「バラ」について
バラ(薔薇)は、バラ科バラ属の総称である。あるいは、そのうちの特に、園芸種(園芸バラ・栽培バラ)を総称する。花が鑑賞用や食用とされる。
バラ属の成形は、低木(灌木)、または木本性のつる植物で、葉や茎に棘を持つものが多い。葉は1回奇数羽状複葉である。花は5枚の花びらと多数の雄蘂を持つ(ただし、園芸種では大部分が八重咲きである)。
北半球の温帯域に広く自生しているが、チベット周辺、中国雲南省からミャンマーにかけてが主産地で、ここから中近東からヨーロッパへ、また極東から北アメリカへと伝播した。南半球にはバラは自生しない。
「名称」について
「ばら」の名は和語で、「いばら」の転訛したものと言われる。漢語の「薔薇」の字をあてるのが通常だが、この語はまた音読みで、「そうび」「しょうび」とも読む。
漢語には「玫瑰」(まいかい)や、「月季」(げっき)の異称もある。
ヨーロッパではラテン語の rosa に由来する名で呼ぶ言語が多く、また同じ語が別義として「薔薇色」と、「ピンク色」の意味をもつことが多い。
「用途」について
花を鑑賞するために栽培されることが圧倒的に多いが、他にもダマスクローズの花弁から精油を抽出した「ローズオイル」は、香水の原料やアロマセラピーに用いられる。
花弁を蒸留すると、香水となるバラ油(ローズオイル)と、副産物の液体「ローズウォーター」が得られる。
「ローズウォーター」について
ローズウォーターは、中東やインドなどで、デザートの香りづけに用いられるほかに、化粧水としても利用される。
宗教施設の清掃や、中世においては、医薬品として、点眼薬ともされた。
食用としては、農薬のかかっていない花弁を、エディブル・フラワーとして生食したり、花弁をジャムや砂糖漬けに加工したり、乾燥させてハーブティーとして飲用し香りを楽しむ。
また、乾燥した花弁をガラムマサラに調合したり、ペルシャ料理では薬味として用いる。
バラの実である「ローズヒップ」は、ビタミンCを多量に含み強い酸味がある。花弁と同様に、ローズヒップオイルやローズヒップティーとして利用される。