日経コンは2週間に1度、年に52週÷2=26冊出る雑誌です。2010年から全号精読して記事をザッピングしています。
※はブログ筆者のコメントです
特集は<ステーブルコインの実像 新世代デジタル通貨、決済基盤に革命>です。日経新聞にもたまに記事が出ますが興味ある方ほとんどないですよね?何かがわかる程度に軽く紹介します。
【ITが危ない:複雑さ増す個人情報保護法 累計型追加で実務単車に混乱も】(P.06)
政府は2025年4月7日、個人情報保護法の改正案を閣議決定し、国会に提出しました。2020年の改正法の附則第10条に「政府は、この法律の施行後3年ごとに・・・検討を加え、・・・措置を講ずる」とあるため、2023年11月に検討を始め、ようやく法案の提出が出来ました。
※この附則は何故かe-govでは出てこず、民間の法令リードで見つけました。
※おそらく2028年度の施行なので8年かかってます
この改正の大きな特徴は、「同意規制の見直し」です。AI開発などの学習データとして統計分析のみを利用することが簡単になります。また「課徴金制度の導入」で悪質な違反行為を実効的に抑止します。
一方で、個人情報として「連絡可能個人関連情報」という類型が追加されより分かりにくくなりました。法律上個人情報ではなかったとしても本人に連絡出来る(可能性がある)情報です。欧州連合(EU)ではもっとわかりやすい定義を使っています。
※3年ごとの見直しで3年後から開始してるようではダメでは?時代についていけないですね。
【ステーブルコインの実像 新世代デジタル通貨、決済基盤に革命】(P.08)
1.2030年に640兆円 金融に再設計迫る
ステーブルコインは暗号資産(仮想通貨)の一種で、決済を行うための専門通貨です。2025年10月にFinTech企業のJPYCが日本初の円建てステーブルコインを出しました。それに続いてメガバンクが実証実験を開始しました。米シティグループの推計では2030年で最大640兆円に達すると予測しています。
2.安定的な決済が主眼 5つの疑問で解明
疑問1:ビットコインとの違いは?
ビットコインは価格の変動がありますが、ステーブルコインは変動しません。1JPYCは常に1円です。また発行するためには事業者は裏付け資産として同額の金融資産を持つ必要がありますのでリスクはありません。ビットコイン発行には裏付け資産はありません。
日本の法律で認められたものは1種類「法定通貨担保型」だけです。
3.瞬時・透明・低コスト 基盤技術が革新の要
ステーブルコインを発行し電子決済を行うためには、メインフレームでは対応できずオープン技術を入れる必要があります。APIを含め再編される可能性があります。
4.初の円建てコイン JPYC発行の舞台裏
JPYC社創業者の岡部典孝氏は、2019年にJPYC社を創業し、プリペイド型デジタル通貨を提供していました。創業当時からステーブルコインを作ろうと研究していました。
JPYCは手数料を取らず、裏付け資産として保有する預金や国債などの運用金利が主な収入源となります。そのため2024年にゼロ金利が解消したためライセンスが認められました。
5.用途開拓へ模索続く AIが普及後押しも
商売として展開しようとすると、手数料ゼロで運用金利だけで広げることは限界があります。AIエージェントの自動決済が広がれば可能性があります。
※まぁ、IT技術者にはあまり関心がないでしょうね
【セキュリティー担当者 1年目の教科書 基本3要素からランサム攻撃まで】(P.26)
1.情報やシステム守る 基本の3つの視点
セキュリティー責任者になった時何から始めるのでしょうか。まずは何を守ってどう守るかについて3要素「CIA」を知っておきましょう。
C:Confidentiality:機密性 ー他からの侵入される
I:Integrity:完全性 ーコンテンツが書き換えられる
A:Aveilability:可用性ーサービス提供が止まる
もうひとつの基礎知識は、有事の際の動き方です。
2.基本は「境界」を重視 重要な保護対象は3つ
VPNを守ろう:被害の約6割がVPN経由
ActiveDirectoryを守ろう:管理権限をしっかり
サーバーの「ポート」を守ろう:不要に開けない
3.「侵入型」が主流に ランサム攻撃の基礎
攻撃が分業型になっている
正規のツールを使う攻撃(LotL:Living off the Land)
データのバックアップをしっかり
※CIA以外は、当たり前の話ばかりでした
【徹底解析 AIエージェント管理】(P.38)
AIエージェントが急速に広がっています。2029年までに10億のAIエージェントが誕生するとも言われてます。AIエージェント自体を管理するツールが続々登場しています。
<一通りの機能を持つ>
ユーアイパス社:UiPath Maestro RPA連携
セールスフォース社:MuleSoft Agent Fabric(API管理、連携)
Agentforce(既存製品との連携と効果測定)
