[ハワイ] 冥土への土産 | 婆様のハワイ日記

婆様のハワイ日記

ハワイの片隅で生きるアメリカ人爺夫と日本人婆妻の老夫婦デコボコ日記です。

アロハ



どんどんどんどん、

全てのものの値段が上がっていく。

その度に、大きなため息をつく、

我ら庶民....

これからどうやって暮らしていこう....

なんて時々お先真っ暗な気分になり、

請求書が来る度、ドキドキし、

老夫婦には心臓に悪い毎日。

が、どんなに物価高になろうと、

どんなに医療費が上がろうと、

それでも何とかここで暮らして行けるのは、

この素晴らしいお天気と、

ハワイの大自然があるから....


1歩外に出れば、

そう、ため息ではなく、

幸せな深呼吸が待っている。

家のローンは、

爺が100歳になるまで続き、

そのアパートの管理費はもう、

1000ドル(15万円)を越えようとしている。

年金だけで暮らせるメドはたってない。

それでも、そんな気分を一新してくれるのは、

この、いいお天気。

お散歩ができる幸せ。

見上げれば、青い空に、

ぽっかり浮かぶ白い曇。

背の高いヤシの木達が、

風に揺られてスローモーションのように、

ゆっくり揺れている。

それはまるで、

焦らなくていいんだよ、

ゆっくりでいいんだよ。

何とかなるさ、大丈夫、、、

とでも言ってくれているようで、

見ているだけで心が落ち着く、60代。

不安と心配で一杯だった頭の中が

すぅーっと空っぽになる。

どこからか聞こえる鳥のさえずりも、

後押しして、

自然と笑みがこぼれてくる。

そうだよね、何とかなるさ。

大丈夫、、、







同じアパートの、

いつも見かける、仲良しご夫婦。

今日、そのダンナさんが亡くなったと聞いた。

まだ50代だった。

3年前から闘病していたらしいが、

そんな気配は微塵もなく、

毎朝ニコニコで、

2人連れ添ってお散歩に行く姿が、

目に焼き付いている。

奥さん.....辛いだろうな。

もう、かける言葉もない。

そして、いつか自分達にも、

必ずややってくる、別れの日....

楽しもう!

楽しむしかない。

元気なうちに、

動けるうちに、

思い出を一杯作ろう。

その思い出を冥土への土産にして、

両手にいっぱい抱えて、虹の橋を渡るのだ。


そうだよね、、

って窓の外に向かって一人呟いてみる....

が、ダイヤモンドヘッドは今朝もまた、

何にも言わず、

ただ黙って佇んでいるだけ....

続く。

(今朝のワイキキ)
(ダイヤモンドヘッド)