FFA(遊離脂肪酸)を増やすには?

脂肪はトリグリセリド(中性脂肪)としてカラダに蓄えられています。
低負荷・長時間の運動によって中性脂肪が分解されると①グリセロール②FFAに分解され、血中に放出されます。
血中に放出されたFFAは筋細胞に入り、ミトコンドリアでβ酸化反応によってアセチルCoAに変換されTCAサイクルに入り、ATPを再合成します。
 
※初めて見る方は、以前のブログを見ていただけると何となくわかると思います。
 
<バックナンバー>
 
 
 
ここでポイントとなるのが
β酸化反応
の2つです。
 

β酸化反応

FFAは筋細胞内のミトコンドリアでβ酸化によりアセチルCoAとなります。
β酸化とはFFAから炭素が2つずつ外れ、それぞれがアセチルCoAに変換される反応です。
β酸化の初期段階において、重要となるのはFAD(フラビンアデニンジヌクレオチド)による脱水素反応です。
FADとはどんなものかを下図に示します。
見ていただくと分かるようにFADとはビタミンB2にADPが結合しているものです。
 
結論、脂肪を効率良く燃焼させるためには、
①低負荷・長時間の運動で中性脂肪からFFAを発生させること
②ビタミンB2を十分に補給しておきβ酸化を効率的に発生させ、TCA回路を活性化させる
という事です。
 

ビタミンB2について

ビタミンB2はリボフラビンとも呼ばれます。
水溶性ビタミンですが、実際のところ溶けにくく、熱や酸には強いです。
調理での損失が少ないビタミンですが光に弱く分解されやすい性質があります。
上図でもあるようにFMNやFADとして体内に存在し、酸化還元酵素の補酵素として働きます。
脂質代謝にこのビタミンB2が必要ですが、TCA回路におけるエネルギー産生にもFADが使われ、ビタミンB2が不足してしまうと脂質がTCA回路でエネルギーとして十分に利用されず、脂肪が蓄積してしまいます。
 
<欠乏症>
口内炎、脂漏性皮膚炎、脱毛症など皮膚粘膜の疾患、成長障害など
<過剰症>
水溶性で多量摂取した場合でも、体外へ排出されるために心配は少ないようです。
尿中排泄時に尿の色が黄色になります。