発達障害の娘と共に〜20円が運んできた幸せ
私の仕事は夜に終わることも多いのですが、
これは職業柄、仕方のないことです。
コンサートは
皆様がお仕事など終えられてからご来場いただける時間に
設定していることも多く、レッスンも同じです。

用事を済ませた後、夜のCha-Chaのレッスン。
(Cha-Cha とは、楽譜をつかわずに笑って歌う団体)
そして、翌日の仕事に備えて都内宿泊をしました。

Hも私と付かず離れず共に1日をすごし
彼女自身も別のレッスンをうけていて
いささかエネルギー消耗気味
翌日の仕事というのは、
Hが関わっていることもあって、
エネルギーセーブのためにも
早くホテルに行き着きたかったのですが、、



お腹が空いた、、とH。
彼女の空腹は突然やってきます。
さっきまで『大丈夫!まだ空いていない」
と言っていても、
突然、、「あ、お腹すごくすいてる」となるのは、
彼女の特性のせいかな?



この日も駐車場に停める前から、このSOS発令。



地下駐車場から表にでて、すぐに「食べるところ」を
探さなければなりませんでした。
運良く、彼女の大好きな海鮮ものが
豊富な居酒屋あり!!!



居酒屋さん、、普段は入らない場所。
ワイワイガヤガヤ音が彼女にはtoo much だから。
お酒が入ると、みなさん声は大きくなり、
ますます彼女はカオスになるとわかっているので、
入りません。



新しいところだし、居酒屋が不安な彼女、
でも背に腹は変えられないのと、
大体において海鮮丼は予想がつくので、
そこに決めました。



案の定、中は お酒と声でワンヤワンヤ。
それでお店の方に、、静かなところありませんか?
と聞きました。

あ、じゃあ、こちらへ、、、と。
比較的静かだけど、Hの顔は顰めっ面。
耐えられない。。。耳当てをしていても
きつい顔つきになっていました。



もう一度、もっと静かなところありませんか?
と言おうとしたときに、
「ああ、結構ここもうるさいですね、じゃあ、こちらに、、、」と閉めていたエリアに案内してくれました。



ここまででも本当に感謝です。
Hの顔も、
これで安全確保。あとはお腹。はい、すぐに注文。
居酒屋さんだから、メインの前にお通しもあって、
セーフ。。。よかったああ。



そして帰りのことです。。。
私は車から財布を持って降りていなかったことに
気がつきました。
Hにとっては、よろしくないハプニング。



ただでさえ、疲れていて、あたらしい、苦手な場所、そして
初めてのホテルに泊まるのに、母親が財布を忘れた。



取りに行けばいい、、、これは一般的な考え方?
それとも私だけ?私は忘れ物が多いので、
いちいち気にしないのです。
が、Hは、予定外のことですごく不安になります。
なのでレジで、、再び不安の顔に。。。

彼女は「私がお金、持っているかも。。。」と
お財布をひっくりかえしつつ、
ありったけのお金を支払いのトレイに置きました。
20円たりない。。



店員さんに、「お財布とってきます、お金が足りません」
と告白。

店員さん、「(そ、そんなあ、)上の者、呼んできます」
しばらく待つ間に、レジ周りはどんどん人の声で騒がしくなり、
Hも、どんどん、パニックに近づいている感じ。。。
ああああああ、こういう時の彼女への
「大丈夫」は役に立たないのです。根拠がない。
何が大丈夫なのか???私にもわかりません。。。
店長さんがやってきました。
事情を説明し、私が「いまから20円とってきます」
というと。。。



ご自分のお財布を出して、『20円ここから出しておきます。
もういいですよ、どうぞ気をつけてお帰りくださいね、ありがとうございました。」とニッコリ。



ひたすら感謝でした。
なにより、Hのパニック直前が、
彼の一言で「感謝の脳」にかわったのでした。
ありがたい。ありがたい。。。
二人で最敬礼をして店を後にしました。



あのまま行ったら、
きっと彼女は大変な時間を持つことになっていたと思います。

足りない。。。母親が財布を取りに🅿︎へ
。。。その間彼女は一人で店に。。。
人の声やレジの音でドンドン脳がぱんぱんになる。。
母親はいない。。。いつ戻ってくるのか不安。。。



そんな時間が、20円を差し出していただいたおかげで、すべて救われたのです。

この話でその夜はずっと暖かい気持ちに包まれていました。
ありがとうございました。店長さん。
20円が 何万円にも感じられた日でした。