[ハワイ] 島暮らし 大事に胸に抱いたもの | 婆様のハワイ日記

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ハワイの片隅で生きるアメリカ人爺夫と日本人婆妻の老夫婦デコボコ日記です。

アロハ




必要な書類を持っていき、

サイン捺印をしてずっと待っていた、こと、、、

そう今回の帰国で一番の重要事項だった、

この古民家の家と土地の名義の変更。

行政書士の先生から、

全てが終わりました。

権利書を取りに来て下さいとの、

連絡を受け、

爺と2人で雨の中本土の事務所へと向かった。

古民家を買い、

島暮らしをしたい....

この20年、

帰国する度、そうずっと願っていた老夫婦。

庶民が、そんな夢を見た。

叶うわけない。



でも、ずっと願っていれば、

いつかきっと、奇跡は起こるんだ、、、

この10年ほど帰国する度、

知り合いに頼み、

不動産屋さんにも、

色々紹介してもらった。

なかなか思うような物件にも出会えなかった。

当たり前だ。

なんせ当時の予算は100万円以内(笑)

そして、その予算を円安もあり、

100万円台にした庶民の老夫婦(笑)

ハワイに帰るまでもう3日ばかり。

すでに諦めかけていた、その時、

友達の友達の知り合いの方からの、

紹介で出会った、

この小さな40年物の古民家。

中に入り、

目に入った2間続きの畳の部屋に、

爺と2人ノックアウトされた。

お母様が一人で住まわれていたと言う、

平屋の小さな古民家。

瓦屋根に、引き戸、そして畳、、、

それは、

自分達が探していた理想の家その物だった。

とにかく時間がない。

ありったけの日本円を手付けとして、

支払い、

後は来年お願いいたしますと、

オーナーご夫婦にもお会いして、

ご挨拶も済ませ帰国。

その際に

どうぞもう自由に使ってくださいねと、

信用してくれて鍵も渡してくれていた。

本当にそんな親切で心優しい人たちから、

譲り受けた、この家。

そして、、

残りの残金を支払い、

事務手続きを済ませ、

この度遂に正式に自分達の物となった。

嬉しくて、

権利書を胸に抱えて、

本土にしかない丸亀うどんで、

爺と二人、たらふくうどんを食べ、

その夜は島の小さな食堂へ行き、

うなぎも食べた。



その後、家に帰り、

元のオーナーの方に、電話をし、

心からお礼を言った。

大事に大事に使わせて貰いますと、、、

そして、権利書を胸に抱きながら、

爺と二人、日本酒で乾杯した夜は、

静かに更けていった、、、


ハワイに帰るまで後もう10日。

あと何年、あと何回、

こうして、

この日本の我が家に帰ってこられるか、

分からないけれど、、、

日本の小さな島に、

自分達の家がある....

小さな平屋の古民家が待っていてくれる....

ただそれだけで、また頑張れる。

ただそれだけで、生きていける。

そんなことを思いながら、

大好きな畳リビングでコーヒーをすする朝。

聞こえてくるのは、

ウグイスの可愛い鳴き声だけ....

さぁ、今週は母に会いに、

そして、息子家族とのランチも待っている。

明日は地元の友達が、

本土から訪ねて来てくれる。

夫婦共々健康で、

こうして母国に帰れた。

こうして家族にも友達にも会える。

もう、ありがたい....の一言だ。



そうだよねって、

空の向こうのダイヤモンドヘッドに、

問うてみるが、

あまりにも遠すぎて、

返事はまだ、ない。

続く。