Banbi通信 VOL.344 | 初鹿明博オフィシャルブログ Powered by Ameba

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全国で普通教室のエアコン設置は半数のみ

小中学校の体育館にもエアコン設置を!

 

 連日、猛暑が続いており、体調を崩している方も多いのではないでしょうか。

 この夏は気象庁が命に危険があるような暑さで「災害」だと表現するような、尋常ではない記録的な暑さが続いています。

 このような中で、今、話題になっているのが小中学校のエアコン設置です。江戸川区は10年前の2007年度には全教室にエアコンが設置されましたので、全国の状況がどうなっているのかを考えたことがありませんでしたので、今般、話題になって、全国の状況を知り、地域間格差が非常に大きいことに愕然としました。

 現在、公立小中学校の、普段子どもが授業を受ける普通教室のエアコン設置率は、最新の2017年の調査では49.6%です。江戸川区で全教室にエアコンが設置された10年前の2007年の調査では10.2%でしたから、約5倍になっているものの、それでも、まだ設置率は、全国の教室の半数にとどまっているのです。

 都道府県別で見ると、地域間格差が非常に大きくなっています。もっとも、平均気温が低い地域では必要性が低いこともありますので、最下位の北海道の設置率が1割にも達していないことは当然のことですが、平均気温が高い県でも設置率が低いところがあることに驚きを感じています。

 最も設置率が高いのは言うまでもなく東京都で99.9%とほぼ全教室にエアコンが設置されていますが、これだけ暑い関東近県でも設置率は必ずしも高くなく、政令市の千葉市は設置率がゼロでした。

 これは明らかに自治体の首長の意識の差によるものだと感じます。

 東京では私が都議会議員だった時に、既に公立学校の普通教室にエアコンを設置すべきかが大きな議論となりました。保守と称する議員の中に、子どもには我慢させることを覚えさせなければならないのでエアコン設置は不要、むしろ、忍耐力を身につける上で害悪でしか無いと主張する議員も少なからずいました。

 杉並区は当時、現在、自民党の参議院議員となっている山田宏氏が区長を務めていましたが、23区全てが全教室にエアコン設置を決めたにもかかわらず、唯一、騒音等で窓が開けられない場合を除き、設置しないことを決めたのです。現在の田中良区長に変わって、他区に倣って全普通教室に設置することになり、現在は設置されていますが、このように、時代錯誤の価値観を持った方が首長だと子ども達にしわ寄せが行ってしまう典型的な例と言えるでしょう。

 さて、今年の猛暑を受けて、全国的に公立学校へのエアコン設置を求める声が高まっていますが、限られた予算の中で優先順位をつけなければなりません。当然のこととして、夏場の平均気温の高いにもかかわらず、設置率の低い地域を優先して予算を付けていく必要があると考えます。

 また、年限を切って計画的に全教室に設置する計画を作ることを自治体に促していくことも必要でしょう。

 東京都においては、普通教室は済んでいますが、音楽室や図工室などの特別室は設置が進んでおりませんので、こちらの整備に努めるべきだと考えます。

 そして、今回の災害で明らかになったように、避難所となる体育館にはエアコンが設置されておりません。災害は季節を選んでくれません。むしろ、暑い時期か寒い時期にその季節特有の災害が起こる可能性が高いことを考えると、避難所となる施設にエアコンは必須だと考えます。

 今回のように災害が発生し、多くの方々が避難してきて、暑くて仕方なくなって急遽エアコンを設置するということがないよう、エアコンが設置されている施設しか避難所に指定出来ないよう基準を改める必要があると感じます。

 こうすれば、必然的に学校の体育館にはエアコンを設置しなければならなくなります。

 現在、江戸川区では毎年数校ずつ小中学校の建て替えが行われています。空調設備は後からつけるよりも建てる時につける方が費用がかからないことは言うまでもありません。しかしながら、新築された学校を見ると残念ながら体育館にはエアコンはつけられておりません。今後は新築時には体育館にもエアコンを設置すべきだと考えます

 首都直下型地震がいつ起こるか分からないと一方で危機を煽りながら、避難所の環境について全く考えていないというチグハグな対応は止めるべきです。

 自然災害自体は止めることが出来ませんが、被害を最小限にするために想定し得るリスクにはきちんと対処するべきでしょう。

 夏場に災害が発生した場合、避難生活中の熱中症の恐れが明らかになった以上、しっかりと備える必要があると考えます。