HATのブログ

HATのブログ

IT関係のニュースを中心に記事を掲載します。日経コンピュータで重要だと感じた記事とコメントを2010年9月1日号から書いています。
このブログは個人的なものです。ここで述べていることは私の個人的な意見に基づくものであり、私の雇用者には一切の関係はありません。

◆ほぼ毎月、IT勉強宴会 を開催しています。勉強会の内容は毎回詳細なblogにまとめてあります。御用とお急ぎでない方はお立ち寄り下さい。
www.benkyoenkai.org
◆チャンスがあればぜひ実際のIT勉強宴会にもお越しください。文字だけで理解出来るのは10%以下だろうと思います。

日経コンは2週間に1度、年に52週÷2=26冊出る雑誌です。2010年から全号精読して記事をザッピングしています。
※はブログ筆者のコメントです


特集は<次は「プロテインAI」 狙う医薬品70兆円の巨大市場>です。どんなラッキーがあっても一般の我々がその業界にタッチすることはありませんので「どうぞご勝手に」ですね。
Book in Bookとして<「AIリーダーズ100特別編集版 VOL.03 2026 AI活用 5つの誤解ほか>が挟まってました。何と72ページもありました。過去2回(2025.07と2025.11)はザッピングしませんでしたが、今回は1つだけ取り上げます。

次は「プロテインAI」 狙う医薬品70兆円の巨大市場】(P.10)
※プロテインAIという言葉を初めて知りました。プロテイン(タンパク質)をAIで生み出すという意味だそうです。ググっても一般用語とは言い難いようです。創薬AIの方がわかりやすいです。

1.ビッグテックも大注目 フィジカルAIの次
生成AIの対象として「タンパク質(プロテイン)医薬品」がフィジカルAIの次なる利益候補と考えられ注目を集めています。
 ・メタ:2023年に米エボリューショナリースケール設立
 ・セールスフォース:2022年に米プロフルーエントを設立
 ・Google:2021年に英アイソモーフィック・ラボ設立
2.プロテインAIとは? 7つの疑問で紐解く
⑤なぜタンパク質をLLMで扱える?
タンパク質は「20種類のアミノ酸を数珠つなぎにして並べたもの」です。これを20種類の文字で書かれた文章と捉えると、LLMで扱えるようになります。これを「タンパク質言語モデル(pLM)」と呼びます。
3.抗体LLMを独自開発 「失敗」データも学習
日本のスタートアップ「モルキュア」。山形県鶴岡市にある京王技術大学先端生命科学研究所発のスタートアップ。2013年設立
4.pLMと機械学習併用 最新AIにこだわらず
日本のスタートアップ「レボルカ」。東北大学発のスタートアップとして、2021年に創業しました。
5.中外とアステラス 日本の製薬業の挑戦
日本の製薬会社も電機メーカーと協力しながら研究しています。

※基幹システム構築のために日経コンを読んでいる読者にとっては「だから何?」という特集でした。

企業揺るがす ITの値上げドミノ 機器からAI、クラウドまで】(P.28)
従来はメーカーから販売会社へ、1〜2カ月先の値上げを告知するのが一般的でした。ところが近年、値上げ後の価格を「即日適用する」と通達されることもあります。メーカーが出す見積価格の有効期限も、以前は3カ月あったのですが最近は2週間に縮んている例もあります。

一つの理由は、AIの爆発的な普及により、メモリーや半導体が高騰していることです。またホルムズ海峡閉鎖の影響で原油価格が関係することも考えられます。

AIについても、ClaudeもChatGPTも一部が従量課金になるなど実質値上げしています。ドイツ、フランス、中国が提供するクラウドも値上げラッシュが始まっています。

 

※20260626の日経新聞にMacやiPadも2〜3割値上げという記事がありました。深刻になりそうです。

AIリーダーズ100 4.「AI検索」の落とし穴】(P.16)
※Book in Book内のページ数です
AI要約でサイト流入減解消のための4ステップ
検索結果に「AIによる概要」やChatGPTで検索されるためサイト流入が激減しています。SEO(検索エンジン最適化)に費用をかけて検索結果が上位に出る企業は死活問題です。AI検索最適化(AIO)を指南するコンサルタントが続出しています。その手法をお教えしますが、AIOはSEO以上にやることが多く疲弊しやすいです。弱いポイントに絞って着手しましょう。
(第1段階 AIに見つけてもらう)
この段階はSEO対策がそのまま効果的です
(第2段階 AIに理解してもらう)
AIは長文のストーリー仕立てで描写するより簡潔な箇条書きなど要点がわかりやすいほうが正しく読んでくれます。
(第3段階 AIに推奨してもらう)
推奨の決め手となるのは、自社サイトが何を言っているのかよりも「第三者がどう評価しているか」です。外部メディアでの露出や評判を高める必要があります。
(第4段階 AI推奨をコンバージョンにつなげる)
第三者の評価ポイントと自社の訴求内容にギャップがないことが重要です。

※昨年2025年の忘年会で「AIとEC業者の静かな熱い戦い」を知りました。この川辺氏の資料の方が面白いかも

日立がメインフレーム撤退へ 27年にOS「VOS3」の販売を終了】(P.52)
日立は2017年にメインフレームのハードウェア開発から退きましたが、VOS3の開発・保守は継続していました。ハードは日本IBMから提供を受けていました。
そのメインフレーム向けOS「VOS3」の販売・保守を終了すると、2026年5月に発表しました。

販売は2027年11月、保守は2034年12月に終えます。

富士通もメインフレームの製造・販売を2030年末に終了し、2035年末に保守を終えると発表しています。メインフレームについては、日本IBMとNECは製造を継続しています。

地方銀行向けに提供している勘定系システムには日立製メインフレームが稼働しています。今後オープン化される予定です。

※生成AIを使うとメインフレームを簡単にオープン化出来るといわれていました。ガートナーは「2026年に開始されたメインフレーム離脱プロジェクトの7割超が失敗」と言ってます

「Fable5」発表も3日で提供停止 米政府が安全懸念、「脱獄」問題浮上か】(P.54)
2026年4月に発表した米アンソロピックのAIモデル「Claude Mythos Preview」は、セキュリティの脅威になるため一般公開しませんでした。それをベースに一定のガードをかけた「Claude Fable5」が6月9日に提供されました。

 

ところがわずか3日後の6月12日、米政府の指示で外国人ユーザが使えなくなりました。外国人の社員でも駄目と指示されたため見分ける方法がなく全面停止しました。

6月10日には開発者向けイベント「Code with Claude」を始めて東京で開催したところでした。アンソロピックは脆弱性は比較的単純であり、これが駄目なら「最先端モデルの提供をあきらめることになる」と言っています。

