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安倍総理の口から出まかせ発言がエスカレート!

「私が国家」と述べる総理の危うさ…

 

 今年の通常国会が召集され1ヶ月が過ぎ、先週末に来年度予算案が衆議院を通過しました。国会召集当初は毎月勤労統計の不正調査問題で、国会審議が滞るだろうと思われていました。しかしながら、予算委員会が始まってみると、予想通りではありますが政府は必要な資料を出し渋り、調べれば直ぐに分かるようなことでも、ちゃんと答弁をせずにしばしば審議が中断。質問に答えられなくなって止まっているのに、予算委員長は時間を止めず、野党の質問時間を浪費し、結果、与党側は審議時間が積み重なってきたからと採決を強行したのです。

 これではまともな議論になりません。聞かれたことには正面からちゃんと答え、聞かれていないことを長々と話し続けることは止めて欲しいと思います。

 その中でも私が最近特に問題だと感じているのは、安倍総理の口から出まかせの答弁が多くなっていることです。しかも、明らかに事実と異なることを堂々と発言し、事実と異なることを指摘されても、言い訳にもなっていない言い訳を言って、決して訂正したり、取り消したりしなくなっているのです。今日はその幾つか実例を示して、事実はどうであるのか、安倍総理の言い訳が如何に理屈の通っていないおかしなものであるのかをご紹介しようと思います。

 

あそこのサンゴとは、どこのサンゴか

 安倍総理の嘘は新年早々から始まります。1月6日のNHK日曜討論に出演した安倍総理は、辺野古の新基地建設についての発言の際に「土砂を投入していくに当たってですね、あそこのサンゴについては、移しております。」と述べました。この発言に地元、沖縄の方をはじめ、私含めて辺野古新基地建設の反対運動に関わってきた者はみんな大変驚きました。なぜなら、辺野古の新基地予定地のサンゴはまだ移植されていないからです。それにもかかわらず、NHKという公共放送を使って、明らかな嘘を総理大臣が堂々と発言したことに唖然としました。昨年末から辺野古では、大浦湾を護岸で囲った閉鎖された区域の一部で埋め立てのための土砂の投入が始まりました。これまでサンゴの移植は、9体行われたのは事実です。

 しかし、護岸で囲われていない大浦湾側には7万4千群体もの移植対象のサンゴがあり、これはまだそのままの状態にあるのです。普通に考えたら「あそこ」のサンゴと言われたら、辺野古の基地建設予定地全てのサンゴと受け止めると思いますが、安倍総理の言い訳は違いました。「土砂を投入していくに当たって」と言っているので、護岸で閉鎖している区域のサンゴのことだというのです。

 ところが、これも正確ではなくて、護岸で囲っている区域は二つの区域に分けられており、既に移植されたサンゴ9体があったのは、現在土砂が投入されていない方の区域のサンゴであって、現在土砂を投入している区域には移植対象のサンゴは1体もなかったのです。ここで、安倍総理が防衛省から一体どのような説明を受けていたのか説明した際の資料の提供を求め、問い質したら、なんと、「資料を示して説明は行っていない、他の事項の説明の際に合わせて口頭で説明した」と答えてきたのです。

 つまり、安倍総理は正確な事実を把握せず、ざっくりとした印象だけでこの発言をしていたということになります。

 野党側からは、仮に安倍総理は護岸で仕切られた区域のサンゴの事だけを話したというのであれば、新基地建設予定地全てのサンゴが既に移植されたものと誤解した国民も多くいるので、説明不足で誤解を与えたなら申し訳ない、と発言を訂正したらどうかと批判することなく求めても、頑として発言の撤回も訂正も応じませんでした。

 そもそも移植対象のサンゴは、一定の大きさ以上のもの等限られており、正確に言えば、移植対象のサンゴを移植するというだけのことです。更に言えば、移植すれば自然環境は守られるのか甚だ疑問だということです。

