[ハワイ] やっぱりここはアメリカだと思う時 | 婆様のハワイ日記

婆様のハワイ日記

ハワイの片隅で生きるアメリカ人爺夫と日本人婆妻の老夫婦デコボコ日記です。

アロハ




まさかの同僚が巻き込まれた、

ワイキキで起きた事件....



それは2、3週間前、

彼女が仕事を終え、バスに乗り、

いつものように、

自分のアパート近くのバス停で降りたのは、

夜の8時前。

夜のワイキキはいつでも賑やかだけれど、

今夜は何だか様子が違う。

段々とアパートに近付くにしたがって、

どうも騒々しい。

イヤな予感がする。

えぇ!?その光景に愕然とする。

自分のアパートの周りを取り囲むように、

何台ものパトカーが止まり、

そこを多くのポリースが、

せわしなく行き交って、

物々しい雰囲気。

よくあるアメリカ映画の、

あのワンシーンそのもの......

ヤバい....何?何が起きてるの??

心臓がバクバクしてくる。

顔見知りの近所の人は血相を変えている。

何があったかを聞くと、

どうも銀行強盗した男が、

元カノのこのアパートに、

立てこもっているらしい。

その男は前科がいっぱいあり、

ポリースは、前々から行動を把握、

遂に居所を突き止め、

アパートを包囲したという。

そして、ほどなくして、

そのアパートの住民全員に、

ポリースから、

即時の退去命令が出る。

彼女も含め、

着の身着のままで出された多くの人々は、

行き場もなく、

近くのホテルのロビーで待機。

解放され、

家に帰れたのは、

なんと翌日の朝の9時になったと言う。

そして、

その間の、その夜に、

犯人は射殺された。

これがアメリカ。

犯人は殺さず生きて捕まえるもの、、、

そう思って生きてきた日本人の自分。

銃社会アメリカでは、

そんな悠長なことなど言ってられない、

ヤらなかったらヤられる。

それはポリースでも同じ。

この国の、そんな事を、

この20年の間に学んだ。



ハワイにきた頃は、

えー、、、大したことしてないのに、

逃げただけで、

犯人射殺されたの!?

こわーい!!!と、いちいち驚いていた。

日本では殺さず捕まえるんだよ。

平和ボケした婆が、そう話すたびに、

何人もの人に言われた。

いいか、

ここではな、もし何か悪いことをして、

ポリースに手を上げろ!と言われたならば、

絶対に従うんだぞ。

さもないと.....

あの世行きだ。

それだけは覚えていろ....

と、いつも冗談ばっか言って、

ニコニコしているローカルの人々が、

この時だけは、真剣な顔して話してくれた。

そう.....抵抗したら一貫の終わり....

犯人だって銃をもってる可能性大。

うかうかしていたら、

こっちがヤられる....

そう、ヤられる前にヤる.....



犯人が、

少しでも抵抗する素振りを見せただけで

当然のように射殺されることには、

誰も驚かないし、

当然.....な、この国。



でも、普通にちゃんと生きていたら、

大丈夫。

ポリースは善良な市民を、

ちゃんと守ってくれるから、、、







そんな事件があったんだよ....と、

話し終わった同僚。

一睡も出来ず、

ロビーでみんなで待機していた長い夜。

でも、無事で良かったね!って、

背中をゆっくりさすった、その日。

真面目に生きていても、

人生何が起こるか、

何に巻き込まれるかわからない。

60代も半ばを過ぎた。

よくぞこの年まで無事に生きてこられたと、

今さらながらしみじみ思う。

これってもう奇跡に近いじゃないか....

ありがたい.....

そんな奇跡の今日の一日を、

大事に大事に過ごそう。


きっと今日も良い日になるはず....


そうだよね、、、

って窓の外に向かって一人呟いてみる...

が、ダイヤモンドヘッドは今朝もまた、

何にも言わず、

ただ黙って佇んでいるだけ...

続く。

(今朝のワイキキ)
(ダイヤモンドヘッド)