※ローコード開発ツール「TALON」作者の古関社長がFable5を24時間稼働していたのに止まったと困ってました。従来のClaudeとはレベルが違うほど賢かったそうです。

ケーススタディー:アクティオ】(P.60)
5年越しのクラウド移行を達成 性能問題を解消し、可用性を向上
建設機械レンタルの国内シェア1位、グローバルでも7位に位置するアクティオは、基幹システムのクラウド化を完了しました。使用したのは、米オラクルの「Oracle Cloud Infrastructure(OCI)」です。レンタルする建機の在庫や入出荷、売上請求、稼働状況、メンテナンス情報などを総合管理します。

入出荷台数は年間2200万件あります。従来は米IBMのオフコン「eServer i5」で動いていたものを、2013年にJavaによるスクラッチ開発でオープン化しました。国内のデータセンターで仮想マシン(VMWare)上で稼働するOS「Red Hat Enterprise Linux(RHEL)」と「Oracle Exadata」を採用しました。


2017年時点で、システムの処理性能が事業の成長に追いつかなくなるという懸念が出てきました。2012年に1600億円だった売上が2017年に3000億円まで伸びてきたからです。
1.2020年にクラウド移行の検討しましたが断念
(1)OCIでは「RHEL」をサポートしていないので断念
(2)AWSでExadataを使うとライセンス価格が2倍で断念
2.2024年に再度検討開始しプロジェクト開始
(1)Amazon Auroraへの移行はリスクが高く断念
(2)OCIでRHELがサポート対象となったため具体的に検討開始

2024年11月からPoCを行い、2025年4月キックオフ、7〜8月に構築し10月に移行を完了しました。

今後はVMWareからコンテナ技術活用を検討しています。

※Oracle Cloud Infrastructure(OCI)に存在感が出てきました。

キーワード:FDE(フォワード・デプロイド・エンジニア】(P.73)
FDEとは、顧客の業務や組織を深く理解して課題を明確にし、解決するためのシステムを実装するエンジニアのことです。システム開発には生成AIをフル活用します。
米オープンAIと米アンソロピックが2026年5月、そろってFDEのチームを抱える新会社を立ち上げて関心が高まっています。

日本でもSES(システム・エンジニアリング・サービス)として客先常駐をする形態はありましたが、それはテストなどの下流工程をになう労働集約型ものでした。FDEは知識集約型です。

オープンAIが東京でもFDEを募集しています。優秀な人材が流れる危険性があります。

※給与は公開されていませんが、シンガポールでは株式報酬を含めて初年度年俸約6,000万円という情報があります。そりゃ流れるでしょう。

社長の疑問に答える IT専門家の対話術 第321回】(P.82)
組織内の意見に従うのは危険 組織外へ提供する価値で判断
社長や幹部または現場など、中の意見で物事を決めてしまっては危ない。顧客や社会へ何らかの価値を届けられるかどうか、そこで判断すべきだ。
ビジネスアーキテクチャ:ビジネスを構成する点を集め、つなぎ、正す」(2025/6/27発行、ロジャー・バールトン著、TechnicsPub発行)によると、価値を生むビジネスの全体像がビジネスアーキテクチャです。全体像を得るために16の活動が必要になります。その事は、日経コン20250501の本欄でも紹介しましたがその後日本語版の書籍が発行されましたので書籍の訳語で紹介します。

Define:ビジネスを定義する:顧客や社会にどう価値を提供するか
Degihn:ビジネスをデザインする:どういうものかを記述する
Build:ビジネスを構築する:優先順位と実行計画
Operate:ビジネスを運営する:動かしモニタリングし改善する

この4つの領域の中にそれぞれ4つの活動があり16の活動として定義されています。日本の組織でビジネスアーキテクチャの活動をどう進めるかは難しいでしょう。トップに近い社長室や経営企画部門に担当チームを置くことが理想でしょう。情報システム部門にチームを置く手もあります。ビジネス設計の発想やスキルがシステム設計に似ているためです。

※最近BizOps(ビズオプス)という組織が流行りかけています。まだ専門部門を持っている会社は多くなく、どういう活動をするかも定義されてませんので、そこでやるのも良さそうです。

以上

 
 
 

日経コンは2週間に1度、年に52週÷2=26冊出る雑誌です。2010年から全号精読して記事をザッピングしています。
※はブログ筆者のコメントです

特集は<IT資格の真実 激変する情報処理技術者試験>です。個人的にはベンダー系資格より情処試験が相当上だと思ってます。受験しやすくなることは良い事ですが、日経コンで特集するほどの話とは思えません。

【ITが危ない:TLS証明書の有効期間が短縮 2029年3月には最長47日へ】(P.08)
過去にもお伝えしていますが、TLS証明書の最長有効期限は398日でした。以前は1年に1度更新すれば良かったのですが短縮されます。
 ・2026年3月15日以降は 200日
 ・2027年3月15日以降は 100日
 ・2029年3月15日以降は  47日
更新の作業量が今の8倍になります。

更新漏れを起こした場合、いくつかの不具合が発生します。
1.Webブラウザーに「この接続はプライバシーが保護されません」という警告が出ます。顧客や取引先の信頼低下を引き起こします。
2.システム連携やAPI連携がエラーになる危険性があります。
3.VPN装置やロードバランサーなど通信機器の障害になる危険性があります。

まずはどこに証明書が設定されているかを棚卸し、その更新を自動化する仕組みを導入する必要があります。
日経コンピュータ2025.10.30によると、LINEヤフーでは20万ヶ所にあったTLSを自動化したそうです。

※有償認証局を使われているならそのサービスで自動化の方法を調べてください。無償のLet’sEncryptなら自動化が前提です。

IT資格の真実 激変する情報処理技術者試験】(P.10)
1.技術者試験が大改定 消える応用・高度試験
来年、2027年度から情報処理試験の体系が大幅に変わります。
①応用試験と高度試験8区分(全部)がなくなります
②「マネジメント」「データ・AI」「システム」という3区分を新設
③論述式や記述式の出題がなくなり、多肢選択式のみ
(論述式は検討中、2028年度以降に実施予定)
 

2.予想問題を初公開 高度に変わる新試験
※「システム」区分の予想問題は省略します。簡単でした。
 

3.パソコン受験の不安 調査報告書から探る
パソコンを使ったCBT(コンピューター・ベースド・テスティング)に移行します。パソコンの用意と合格率の急上昇が懸念されています。


4.採用、考課、実績指標 調査で見えた活用法
IT資格に関して人事評価などに影響するかを調査しました
※省略します


5.1000万円の報奨金 資格で業績拡大も
CISCOの7資格全部取ると1000万円払う企業や、弁護士資格などで1000万円払う企業などがあります。
 

6.独自のIT資格マップ 難易度別で全公開
国家資格、ベンダー認定資格、民間業界団体資格 79資格を難易度別に一覧しました。


※省略します。難易度には疑問があります。ベンダー資格は暗記だけで通るものがほとんどですから簡単です。情報処理試験は理解しないと通りませんので若い人たちの勉強には良いです。

