「トップガン マーヴェリック」 | やっぱり映画が好き

やっぱり映画が好き

正統派ではない映画論。
しかし邪道ではなく異端でもない。

【ネタバレ】あります。すみません、気を付けてください。

 

前作観れば楽しさ倍増の続編。なにせオープニング映像より空母で発着陸する戦闘機と携わる作業員の姿、そこにケニー・ロギンスの楽曲で観客は高揚する。"映画って楽しいよね" 精神に満ち溢れた主演トム・クルーズの思い入れがニクい。

 

とにかくカッコイイ男とイカす女だけが登場する物語は軍事訓練を経て実践へと臨む。この訓練を3回は繰り返して描かれる。何回も同じ事言うので、観客も訓練生の疑似体験を施している。だからクライマックスの実戦では、こちらもシュミレート完璧に仕上がってるし、この反復は途中トイレに行った観客にも "もう一回言うからね" と親切設計なのだ。さすがトム。

 

前作の悲劇から苦悩するマーヴェリック、そして心閉ざすルースター、この二人が主軸となって多様なエリート軍人が訓練に立ち向かう構成は面白い。このまま切磋琢磨するパイロットの群像を深掘りしていくかと思いきやホモソーシャルな手引きによってあれよと解決してしまう。ハングマン、ボブ、フェニックス、若手に活躍の場を渇望するけど、主演トムのおいしいトコ取り。マーヴェリックの中年ロマンスまであるけど、還暦近いおっさんが窓から抜け出すような少年っぽさは要るのかね。お茶目を振る舞うことへの抵抗は微塵も無い。さすがトム。

 

終盤、ひとりの勇敢なパイロットの犠牲によってミッション完遂!ここで締めくくると思わせて、"おひらきじゃないよ、これから二次会あるからね" と観客を誘う展開は、もはやこれって「ミッションインポッシブル」?と勘ぐる隙も与えずに強引な脱出劇へと突き進む。"感傷に浸るのもいいけど、もっと楽しんでね" とシメのラーメンまで引率してくれる。さすがトム。

 

ここまでアメリカ万歳となると、こちらもアメリカ人になった気分でライフスタイルを堪能する。バイク、飛行機、クルージング、酒場、ビーチバレー、ラストも恋人と空の旅、ぎゅうぎゅう詰めのメニューでお腹いっぱい。何回も同じ事言うよ、さすがトム。

 

追伸。自称映画好きの端くれとして忘れていたことを "さすがトム" は教えてくれた。娯楽作品には "黒人の水野晴郎" 枠が必須だよね。

 

※ "黒人の水野晴郎" 枠代表は「ダイ・ハード」の黒人警官。

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