 辺野古の新基地建設と同じように、沖縄県の海を埋め立てて造られた那覇空港の滑走路増設工事に当たって、小型サンゴ3万7千群体、大型サンゴ37群体を移植していましたが、3年後、大型サンゴは全て生存していましたが、小型サンゴの生存率は41%と半分以上が死滅してしまっているのです。

 自然環境を守る為にサンゴを移植するのですから、移植しても生存できないのでは方法として適切ではありません。このことも正確に説明がされていないと思います。

 つまり、基地の建設を止める以外に自然環境を守る方法は無いのです。軟弱地盤で7万本もの杭を打つ追加工事をしないとならない事態になったことを考えても、あそこに基地を作るのは現実的ではありません。

 ここで立ち止まる勇気を持ってもらいたいです。

 

自衛隊員新規募集

6割の都道府県が協力拒否?

 2月10日の自民党大会における演説で、安倍総理は憲法改正の必要性を訴え、その中で、「(自衛隊の)新規隊員募集に対して都道府県の6割以上が協力を拒否しているという悲しい実態があります。(中略)この状況を変えようではありませんか。憲法にしっかりと自衛隊と明記して、違憲論争に終止符を打とうではありませんか。」と発言しました。

 この発言も予算委員会で指摘され、約6割の都道府県が協力していないという事実があるのかが問われました。

 岩屋防衛相は、全国1741市区町村のうち、4割の自治体は、住民基本台帳から、募集対象の18歳22歳の住民の氏名や住所などの資料提供があり、3割の自治体では対象者を抽出した情報の閲覧、2割は全部を閲覧して防衛省職員が書き写すことを認めるというように、9割の自治体は住民基本台帳の情報を取得できるようになっているのです。また、残りの1割の自治体でも、学校での説明会の開催や広報活動などには協力しており、全く協力していない自治体は5自治体のみでした。

 都道府県ではなく、市区町村単位で協力しているという事実もきちんと把握していない発言である上に、自衛隊が違憲だからという理由で、協力を拒否している自治体は殆ど無いことも事実に反しています。

 住民基本台帳の提供をしていない自治体も、自衛隊が違憲だからという理由ではなく、個人情報保護の観点から慎重な対応をしているのであって、憲法に自衛隊が明記されたところで、現在の対応が直ちに変わるものではないのです。

 そもそも、住民基本台帳の情報を入手して新規隊員の募集要項のダイレクトメールを送付したり、戸別訪問したりしているようですが、そのような方法で効果が上がっているのか疑問があります。高校3年生や大学4年生が、大量に送られてくるDMの封を切って中身を見ているとは思えないし、いきなり家を訪問されても引くだけで募集に繋がっているとはとても思えません。安倍総理はこんな言いがかりのような批判を自治体に行うのではなく、効果が上がっているのか分からない現在の募集方法自体、見直すべきだと思います。

 

櫻田大臣の任命理由でも事実誤認

 2月13日の予算委員会では櫻田・東京五輪・パラリンピック担当大臣を任命した理由について問われた際に、文科副大臣として2020年東京五輪・パラリンピックの招致に尽力したことを理由に挙げました。

 しかし、実際には、櫻田氏が文科副大臣に就任したのは招致決定後でした。この発言については後に訂正しましたが、調べれば直ぐに分かるようなことを確認もせずに口から出まかせで言うのは、総理大臣の発言としては軽すぎます。

 この他にも「私や昭恵が関わっていたら、総理大臣どころか国会議員も辞める」と発言したことなど、列挙したらキリがない程、嘘とまでは言えないまでも、事実とは明らかに異なることを堂々と発言し、事実でないと追及されると屁理屈を言い出し、絶対に撤回しないということが続いています。

 謝って撤回すれば良いことを直ぐにムキになるような人が、この国の総理大臣であるのは非常に恥ずかしいことだと感じています。

 このような事態を引き起こしているのも選挙で勝たせてしまっているからです。この夏の参院選が非常に重要だと感じます。