男女四人の無名俳優や元恋人が山小屋にこもって自主制作映画に取り組む。ホラー作品にする方針が決まって脚本に取り組む矢先、紙袋を被った不審人物に遭遇する。次第に奇怪な出来事が彼らを苛ませていく…2008年製作。U-NEXTにて配信中。
映画づくりにどのような熱量が派生するのか。それは趣向や妥協が交錯する集団作業が伴ってくる。そして虚構と現実の境界が曖昧になると、突発する言動が本来宿る物語のテーマへと向かう。途中、恋愛 or ホラー の選択肢で後者へと手綱を取って行き着いた先が前者へと転換する。この構成は見事。荒削りだが、ここに脚本・監督を担うジェイ&マーク・デュプラス兄弟の才覚を感じる。
虚構と現実。彼らが語る妄想は虚構を露わにする現実であり、虚構を構築する彼らは実存する。では虚構という範疇は、現実に付随するだけで限りなく狭小なのか、それとも無限に広がっていく幻想なのか。そのつかみどころの無さはそのまま人びとの営みに通じる。時間的にまだ語られない未来を指す言動は、当人にも分からないものだし、予知できないからこそ面白いのではないか。パーソナルな幻想とコモンな時空間、その結びつきがとても映画的表現に適している。
ホラー要素で進行する過程でその怖さが瓦解するとどうなるか。安心か、憤りか、その滑稽な状況に私たちは日常との密接な結びつきに気づく。感情の揺れ動きは微妙にセンシティブであり大胆。先述した恋愛要素への変化は、感情にホラー要素を含んでいるかもしれない。愛憎。という言葉は言い得て妙だと感じる。
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