※Salesforce資格も書いて欲しかった。特に認定TA

「Pay」の転換期 1強PayPay、対抗か独自路線か】(P.34)
※2026年6月4日にPayPayが生命保険業に参入というニュースがありましたがこの特集はその前に書かれたものです
1.参入、撤退、再編地歩固めるPayPay
QRコードやバーコードで決済が出来るコード決済が広がっています。ただし、2025年の決済額はクレジット決済が8倍近く大きいです
 コード決済  :16.6兆円
 クレジット決済:134.6兆円
<撤退>
 「ゆうちょPay」など複数の銀行のコード決済
 「LINE Pay」が撤退し「PayPay」に一本化
<新規参入>
 「teppey」JR東日本が2026年秋ごろ予定
 「Wesmo!」JR西日本が2025年5月に開始
 肥後銀行の「くまもんPay」が2025年6月に開始
<地歩固めるPayPay(提携)>
 住友銀行「Olive」の支払いに「PayPay」2026年秋予定
 「Vポイント」と「PayPayポイント」の相互交換
 Visaと連携。カード決済とコード決済を横断


2.「統合」が差異化の鍵 決済起点に囲い込み
コード決済事業者各社は、様々なサービスをまとめた「スーパーアプリ」を志向します。決済を起点に銀行取引、ポイント、保険、eコマース、金融など生活全般をカバーする構想です。
 ・AEON Pay:2025.06 AEON Pay利用開始
 ・モバイルSuica/PASMO:2026年秋、コード決済teppay追加
 ・Olive:2026年秋、PayPay残高モード追加
 ・楽天ペイ:楽天Edy機能統合


3.くまモンにファミペイ 強み生かし特定層へ
熊本県内のバスや市電など7万人が利用するくまモン!Payにタッチ決済機能をつけ熊本県の県民アプリを目指します。
ダウンロード3000万を突破したファミペイは「メディアコマース」に取り組んでいます。

※メディアコマースとは、ECサイトの売上を上げるためにSNSなどのメディアを使う事です。リアル店舗のファミペイは異なる意味で使っているのでしょうか?

インタビュー:ウィキメディア財団 CEOバーナデッド・ミーハン氏】(P.50)
※美形の女性です。JPモルガン→リーマンブラザーズ→米国 国務省外交官→在チリ米国大使などを経て2026年1月に就任
AI時代、Wikipediaの価格はより高まる 人が主役の原則をITで後押し
Wikipediaは生成AIの学習源として使われ、ページビューは2025年で8%減りました。具体的な対策は3つあります。
1.ビヨンドウィキ
 生成AIの回答に出るとクリックをしてもらえないので、Wikipediaのコンテンツをこちらから届けに行く取り組みです。
 TikTokやInstagramにWikipediaのコンテンツを提供中
2.編集者向けの記事作成支援強化
知識を作り出すのはあくまで人間の役割であるという原則から、支援する機能を提供しています。コンテンツ自体の作成や編集にAIを使う事は絶対にありません。
3.収益源の多様化
世界中に無償で情報を届けるのが私たちの使命です。知識へのアクセスは人権だと考えているからです。しかしITインフラは無償ではありません。
①商業事業者向けにAPIを提供し、ITインフラの利用状況に応じた対価を支払ってもらう「Wikimedia Enterprise」を始めました。
②独立性を脅かされないように、最も重視しているのは平均15ドルの小口寄付です。

※AIの回答で終わっている人には「寄付してください」バナーは確かに見えません。新たな収益策を模索しているのは素晴らしいです。

オープンAIがAI導入事業に参入 事業改革から開発、テストまで一括支援】(P.54)
米オープンAIは2026年5月、投資ファインドなどと共同で、ITエンジニアを顧客企業に派遣しAI導入を支援する新会社の設立を発表しました。これには投資会社だけでなくソフトバンクも参画しています。

設立に合わせて、AI導入コンサルの英トモロAIを買収しました。豊富な経験を持つFDEなど約150人が新会社に加わります。

業界関係者は「AIのマネタイズの道筋をつけて上場価値を上げようとしているのだろう」と言ってます。

競合の米アンソロピックも2026年5月、投資会社とともに企業のAI導入を支援する会社の設立を明らかにしています。AI企業の新会社を迎え撃つSIerは「ドメイン知識、顧客接点、独自データのいずれかをもっていないと一気に飲み込まれかねない」との見方もあります。

※支援費用の算出方法が気になります。人月工数とは思えないので「増加した利益の10%」とかだと画期的です。前月の中田氏のコラムだと、まず株式を取得して利益増加させ売り抜けるという投資会社のロジックが書かれていました。

富士通が2035年度の経営ビジョンご用聞きビジネス「ゼロ」も視野】(P.57)
「人月モデル」から「顧客価値提供モデル」に移行
富士通は2026年5月28日、「中長期経営ビジョン2035」を発表しました。そこで時田隆仁社長CEOは開発にかかった人月単価と期間を基に費用を算出する人月モデルでは、AIなどで開発期間が短縮するほど売り上げが減少します。そこで<「顧客価値提供モデル」として、データ量や使用したコンピュータ資源に応じた課金などへの移行を進める>との事でした。

※これだと同じリソース課金です。何も変わってないことがわかってないのでしょうか?記者は私が信用している渥美友里氏ですので聞き間違いではないでしょう

マイナポータルの通知アプリ機能を拡充 自治体情報を民間アプリへ配信】(P.59)
デジタル庁は2026年度中に、マイナポータルのお知らせ機能を拡充し自治体が各種案内を幅広く発信できるようにします。
またデジタル庁の承認を得た民間アプリでも、住民が行政からの通知を受け取れるようにします。

新しいお知らせ機能では、利用者の同意を前提に、マイナンバーカードによる認証時に使う「利用者証明用電子証明書」のシリアル番号を基に連携用の識別子を生成します。マイナンバーを使わずに通知対象者を特定できる仕組みです。

自治体がこの機能を使うには、デジタル庁が提供する「公共サービスメッシュ(自治体内情報活用サービス)」を導入し、住民記録システムと連携する必要があります。

※この「サービスメッシュ」という用語はマイクロサービス用語です。具体的にどういうアーキテクチャになっているのか気になります。恐らくガバメントクラウド上でしょう。

ケーススタディー:日本能率協会マネジメントセンター】(P.62)
20年ものの基幹システム刷新 改革と現場への浸透を両立
「NOLTY〈ノルティ〉ブランドの手帳」や国内最大級の研修事業を展開する株式会社日本能率協会マネジメントセンター(以下JMAM: ジェイマム)は2026年1月に、人材育成事業で20年以上前から使っていた基幹業務システムを刷新しました。

