「ローマンという名の男 - 信念の行方-」 | やっぱり映画が好き

やっぱり映画が好き

正統派ではない映画論。
しかし邪道ではなく異端でもない。

【ネタバレ】あります。すみません、気を付けてください。

 

デンゼル・ワシントン主演ながらも日本で劇場未公開という不遇の傑作。主人公ローマンは卓越した記憶力の持ち主だが真面目すぎる余り周囲との衝突が絶えない弁護士。"正義とは何か" と自問し過ちを犯しながらも信念を貫こうとする愚直な彼に図らずも理解を示してくれる仲間と出会う物語。王道な構成だが、デンゼル・ワシントンの演技はもちろん共演のコリン・ファレルもイイ。なんたってラスト、"ある男" の背中がカッコイイのだ。

 

撮影がロバート・エルスウィット。ポール・トーマス・アンダーソン監督の常連で今作のダン・ギルロイ監督とも「ナイトクローラー」等でタッグを組んでいる。彼が撮る映像は舞台となる庶民が住む街並みをうまく捉えている。そしてローマンが在職していた法律事務所の古風な佇まいや転職先となるガラス張りの大手法律事務所の空間の演出が上手い。

 

ここからがっつりネタバレです。

 

欲言うならば、ローマンはもっと無様に散った方が遺恨試合としてジョージ(コリン・ファレル)が最高裁判所に向かう筋書きが盛り上がりを見せるのではないか。ギャングに狙われるのではなく、赤の他人がローマンの言動に逆恨みを抱いて凶行に及ぶってな感じ。そう、クライマックス、危険を察知したジョージは間一髪ローマンを助けることができるのだが、その後、ローマンは別の場所で儚く倒れる顛末の方がひとしお無念さが身にしみてくると感じる。

 

エンドクレジットで編集がジョン・ギルロイと出ていたので調べると、ダン・ギルロイ監督の双子の兄弟だった。双子で同じ業界って珍しいね。双子といえば、

をすぐに思い浮かべるが、これが古いのか、今時の双子は誰なのか、チコちゃんに問いかけてみたい。ん?チコちゃん?趣旨が違うよね。テレビ見てない証拠。

 

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日本での劇場未公開で面白い作品はまだあります。

「ゲーム・ナイト」

ジェイソン・ベイトマンとレイチェル・マクアダムスがコメディで大活躍。カイル・チャンドラーが珍しく軽いキャラで登場。デンゼル・ワシントンも出てる?この "オチ" にやられた。