11月26日、ヤフーニュースにこんな記事が出ました。
記事1人目、橋本隆生さんの場合
父親と継母からの虐待。
弟たかしさんが、父親による虐待で死亡。
記事2人目、五百部久美子さんの場合
両親による育児放棄。
児童養護施設での暴力と性暴力被害。
記事3人目、漫画家ヤマダカナンさんの場合
母子家庭で、母親は男性依存症。
母親の再婚後は義父による性虐待。
大人になり、結婚し2児の母となるが虐待などの問題発生。
ここで、親をパターン分類してみます。
① 父親と母親が両方とも親として適格。
② 父親は親として適格だが、母親が親として不適格。
③ 母親は親として適格だが、父親が親として不適格。
④ 父親と母親が両方ともに親として不適格。
①のパターンは問題ない。④のパターンも児童擁護施設などでの養育となるため、ある意味で親権は関係ない。問題は、②と③のパターンであり、親として不適格な父親および母親が親権者となり監護権者となった場合です。現在の裁判所実務においては、継続性の原則という意味不明な理由で親権が決定し、決定した親権は、よほどの問題(身体的虐待の立証など)がない限り、非親権者が親権を取り戻すことは不可能。そうすると、今の単独親権制度において、仮に、親として不適格な父母が親権を持った場合、もう一方の親が適格な親であったとしても、身体的虐待を立証しない限り親権変更はできず、子にとって家庭は地獄となります。
記事に出てくるような、親として不適格な父母は、どういった人間が親として適格なのかが理解できていないのです。そのため、自身と同じような、親として不適格な異性を交際相手に選び、その交際相手を継母や義父として家庭に迎え入れてしまい、同居する子どもの状況はさらに危険度が上がっていきます。
今の日本の単独親権制では、この状況を打破することはほぼ不可能ですが、離婚後の共同養育義務が基本設定されている欧米の共同親権制であれば、子どもが虐待される前に助け出せる可能性があります。
今の時代は、親として適格か不適格かは父母関係ありません。また、児童相談所や養護施設なども100%安全とは言えず、さらには、学校の先生や警察官であってもワイセツや不祥事のニュースが日々流れており、誰を信用していいのかも分かりません。であれば、子どもを多数の様々な人達が見守るシステムにすればいいと思うのです。
そして、父親、母親、祖父母、おじさん、おばさん、ご近所さん、学校の先生、スクールカウンセラー、ソーシャルワーカー、児童相談所の職員などなどの中で、やはり子どものため命をかけて行動できるのは父母であり、原則共同親権制は基本中の基本と言えます。
よって、共同親権(共同養育義務)を原則として、ケースバイケースで単独親権を選択とすべきです。
ちなみに、虐待は連鎖すると言われています。
記事の中で各人が負の連鎖に苦しんでいる内容がありました。
記事1人目、橋本隆生さん
『甘えたことがなく育ってきたので、子どもが妻に甘えていたりすると、イラッとするんですよ。』という発言をされています。一般的に、我が子が妻に甘えているのを見てイラッとするなどと不思議で仕方ないと思いますが、子ども時代、自分が親から無償の愛情を与えてもらえなかったために、親に甘える我が子をズルいと感じてしまうのかもしれません。
記事2人目、五百部久美子さん
”18歳で施設の先輩と同棲を始め、その彼からDVを受けるようになる。しかし、久美子さんの日記は、DVに関しては全く記されておらず、彼に申し訳ないという記述が多い”と書かれていることから、何事も自分が悪いと考えるような、自己肯定感が低い人間に育ってしまったのではないかと思います。
記事3人目、漫画家ヤマダカナンさん
『子どもを産むこと、育てること、そして母になるのが怖かった。母のような母になってしまうことが怖かった。』、『親に育てられた育て方しかできないんです。それしか知らないから。でも、それだけだと、自分のような子になっちゃうと思いました。』と語っており、虐待が連鎖することに対する不安を言葉で表現されています。
さらに、勤務先の出世コースから外れた夫は情緒不安定になり、その頃から、夫によるカナンさんへの暴力が頻繁になる。また、カナンさんもやり返し、殴り合いになったこともあり、この頃、カナンさん自身も子どもに手をあげてしまったということ。
しかし、カナンさんは夫に「すぐにDV治療に通ってほしい。通わないと離婚する」ことを訴え、また、カナンさん自身も、子どもたちに暴言を吐くことがあったため、このままではいけないと思い、カナンさんは、適切な養育を学ぶプログラムに通い始めたということ。
虐待は、大人になってからの心理面や行動にも悪影響を与え、連鎖していくものと言えそうですね・・・