2019年11月ごろに刷新プロジェクトが開始されました。当時使っていた基幹業務システムのサポート終了が2025年に迫っていたことがきっかけでした。20年使っていたシステムは複雑化しておりプロジェクトは難航し、2022年7月の段階で中断しました。

中断後に3つの刷新コンセプトを固めました。
1.業務の無駄を排除する:業務ごとにシステムが乱立
2.顧客情報の一元化:システムごとに顧客情報がバラバラ
3.内製を含め柔軟に変化可能とする:従来は丸投げ

 第1次とは別のベンダーをコンペで選びました。データを統一管理するために、プラットフォームはSalesforce,販売管理業務は富士通のGLOVIA OMで固めることとしました。

2023年7月に、第2次刷新プロジェクトを開始しました。
2024年10月:SFA(営業)部分リリース
2025年10月:販売管理部分リリース
2026年1月:新システムへ完全移行

刷新後、社内で出来る改修は数十分で出来るようになりました。今後はAIを活用した省力化を考えています。

※ベンダー名は書かれていませんが、実は私が勤務しているテラスカイです。今年3月に事例紹介されていました。2022年から、GLOVIA OMはテラスカイが独占販売しています。

社長の疑問に答える IT専門家の対話術 第320回】(P.84)
PMBOKガイド第8版を生かす 行動への姿勢と原則を定めよう
PMI(プロジェクト・マネジメント・インスティチュート)は2026年4月14日、プロジェクトマネジメントの知識体系である「PMBOKガイド」第8版の日本語版を公開しました。
PMIの会員は、Webサイトからダウンロード可能です。

第8版の重要な変化は、プロジェクトマネージャやメンバーが価値を生むために責任をもって前向きに取り組むためのマインドセットとプリンシプルズ(原理・原則)を提示したことです。3点のマインドセットは第8版から新たに登場しました。第7版で12点あったプリンシプルズは第8版で6点に絞り込まれました。

マインドセットはあえて訳すと心構えや気質という意味です。マインドセットもプリンシプルズも抽象度が高く、ともすれば当たり前の話に聞こえます。第8版を有効活用するためにチームや組織の人たちが相談し、納得できる言葉に言い換えてはどうでしょう?
※コラムではマインドセット、プリンシプルズとも全部説明されていますがここでは省略します。

「プロマネ武蔵」さんのブログ「PMBOK第8版の6原則とは何か?──プロジェクトマネージャの判断を変える行動哲学」に分かりやすく詳しく紹介されています。

※マインドセットは「先見性」「当事者意識」「価値主導」です。当たり前の事と思った方は、ぜひ上のブログを読んでみてください。意思決定の話として整理してくれています。

以上
 

日経コンは2週間に1度、年に52週÷2=26冊出る雑誌です。2010年から全号精読して記事をザッピングしています。
※はブログ筆者のコメントです
 

特集は<AI時代の新人教育 何を変えるか、18社の試行錯誤>です。しっかり読みましたが、あまり参考になる事例がありませんでした。どうもAIを意識し過ぎているように思います。「ITが危ない」は全世界で関心がなくなりつつあるCO2問題でしたのでパスします。

AI時代の新人教育 何を変えるか、18社の試行錯誤】(P.10)
1.新人が役員に指南 「ふ化」早める研修
NECでは入社3か月の新入社員がNECの経営幹部にAIを教えるという「リバースメンタリング」を実施しました。
DeNAでは内定者に、「Devin」を用いたAIコーディングを実施

2.1カ月で技術者転換 求む「越境人材」
経理AIエージェントを手掛けるTOKIUMは非エンジニアとして入社した人材の一部を1ヶ月後にエンジニア職に転換しています。AIを使えばコーディングは誰でも出来るため顧客のニーズを引き出す事がより重要になるためです。
内定者に対して有償AIツールの料金を補助する制度
 ・DeNA 月額最大1万6千円(100ドル)
 ・TOKIUM 月額最大10万円
 ・GMO-G  月額最大1万円


3.「議事録」は必要か 土台固めるIT5社
昔は「下積み経験」として議事録を書いていましたが、AIに代替されました。各社工夫して教育しています。
 ソフトバンク:AI活用の現場で「基本の型+AI」を学ぶ設計
 ドリーム・アーツ:AIの前に自分の頭で考える教育
 

4.AIが変える現場 研修やOJTを連動
 日立製作所:先輩1名と新人10名で図書館予約システム構築
  →7日間を1スプリントとして4スプリントで完成
 ソフトバンク:AI活用が進む法人営業現場で学ぶ
  →アカウントプランを1人で作成出来ることがゴール


5.新人育成にAIツール 模擬営業に1on1支援
AIを上手く使うことで、教育内容の水準確保と教える側の負担軽減を両立しています。AIロープレツール「amptalk coach」、1on1支援ツールの「TONOME Core」、「成果物フィードバックAI」などを活用しています。

ロート製薬は従来エントリーシート(ES)に500字程度の課題を数問出していましたが、「AIを使っている」可能性が出てきたため廃止し面接選考にしました。

※新人教育は関係なく通常業務でどれだけAIを使っているかが重要でしょう。そうじゃなく新人社員に引っ張ってもらわないといけないなら会社をたたんではどうでしょう?

制度激変に負けない基幹システム 消費税減税、新リース会計に備える】(P.28)
今年から数年で国の制度に合わせた基幹系システムの更新や改修に追われそうです。
■消費税減税
 どのパターンになるかで対応が大きく変わります
1)食品だけ消費税率を0%にする場合
 →消費税集計表を10%、8%に加え0%を追加
  消費税申告書やe-Taxとの連携も変更
2)非課税にする場合
 →消費税申告書の修正は最小ですが仕入税額控除不可
■新リース会計基準
 2027年4月に始まる会計年度から新リース会計基準が上場企業や大企業で強制適用されます。従来は費用計上していたリース料を、「使用権資産」と「リース負債」として貸借対照表(BS)に計上する必要があります。これをオンバランス化と呼びます。
 従来は部門でリース契約を結び、部門費用で計上することもありましたがそれが出来なくなります。新たに2機能が必要です。
1)社内に点在する契約を一元管理しリースに該当するかを識別する契約管理の機能
2)リース資産の計上額を計算して会計・税務処理につなげるリース会計処理の機能
AIを使ってリース判定の業務を効率化する仕組みも出ています。
■「年収の壁」対応
年収の壁は、時限措置になっています。
2025年に最大160万円、2026年に最大178万円で、一部の金額引き上げは2年の時限措置です。住民税は2026年の6月移行の給与支給で変わるなど2032年まで毎年のように変わっていきます。

