やっぱり映画が好き -3ページ目

やっぱり映画が好き

正統派ではない映画論。
しかし邪道ではなく異端でもない。

【ネタバレ】あります。すみません、気を付けてください。

 

マイケル・ジャクソンのスター街道を振り返る。多大な功績を駆け足で紡いでいくので、あっという間に終幕となる。もちろん本編以降に様々な騒動(児童性的虐待疑惑など)が待ち受けるのだが、マイケルの闇は父と子の確執しか描かれていない。人格者として持ち上げ過ぎかなと訝しんでしまうが、彼を知らなかった人たちの入門編としては申し分ない。

 

片や、マイケルを知る人たちにとっては、あのミュージックビデオはこうなってたのか、ってな裏事情ネタが想定外に薄いので物足りない。そこ面白ネタいくらでもあるでしょうに、やっぱ公言できない大人の事情なあるのかなと勘繰ってしまう。

 

とは言え、マイケルを演じたジャファー・ジャクソンの貢献に喝采。一瞬マイケルやん、と見違えてしまうほど会得している。そして編集で各方面からの圧力に屈して無難な仕上がりになってしまった(と推測する)アントワーン・フークア監督の忍耐(これも推測)に激励する。フークアじゃなきゃ完成しなかったはず。盟友デンゼル・ワシントンが出演する次回作が手こずってるけど、ドンマイケル♪

 

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仲が良い幼馴染のレオとレミ。ふたりは中学生になり同じクラスに編入される。終始親密なふたりをクラスメイトは揶揄する。同性愛とは無関係な間柄を理解してくれない周囲の空気にレオとレミの関係はぎくしゃくしていく…2022年製作。U-NEXTにて配信中。

 

自分に不都合な出来事にどう対処すればいいのか。友情を裏切る罪は果たして消え去るのか。ものすごく身近な、そして重責を伴う言動を観客に突きつけてくる。周囲に同調する。信条よりも保身を優先する。そんな経験、した事ないとはいえない。

 

レミと距離をおいてしまうレオ。彼はクラスメイトがいるアイスホッケーチームに加入する。この(男)集団という力の象徴が、さらにふたりの関係に亀裂を生む。レオは多数派と同じ空間にいることを正当化する。一方疎外されたレミはその孤独に耐えられるのか。アイデンティティの喪失に向かう仕打ちは残酷に映る。

 

ラストの主人公・レオの行動、あれは寂寥感なのか、安堵感なのか、ここで私たちの体感が問われている。観る人によってアンサーは無限に広がっていく。"見えない" "見せない" 人の心をうまく表現するルーカス・ドン監督の手腕に感嘆する。

 

ルーカス・ドン監督の最新作「Coward」は第一次世界大戦の背景にした若き兵士の物語。今年のカンヌ映画祭で最優秀男優賞を受賞した。この評価に期待して日本劇場公開を望む。配信スルーなんて判断はしてほしくない。私は、洋画が低迷する日本の配給事情に同調しない。やっぱり映画館が好き。

 

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マクドナルド店舗の屋根を破壊して侵入する強盗を繰り返すジェフリー(チャニング・テイタム)は警察に逮捕されて収監される。妻子から縁を切られてしまうジェフリーは娘の再会を求めて脱獄を決行する。しかし世間に姿をさらすことが出来ない彼はトイザらス店舗に身を隠す。そこでパート店員リー(キルステン・ダンスト)に好意を抱き身分を偽って接近する…日本劇場未公開。U-NEXT AmazonPrime 等にて課金配信中。

 

犯罪者は本当に悪い人なのか。日頃私たちも善悪の境界線を揺れ動き安定していない。それでも規律に反する人は刑罰を受け更生の道を歩むのが社会のルールである。ジェフリーは逮捕されて法の裁きを受けることになるが、彼に関わった(一部の)人たちの証言は、悪行への非難よりも善行への謝意が内包されていて酌量の余地を残す。本当の良心とは何か、私たちはこの複雑な課題に思いを巡らすべきだろう。それが彼の足跡になる。

 

犯罪が主軸となる物語だが、暴力は一切無い。それはジェフリーの信条でもあり、彼の優しさが愚かな力の行使を排除している。だからこそクライマックスで発露する暴力はジェフリーを苛ませる。そこで初めて彼は罪を自覚したかもしれない。それは大切な人の信頼を失うこと、悲しませることに他ならない。

 

ところで世界では一部の為政者たちが非人道を是とするような愚行を続けている。彼らには信頼なんて大切に思ってないだろうし、人が悲しんでも痛くも痒くもないだろう。優劣はつけたくないが、ジェフリーの愚行は愛おしい。罪の深さに雲泥の差がある。

 

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