「クリード 炎の宿敵」 | やっぱり映画が好き

やっぱり映画が好き

正統派ではない映画論。
しかし邪道ではなく異端でもない。

【ネタバレ】あります。すみません、気を付けてください。

 

誰もが良い人達。ただ身内との距離感に戸惑いとシコリが拭いきれない不器用な人達。ボクシングを通して過去の遺恨を清算しようとする皆の行動が一つひとつ腑に落ちる。王者となる主人公クリードを含む様々な人物を丁寧に描いた人間模様に賞賛。老いたスタローン、そしてラングレンがいい演技を魅せてくれます。ドラゴの "タオル" にこの作品のカタルシスがギュッと詰め込まれている。そして皆がほんの少し幸せになる。ドラゴ親子のジョギングシーンしかり、ロッキー親子、そしてクリード親子へと場面は移り幕を閉じる。人生を変えようとするリングという非日常からささやかな日常に舞い降りる、この演出がイイ。

 

冒頭シーンは敵側のドラゴ親子の生活から始まる、ならばもっとドラゴ親子のエピソードを挿れるべきではなかろうか。仲介人でもあるプロモーターの黒人おっちゃんが登場するが人物的深みが乏しい。あのおっちゃんとドラゴ親子の折衝なり衝突なり結託なりあった方が恵まれぬ境遇からの脱却を原動力とする挑戦者側とチャンプという座と子宝を授かった家庭を守ろうとする王者側の対比がさらに面白くなったであろう。しかるにおっちゃんはボクシングという名を借りてその人の人生を狂わせていく興行師という役割を担うキャラのはず。なんかその辺すっ飛ばしていきなりドラゴ親子アメリカ上陸、になっちゃってる。

 

最初これじゃクリード勝てる訳ないよと誰もが感じていたであろうドラゴ息子のハンパない存在感。勝つためにトレーニングに取り組んでいくクリードとロッキー、ここぞとばかりアガる。タイヤに片足突っ込んで接近戦の訓練はもうたまらん、私が代行すればすぐさま嘔吐しちゃいます、ヘタレ自覚します。ここまで過酷に限界に迫るからこそクライマックスの対戦がグッとくる。やはり腑に落ちる。

 

思い起こせば、私が高校生の頃に「ロッキー4 炎の友情」が公開、友逹と共に試写会へ足を運んだのだ。やはりそんなトコに行けばロッキー好きな野郎ばかりなり。色白丸ぽちゃGジャン野郎の比率多し。上映中は拍手や歓声で盛り上がる。この一体感、アガる。しかし個人的にはどうも腑に落ちなかった。ロッキーは格好いいけどストーリーの中身ペラッペラちゃうのコレ。トレーニング場面もなんだかサバイバーのMTV映像とあんまり変わらんし。我が家は当時ビデオ無い家庭やからそういうの深夜まで寝ないでテレビで観たって。それとセレブなロッキー豪邸のメイドロボ、あれ何?ペッパーくんの先取り?やたらデカくない?そして大御所JB登場、アメリカ住むにゃイイ国♪これまたMTV映像じゃん、だからそういうの深夜テレビで観たって。トータル、ミュージックビデオの羅列やんけ、なんて "王様裸やん" みたく暴言吐いた日にゃ一瞬にして四面楚歌になっちゃうので空気読むことができる高校生は沈黙を貫いたのだ。正直バッドセンス炸裂したモチーフをここまで昇華できたのは驚嘆する。スゲェ。おっと脚本スタローン噛んでるやん、やるねぇ。「ロッキー4」の汚名挽回ですな。

 

やっぱあのテーマ曲聴いたら身体が動くよ、どこまでも。

 

でもね。エンディング曲、なんかダサくない?これってもしやレコード会社から今回はこの曲使ってくださいよお願いしますよ宣伝とかめっちゃ協力しますし実はこのアーティスト人気あるんっすよイチオシなんっすよってなプロモートがあったのかなかったのか知る由もないが、音楽を担当したルドウィグ・ゴランソン、「ブラックパンサー」も担当している。そや、あのエンディング曲もダサかった、劇中で使われる曲はカッコええのになんでエンディング曲になったらこうなるの、大事やでエンディング。やっぱ横ヤリあったんちゃうけ?ゴランソンはんエエ娘紹介しまっせ、エエエエエそれって枕営業?ちゃいますよきっかけですわあくまで当人同士の合意でんがな、ほんまかいななんか出会い系みたいな感じになってるやん、なんて妄想オンリー裏取れてないのに業界毒舌ナックルズみたいな発言は控えよう、空気読めるもんね、まだまだ。

 

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