都度改修から脱却するためには、業務パッケージをカストマイズせずに使用することが最善でしょう。

※企業側も大変かも知れませんが、税務署のチェックはもっと大変でしょう。私も「食品消費税0%にするのになぜ1年もかかるの?」を書きました。

岩手県一関市、「AI電話」を試験導入 RAG利用で職員の負担少なく】(P.53)
岩手県一関市は市民への対応窓口を対応する市民課の電話にAIが24時間自動応答するシステムを試験導入しました。市民課は個人情報のやりとりが比較的すくなく、転入手続きやパスポート受取の期間などの問い合わせが多いためAIでの電話対応との親和性が高いと判断しました。
業者を公募した結果、忙しい職員が設定する手間が少ないことを理由に合同会社EasyaDialogの「イージーフォン」を採用しました。職員用マニュアルなどをRAGとして登録するだけで使えます。

十分な応答が出来なかった場合は、AIが要件の内容や連絡先を記録して、担当職員が市民へ折り返し電話をかけます。

※自治体の負担が減るなら良いと思いますが、市民の不満は増すような気がします。大規模自治体はWebサイトの検索を充実して欲しいです。

S/4 HANA稼働で16億円の影響 関西ペイント、物流システム連携に不具合】(P.54)
関西ペインとは、基幹システム刷新に伴うシステムの不具合で約16億円の影響が生じたと発表しました。
2021年に倉庫管理システム(WMS)を導入し稼働していました。基幹システムの刷新は2023年1月に着手しました。投資額は79億6千万円。完了予定を2025年12月としていました。それが2026年1月に稼働しましたが、WMSとの連携に不具合を生じ製品の製造や出荷に遅延が生じ特別対応を余儀なくされました。その対応に約16億円かかりました。


ERP導入のベンダーは日本IBMです。WMSのベンダーは「日本IBMではない」とのことです。

※SAP導入で不具合という話はここ数年で何回聞いたのでしょうね。全社ビジネスの概念データモデルを作成しておけば防げた障害はどれだけあったのでしょう?

乱反射:売上高24.1%増、過去最高の伸び 大手19社の2026年1〜3月】(P.57)
IT世界大手19社の2026年第1四半期決算の報告です。総売上は前年同期比で24.1%でした。2015年から始めた本調査で過去最高の伸び率です。AIサーバ需要の激増によりデータセンター(ハードウェア)分野が44.8%も伸び、クラウド事業者の売上高も31.7%成長しました。攻勢長の中で、富士通のマイナス22.8%成長が目を引きます。

<クラウド>  売上(M$) 伸び率(%)
マイクロソフト  54,500  28.5
AWS        37,587  28.4
グーグル     20,028  63.4
セールスフォース 11,201   12.1
オラクル       8,914   43.5

※Salesforceは久しぶりの二桁成長です。オラクルの伸び率は相変わらずすごいですね。

動かないコンピュータ:厚生労働省】(P.66)
<国保の給付金算定システムに改修漏れ 約50億円の資金不足の恐れ>
都道府県が管内の市町村から徴収する国民健康保険の納付金を算出するシステム(納付金システム)で改修漏れがあったことを厚生労働省が4月10日に公表しました。この改修漏れにより一部の都道府県で2026年度の医療給付に使う費用が不足する恐れがあります。

給付金システムは国民健康保険中央会が厚労省からの発注を受けて開発したシステムを都道府県が使用します。前期高齢者交付金の算出について、それまで「単年」の実績で計算していましたが、2023年の法改正で「3カ年平均」の実績を用いる方法に変わりました。通常交付金は年々金額が大きくなりますので、単年で算出すると、3カ年より過大に見込むことになります。

市町村が国民健康保険の被保険者に請求する保険金は、公費や前期高齢者交付金の見込額を踏まえて納付金を算出します。法改正が反映されていなかったため、前期高齢者交付金の算出が過大になり、被保険者に請求する保険金が過小になりました。そのため資金不足の恐れが出てきました。

法改正に基づくシステム改修指示は厚労省の担当者が行いますが、このタイミングで異動があり引き継ぎもされてなかったとのことです。
・厚労省が組織として管理し情報共有する仕組みがない
・国民健康保険中央会が指摘する仕組みがない
これらが課題として上がりました。

※このシステムが改修されるなら来年度からの国民健康保険料は上がるのでしょうか?まさか今年追徴されないでしょうね?

新連載:実例に学ぶ AI時代の開発内製化 第1回】(P.72)
※フリーランスITコンサルタントの山本裕貴氏の連載です。
 XTECH「実例に学ぶ、生成AI時代の開発内製化」の再編集
開発プロセスをAI前提で再設計 「内製化地図」段階を7押さえる
生成AIの登場でソフトウエア開発の前提は一気に変わりました。開発体制を自社で持つことが今まで以上に重要になります。
大手企業が内製化を進めるための「7つの地図」を示します。それぞれ3つのフェーズに分かれます。

<始める:失敗出来るスコープを設計>
① 目的と方向性の確定
② 領域と優先順位の決定
③ 小規模成功と社内理解
<立ち上げ:開発チームを組成>
④ 開発チームの組成と指導
⑤ 手法・プロセスの標準化
<定着・拡大>
⑥ 内製開発の定着
⑦ 改善サイクルの確立と拡大

次回移行はENEOS・東急・ベイシアの3社の事例を紹介します。

※最近リライトが多いですね。事例紹介がメインなのかなと期待しておきます。

社長の疑問に答える IT専門家の対話術 第319回】(P.82)
システム部門にアーキテクトを エンタープライズ再設計に必要
エンタープライズ・アーキテクチャ(EA:企業全体最適化アーキテクチャ)の担い手であるエンタープライズアーキテクトについて、重要な動きが2026年4月に相次ぎました。


1.経済産業省とIPAは4月16日「デジタルスキル標準ver.2.0」を公開しビジネスアーキテクトの役割を見直しました
 

2.EAの分野の世界標準であるTOGAF 10th Editionの日本語版が出版されました

デジタルスキル標準ver.2.0:ビジネスアーキテクトの範囲が広いため、3つのロールに分けて定義しています。
 ビジネスアーキテクト:企画・設計を担う
 ビジネスアナリスト:業務・システム分析し実装者へ伝達
 プロダクトマネージャ:特定プロダクトの責任者
TOGAF 10th Edition:最新ITを使ってデジタルプロダクトやサービスを素早く提供するビジネスのアジリティに配慮しています。
TOGAFの根幹であるADM(Architecture Development Method)はほぼ不変ですが、個別テーマ別補足ガイド(Series Guides)を付け加えて進化させています。