<開発ツールから管理へ>
マイクロソフト社:Agent365(可視化、アクセス管理)
グーグル社:Gemini Agentspace(他社含むエージェント統制)
<先行していたツール>
サービスナウ社:AI Control Tower(コンテキスト:文脈の活用)
(SalesforceもInformatica買収でコンテキスト基盤構築)
<セキュリティ管理機能>
オクタ社:Okta for AI Agent(不正アクセス検知など)
※勝ち負けじゃなくこの機能が必須になりそうです。
【「Claude Mythos」の衝撃 数千の脆弱性を発見、攻撃コードも生成】(P.50)
米アンソロピックが2026年4月7日に、新しい汎用のLLM「Claude Mythos(クロード・ミュトス)」を発表しました。あまりに高性能でありセキュリティ的危険があるため、一般公開は見送られました。
脆弱性を見つけ、その脆弱性を突くプログラムを自律的に生成する能力が飛び抜けていました。AWSやGoogle 米大手銀行などに限定してセキュリティー確保のためだけに提供します。
※そのうち一般公開されるでしょう。少し楽しみです。
【行政データを認定制で民間に開放 デジタル庁が法改正案】(P.52)
政府は行政機関が持つデータを民間企業などが利用しやすくする仕組みを整備します。法案を2026年4月7日に閣議決定し、国会に提出しました。国会で成立すれば2027年度中に施行される見込みです。
企業などが国の行政機関に対し、データの提供を請求できます。それを4点で審査し、問題なく提供可能であれば提供します。
①国が策定する方針への適合性
②企業が事業を確実に実施できるか
③法令上の適切性
④個人情報保護上の適切性→個人情報保護委員会が担当
※国が持つ情報を民間に公開することでAIの学習データが豊かになります。デジタル庁が主体的に公開してほしい
【米アンソロピックが「Cowork」提供 Mythos発表に続くAIエージェント】(P.54)
米アンソロピックは2026年4月9日、パソコンでの作業を自動化するAIエージェント「Claude Cowork」の一般提供を開始しました。Claudeの有料プランの利用者に提供されます。
Coworkではローカルフォルダ内にあるフォルダの整理や「Slack」からのメッセージ取得、「Googleドライブ」からのファイル読み込みなど外部サービスの利用が可能です。
※タスクを任せるのではなく仕事を任せる世界になりましたね
【フォーティネット、SSLーVPNを見直し トンネルモードの技術サポート1年延長】(P.56)
米フォーティネットはセキュリティ製品用OS「FortiOS」で提供する「SSLーVPN」の技術サポートの終了を1年延長することを明らかにしました。SSLーVPNにはトンネルモードとWebモードがあります。
トンネルモード:2026年5月11日終了から1年延長
Webモード:「Agentless VPN」に名称を変更してサポート継続
※本当に辞めるのでしょうか?このVPNの脆弱性で日本の企業がどれだけ迷惑しているか認識してほしいものです。
【乱反射:アームが自社チップ販売へ大転換 AIの「学習から推論」移行を狙う】(P.57)
英アーム・ホールディングスが自社ブランドのチップを直接販売します。「半導体設計図のライセンス供与」では単価の5%のライセンス収入しかありません。アームの設計図を利用しているエヌビディアやクアルコムとは「身内の競合」になります。
2023年ごろから本格化したAIブームでは、大量データの学習に向くエヌビディアのGPUが主役でした。ところが最近では「推論」にシフトしているためエネルギー効率の高いCPUが不可欠になっています。1ギガワット規模の巨大AIデータセンターにアームの新CPUを採用することで、既存のx86ベースのシステムと比べて最大100億ドル(約1.6兆円)の設備投資が削減出来るとアームは主張します。
※まだ孫さんは株を手放していないと思います。すごいですね。
【社長の疑問に答える IT専門家の対話術】(P.80)
意思決定の質を高めることを根幹とする書籍が2026年4月26日に出版されました。「プロジェクトマネージャーになる(峯本展夫著)」です。この本では、意思決定に影響を与える5点を挙げ、繰り返し5点を考える事を提案します。日頃から意識し循環しながら意思決定を行います。
①目的との整合②前提の検証③多様な視点の統合④感情知性の活用⑤責任の引き受け
これらのトレーニングのためのAIプロンプトが記載されています。これらの具体的な使い方が最終章で述べられます。交渉やコミュニケーション、プロジェクトの戦略やスコープの決定、重要な前提のモニタリングといった3領域について考えるべきことが提示され、結果をまとめる書式が提案されます。
※プロジェクトマネージャは意思決定の連続です。わかりやすく端的な言葉で解説されているようです。
以上