植物の中でも、タンパク質を多く含有することから、日本やドイツでは、「畑の(牛)肉」、アメリカ合衆国では、「大地の黄金」とも呼ばれている。
また、日本料理やその調味料の原材料として、中心的役割を果たしている。菜食主義や殺生を禁じた宗教においては、植物性のタンパク源として利用され、精進料理においても重用された事で、多くの加工食品が生み出された。
加工食品の技術が上がるにつれて、肉を模した代替食品としても注目されている。
「栄養価」について
大豆の種子は、タンパク質や脂質および炭水化物を豊富に含んでいて、主にその脂質とタンパク質を食用および飼料用に利用するために、大規模に生産され、利用されている。
サポニンやイソフラボンも含まれている。
ダイズ種子貯蔵タンパク質のアミノ酸残基組成において、含硫アミノ酸であるメチオニンとシステイン残基が少なく、それらは制限アミノ酸となっていると言われたことがある。
そのために、タンパク質の有効利用効率を示すアミノ酸スコアやプロテインスコアを下げていると言われていた。
しかし、これらは成長期のラットに基づく数値であって、その後、ヒトに基づく数値に置き換えられ、具体的には、大豆のアミノ酸スコアが1973年には86点だったものが、1985年には100点と変更された。
大豆は、牛乳や卵と同等の良質なタンパク質であるとの評価を得ている。
「健康への影響」について
ダイズは、大豆オリゴ糖を含み整腸作用がある。大豆オリゴ糖を関与成分とした特定保健用の食品が許可されている。
大豆をよく食べる女性グループで、脳梗塞や心筋梗塞のリスクが低下した。疫学調査では、大豆の摂取は肥満および閉経後の女性で、糖尿病発症のリスクが低下するものの、全体としては糖尿病発症との関連はなしとされた。
かつて、デザイナーフーズ計画のピラミッドの1群に属して、ショウガと共に、癌予防効果のある食材の第3位として位置づけられていた。
2006年3月27日、アメリカ合衆国の健康専門月刊誌『ヘルス』による世界の5大健康食品が発表されて、スペインのオリーブ油、日本の大豆、ギリシャのヨーグルト、インドのダール(豆料理)、大韓民国のキムチの5品目が選出された。
順天堂大学の研究によれば、納豆の摂食頻度と月経状態・月経随伴症状は有意の関係がみられ、摂食頻度の増加は症状を軽減させている可能性があるとしている。
雄の2型糖尿病マウスに、大豆サポニンAグループと、大豆サポニンBグループを別々に投与したところ、大豆サポニンBグループに血糖値上昇抑制作用は認められたが、大豆サポニンAグループにはその作用は認められなかった。
発酵性大豆食品の摂取量が多いほど、総死亡リスクが低いとの指摘がある。