※Open Groupは従来の分厚い一冊のTOGAF標準を、ADMのコア部分と複数のSeries Guidesに分離・再編する形で進化させており、これにより新技術や動向への対応を柔軟に追加できる構造になっています。

中田敦のGAFA深読み:「FDE」新会社、PEと組む怖い意味 アンソロピックとオープンAI】(P.94)
Claudeを提供している米アンソロピックや、chatGPTの米オープンAIが2026年5月、相次いで「FDE(Forward Deployed Engineer)」を派遣してユーザ企業のAI導入を支援する新会社を相次ぎ設立しました。

重要なポイントは両者とも、PE(未公開株:プライベート・エクイティ)ファンドと組んで設立したことです。

従来PEは買収した企業の資産を売却したり徹底したリストラを行ったりして利益を出して配当金を得てきました。買収した企業を再生する新たな手段として、AIエージェントやそれを現場に導入するFDEを全面活用使用としています。

※滅茶苦茶面白いです。Salesforceでも今年から急にFDEと言い出していますので何事かと思っていました。

以上

日経コンは2週間に1度、年に52週÷2=26冊出る雑誌です。2010年から全号精読して記事をザッピングしています。
※はブログ筆者のコメントです

特集は<フィジカルAI、日の丸ロボの勝算 産業機器やIT、開発競う>です。第2特集は<SDA(ソフトウェア定義工場)>。DXの大きな潮流2本立てです。企業のエンタープライズシステムには直接関係しませんので極めて簡単な紹介とします。AIに関しては実績が出てからの報告で良いと思います。

ITが危ない:サイバー対処強化法10月施行 対応遅れ、取引停止のリスクも】(P.08)
2026年10月1日、2法案が施行されます。「サイバー対処能力強化法」「サイバー対処能力強化法整備法」です。2025年5月に成立しました。

強化法/整備法では、電力・ガス・金融など「基幹インフラ事業者」と指定された15業種257社に対して基幹業務に関わる情報システムを「重要電子計算機」と位置づけ政府への届け出とインシデント報告を義務付けます。罰金もあります。

注意すべきなのは、対象となる重要電子計算機が「サイバー攻撃を受けた場合に特定重要設備の機能停止や低下をもたらす恐れがある機器」と定義される点です。ファイアーウォールやVPN,DMZなども含みます。詳細な指針は2026年5~6月に公開される予定です。
またこの定義だと、グループ会社や取引先などネットワークがつながっている企業も対象となる可能性もあります。サプライチェーン全体の対策のため、2026年度内に「サプライチェーンセキュリテイ評価制度」が始まる予定です。星1~5でサイバー対策を評価します。

※社会的役割が大きな企業ですから重要です。病院は入っていませんがテレビ局や水道局(自治体)が入っています。国家サイバー統括室(NCO)が担当しています。デジタル庁ではないことが不思議です。

フィジカルAI、日の丸ロボの勝算 産業機器やIT、開発競う】(P.10)
センサーなどから得た現実空間の現実空間の情報を基に、ロボットやクルマの自律的な行動を実現するフィジカルAIに注目が集まっています。フィジカルAIが鍵を握る人型ロボットについては、日本勢は米国や中国に大きく後れを取っています。
1.日本に3つの勝ち筋
勝ち筋:①学習のアルゴリズム改善②人間とコンピュータが互いに情報交換するための技術(ヒューマンコンピュータインターラクション:HCI)③使い続けるための仕組み作り

2.ロボ大手2社の戦略
ファナック:産業用ロボ大手。ロボット制御のオープン化を加速
安川電機:2025年人型ロボットの新興企業買収。米国に投資

3.日立やNECも熱視線
日立:HMAXと呼ぶフィジカルAIサービスを展開しています。
 ・鉄道車両や電力機器に複数のセンサーを取り付けて予兆保全
NEC:画像認識技術を駆使したフィジカルAIを試行

4.ソフトバンクGも参入
ソフトバンクGはスイスABBのロボティクス部門を買収。NTTやKDDIもロボットと通信技術の融合に取り組んでいます。
 

5.やはりエヌビディア
米エヌビディア抜きにフィジカルAIは語れないというほど、半導体製品だけでなく開発環境も整備されています。

6.人型ロボは中国が先行
人型ロボットは日本は遅れています。とは言えロボットを支える中核的な部品の技術は日本が先行しています。

※昨年、人型ロボットの展示を見に行きましたが、電池が1時間で切れると言ってました。自分で充電に行けるようになるまで家庭には入らないでしょう。

工場にもソフト定義 フィジカルAIの土台、更新で進化】(P.34)
これまでの製造設備は、導入した瞬間が性能のピークでした。これからはソフトの更新で機能を追加する「SDA(ソフトウェア・デファインド・オートメーション)」が広がっています。


1.激変するものづくり AIが工場を自立制御
これまでの工場の自動化は、専用のハードウェアや固定されたファームウェアで構成するPLC(プログラマブル・ロジック・コントローラー)を軸に構築されてきました。欧米大手は急激にSDAへ移行しようとしています。

その理由は、AIがオーケストレーター(指揮者)となり、状況に応じて自ら生産計画を最適化し、機械やロボットに直接指示をする「自律型工場」の実現を目指しているからです。日本勢は出遅れています。

2.欧米FA大手の転身 知能の継続課金へ
独シーメンス、仏シュナイダー・エレクトリック、米ロックウェル・オートメーションはSDA投資を進め、会社が変貌しています。

3.三菱電機にオムロン データ事業に本腰
欧米勢が主導するSDAの波に、どう対抗しようとしているのか。
 三菱電機:2900万台の導入機器からの生データ
 オムロン:品質を訴えていく

※ドイツが喧伝してたインダストリー4.0はどこに行ったのでしょう?「自律型工場」が出来るなら生産方式自体変える必要があります。この延長線上にあるとは思えません。

NECがアンソロピックと協業 「GAFAとは違う」文化取り込みへ】(P.68)
NECは米アンソロピックと「グローバルパートナー」として提携契約を結びました。協業内容は3点あります。
1.業種別の業務特化型AIソリューションの共同開発
2.NECのDXブランド「BlueStellar」にClaudeを適用する
3.NECが全社的にClaude展開する

※まずClaudeを使ってNEC社員を半分にするべきでしょう。その実績が出れば各企業から依頼が殺到するでしょう。

アクセンチュアとSAPがERPで提携強化 導入期間1年で中堅企業を開拓へ】(P.69)
アクセンチュアとSAPジャパンは2026年4月24日、AI活用を前提とするERPの導入支援に向け、戦略提携の強化を発表しました。これまで開拓出来ていなかった中堅・中小市場に販路を広げます。
想定する企業規模は、売上高が数百億円から数千億円規模だそうです。

※SAPさまにとっては、売上数千億円でも中堅なのですね。SAP導入失敗の大トラブルはアクセンチュアが関係しているプロジェクトが多かったと記憶してますのでそのからみもあるのかも

IPAが内閣官房から指名停止に 再委託先のデロイト傘下が契約違反】(P.71)
内閣官房は226年4月10日、情報処理推進機構(IPA)に対する指名停止措置を公表しました。理由は「契約相手方として不適当」だからです。

IPAは、内閣官房の国家サイバー統括室から、監査業務を受託し、その一部を複数の企業に再委託しました。そのうちの1社がデロイト・トーマツ・サイバーの子会社ストーンビートセキュリティです。IPAはストーンビートのセキュリティ状況を確認する中で契約違反行為を把握し、国家サイバー統括室へ報告しました。

IPAはストーンビートと契約解除しましたが、その会社の穴埋めが出来ず一部業務を完了出来ませんでした。そのため指名停止となりました。ストーンビートもIPAも共に5か月間の指名停止を受けました。

※記事には詳しく書いてませんが、ネットでしらべると、「作業場所や運用管理に関する契約違反」だそうです。内閣官房という国の中枢機関の情報ですのでC国の影がないか心配です。

動かないコンピュータ:全国信用協同組合連合会】(P.84)
2026年1月29日の午前0時ごろ、140の信用組合が利用する共同オンラインシステム「SKCセンター」で障害が発生しました。翌朝のオンラインに影響し、完全復旧したのは2月2日正午ごろでした。

午前0時ごろ:ディスク装置内のハードウェア障害発生
 →夜間バッチ処理がループ状態になり後続処理も停滞
午前3時ごろ:バッチ処理プログラムを強制停止
 →終了手順を実行するがプログラムは停止しない
午前5時ごろ:OSレベルでの強制停止手順を実行
 →停止しない
午前7時50分ごろ:基幹系からディスク装置を論理的に切断
 →8:37停止に成功、一部業務再開
午前11時57分:オンライン処理を復旧
2月2日正午:バッチ処理復旧

真の原因は、ディスク装置の障害により、ファームウェアが予備系のファームウェアに切り替える処理にバグがあり停止したことでした。

※どのメーカーのホストなのかは、ネットを検索してもわかりませんでした。こういう影響が大きな障害の原因の時は公表すべきです。

キーワード:OpenClaw】(P.89)
OpenClawは、AIエージェントを自作するためのオープンソースの基盤です。オーストリア出身の開発者ピーター・スタインバーガー氏が2026年1月に正式発表しました。

利用者はOpenClaw上で、外部のLLMを「思考」としてつなぎ、メモリーを「記憶」として追加し、スキルでツールを「手足」として組み合わせてAIエージェントを作成します。

ただ、自由度が高い分セキュリティ上の懸念が大きく、企業利用には向きません。個人で娯楽で使う場合でも、普段使いのPCではなく専用PCの中だけで使用することが推奨されます。すでに利用できるスキルが4万件以上登録されています。

※悪意のあるコードを読み込ませるスキルも出回ってますので注意してください。

社長の疑問に答える IT専門家の対話術 第318回】(P.98)
匠の技をAIは代替できない 人とマシンで役割をわける
AIを利用すると、「かなりのところまでいくものの、実務にはまだ使えない」ということが少なくありません。データを増やしても改善しません。

結論を言うと、人間はAIに代替されないためです。ベテランが持つ匠の技をAIに学ばせることを例にAIの限界を説明します。科学者・哲学者のマイケル・ポランニーの暗黙知(tacit knowing)とは、人が何かを知る、身につける仕組みをさします。その仕組みは外からは見えず、言葉で説明出来ません。科学者も熟練者も「まだ見えていない全体像がある」と信じ、自分の仕事に注力します。これをポランニーはコミットメントと呼びます。

どれだけ熟練者の発言やメモなどを入れてもAIはコミットメントは出来ません。コミットメントは1人ひとりの意志であり行動だから、膨大なデータを統計処理しても出てこないからです。

※筆者の谷島氏が最近ポランニーの「暗黙知の次元」を読んだ時のコラムがこれです。参考になると思います。
 

以上

日経コンは2週間に1度、年に52週÷2=26冊出る雑誌です。2010年から全号精読して記事をザッピングしています。
※はブログ筆者のコメントです
 

特集は<ステーブルコインの実像 新世代デジタル通貨、決済基盤に革命>です。日経新聞にもたまに記事が出ますが興味ある方ほとんどないですよね?何かがわかる程度に軽く紹介します。

【ITが危ない:複雑さ増す個人情報保護法 累計型追加で実務単車に混乱も】(P.06)
政府は2025年4月7日、個人情報保護法の改正案を閣議決定し、国会に提出しました。2020年の改正法の附則第10条に「政府は、この法律の施行後3年ごとに・・・検討を加え、・・・措置を講ずる」とあるため、2023年11月に検討を始め、ようやく法案の提出が出来ました。
※この附則は何故かe-govでは出てこず、民間の法令リードで見つけました。
※おそらく2028年度の施行なので8年かかってます

この改正の大きな特徴は、「同意規制の見直し」です。AI開発などの学習データとして統計分析のみを利用することが簡単になります。また「課徴金制度の導入」で悪質な違反行為を実効的に抑止します。

一方で、個人情報として「連絡可能個人関連情報」という類型が追加されより分かりにくくなりました。法律上個人情報ではなかったとしても本人に連絡出来る(可能性がある)情報です。欧州連合(EU)ではもっとわかりやすい定義を使っています。

※3年ごとの見直しで3年後から開始してるようではダメでは?時代についていけないですね。

【ステーブルコインの実像 新世代デジタル通貨、決済基盤に革命】(P.08)
1.2030年に640兆円 金融に再設計迫る
ステーブルコインは暗号資産(仮想通貨)の一種で、決済を行うための専門通貨です。2025年10月にFinTech企業のJPYCが日本初の円建てステーブルコインを出しました。それに続いてメガバンクが実証実験を開始しました。米シティグループの推計では2030年で最大640兆円に達すると予測しています。

2.安定的な決済が主眼 5つの疑問で解明
疑問1:ビットコインとの違いは?
 ビットコインは価格の変動がありますが、ステーブルコインは変動しません。1JPYCは常に1円です。また発行するためには事業者は裏付け資産として同額の金融資産を持つ必要がありますのでリスクはありません。ビットコイン発行には裏付け資産はありません。

日本の法律で認められたものは1種類「法定通貨担保型」だけです。

3.瞬時・透明・低コスト 基盤技術が革新の要
ステーブルコインを発行し電子決済を行うためには、メインフレームでは対応できずオープン技術を入れる必要があります。APIを含め再編される可能性があります。

4.初の円建てコイン JPYC発行の舞台裏
JPYC社創業者の岡部典孝氏は、2019年にJPYC社を創業し、プリペイド型デジタル通貨を提供していました。創業当時からステーブルコインを作ろうと研究していました。
JPYCは手数料を取らず、裏付け資産として保有する預金や国債などの運用金利が主な収入源となります。そのため2024年にゼロ金利が解消したためライセンスが認められました。

5.用途開拓へ模索続く AIが普及後押しも
商売として展開しようとすると、手数料ゼロで運用金利だけで広げることは限界があります。AIエージェントの自動決済が広がれば可能性があります。

※まぁ、IT技術者にはあまり関心がないでしょうね

【セキュリティー担当者 1年目の教科書 基本3要素からランサム攻撃まで】(P.26)
1.情報やシステム守る 基本の3つの視点
セキュリティー責任者になった時何から始めるのでしょうか。まずは何を守ってどう守るかについて3要素「CIA」を知っておきましょう。
 C:Confidentiality:機密性 ー他からの侵入される
 :Integrity:完全性 ーコンテンツが書き換えられる
 A:Aveilability:可用性ーサービス提供が止まる
もうひとつの基礎知識は、有事の際の動き方です。
2.基本は「境界」を重視 重要な保護対象は3つ
VPNを守ろう:被害の約6割がVPN経由
ActiveDirectoryを守ろう:管理権限をしっかり
サーバーの「ポート」を守ろう:不要に開けない
3.「侵入型」が主流に ランサム攻撃の基礎
攻撃が分業型になっている
正規のツールを使う攻撃(LotL:Living off the Land)
データのバックアップをしっかり

※CIA以外は、当たり前の話ばかりでした

【徹底解析 AIエージェント管理】(P.38)
AIエージェントが急速に広がっています。2029年までに10億のAIエージェントが誕生するとも言われてます。AIエージェント自体を管理するツールが続々登場しています。
<一通りの機能を持つ>
ユーアイパス社:UiPath Maestro RPA連携
セールスフォース社:MuleSoft Agent Fabric(API管理、連携)
 Agentforce(既存製品との連携と効果測定)
<開発ツールから管理へ>
マイクロソフト社:Agent365(可視化、アクセス管理)
グーグル社:Gemini Agentspace(他社含むエージェント統制)
<先行していたツール>
サービスナウ社:AI Control Tower(コンテキスト:文脈の活用)
 (SalesforceもInformatica買収でコンテキスト基盤構築)
<セキュリティ管理機能>
オクタ社:Okta for AI Agent(不正アクセス検知など)

※勝ち負けじゃなくこの機能が必須になりそうです。

【「Claude Mythos」の衝撃 数千の脆弱性を発見、攻撃コードも生成】(P.50)
米アンソロピックが2026年4月7日に、新しい汎用のLLM「Claude Mythos(クロード・ミュトス)」を発表しました。あまりに高性能でありセキュリティ的危険があるため、一般公開は見送られました。
脆弱性を見つけ、その脆弱性を突くプログラムを自律的に生成する能力が飛び抜けていました。AWSやGoogle 米大手銀行などに限定してセキュリティー確保のためだけに提供します。

※そのうち一般公開されるでしょう。少し楽しみです。

【行政データを認定制で民間に開放 デジタル庁が法改正案】(P.52)
政府は行政機関が持つデータを民間企業などが利用しやすくする仕組みを整備します。法案を2026年4月7日に閣議決定し、国会に提出しました。国会で成立すれば2027年度中に施行される見込みです。

企業などが国の行政機関に対し、データの提供を請求できます。それを4点で審査し、問題なく提供可能であれば提供します。
①国が策定する方針への適合性
②企業が事業を確実に実施できるか
③法令上の適切性
④個人情報保護上の適切性→個人情報保護委員会が担当

※国が持つ情報を民間に公開することでAIの学習データが豊かになります。デジタル庁が主体的に公開してほしい

【米アンソロピックが「Cowork」提供 Mythos発表に続くAIエージェント】(P.54)
米アンソロピックは2026年4月9日、パソコンでの作業を自動化するAIエージェント「Claude Cowork」の一般提供を開始しました。Claudeの有料プランの利用者に提供されます。
Coworkではローカルフォルダ内にあるフォルダの整理や「Slack」からのメッセージ取得、「Googleドライブ」からのファイル読み込みなど外部サービスの利用が可能です。

※タスクを任せるのではなく仕事を任せる世界になりましたね

【フォーティネット、SSLーVPNを見直し トンネルモードの技術サポート1年延長】(P.56)
米フォーティネットはセキュリティ製品用OS「FortiOS」で提供する「SSLーVPN」の技術サポートの終了を1年延長することを明らかにしました。SSLーVPNにはトンネルモードとWebモードがあります。
トンネルモード:2026年5月11日終了から1年延長
Webモード:「Agentless VPN」に名称を変更してサポート継続

※本当に辞めるのでしょうか?このVPNの脆弱性で日本の企業がどれだけ迷惑しているか認識してほしいものです。

【乱反射:アームが自社チップ販売へ大転換 AIの「学習から推論」移行を狙う】(P.57)
英アーム・ホールディングスが自社ブランドのチップを直接販売します。「半導体設計図のライセンス供与」では単価の5%のライセンス収入しかありません。アームの設計図を利用しているエヌビディアやクアルコムとは「身内の競合」になります。


2023年ごろから本格化したAIブームでは、大量データの学習に向くエヌビディアのGPUが主役でした。ところが最近では「推論」にシフトしているためエネルギー効率の高いCPUが不可欠になっています。1ギガワット規模の巨大AIデータセンターにアームの新CPUを採用することで、既存のx86ベースのシステムと比べて最大100億ドル(約1.6兆円)の設備投資が削減出来るとアームは主張します。

※まだ孫さんは株を手放していないと思います。すごいですね。

【社長の疑問に答える IT専門家の対話術】(P.80)
意思決定の質を高めることを根幹とする書籍が2026年4月26日に出版されました。「プロジェクトマネージャーになる(峯本展夫著)」です。この本では、意思決定に影響を与える5点を挙げ、繰り返し5点を考える事を提案します。日頃から意識し循環しながら意思決定を行います。


目的との整合②前提の検証③多様な視点の統合④感情知性の活用⑤責任の引き受け

これらのトレーニングのためのAIプロンプトが記載されています。これらの具体的な使い方が最終章で述べられます。交渉やコミュニケーション、プロジェクトの戦略やスコープの決定、重要な前提のモニタリングといった3領域について考えるべきことが提示され、結果をまとめる書式が提案されます。

※プロジェクトマネージャは意思決定の連続です。わかりやすく端的な言葉で解説されているようです。

以上