「ブラックホーク・ダウン」 | やっぱり映画が好き

やっぱり映画が好き

正統派ではない映画論。
しかし邪道ではなく異端でもない。

【ネタバレ】あります。すみません、気を付けてください。

ブラックホークダウン


正月映画、観たい作品がなく、レンタルDVD鑑賞。

リドリースコット監督の戦争映画の傑作。

アフリカ東部ソマリアで起きた民族紛争。
米軍はその内戦を終結させようと軍事介入、
軍事力で制圧するアイディート将軍の補佐役2人を捕らえるため
特殊部隊による作戦が実行されるが、
民兵の抵抗により米軍の多用途ヘリコプター、ブラックホークの
撃墜から展開する容赦ない市街戦への悲惨さを
リアルに徹した映像で物語る。

冒頭から作戦に至るまで
最小限の状況説明、人物描写でとどめて
作品中のほとんどが作戦実行の米兵、抵抗する民兵、
巻き込まれる一般市民の入り乱れた戦場が描かれる。

「痛い」「怖い」の連続。家族は昼寝する中、
私一人驚愕し身をよじらせていた。

この描写に一つ足りないのは「匂い」だけ。
以前、映画館で観た「プライベートライアン」の
冒頭に始まるノルマンディー作戦もそうだった。

戦場の恐怖が延々と続くこの作品は
窮地に陥った米兵の恐怖心そのものであり、
何が正義なのか?暴徒化する民兵の数と
罪の無い一般市民の犠牲が
終わりなき狂気として私達に問いかけている。

観終わった後、中学生の娘に感想を求められて
「戦争、コワイ…」と小学生レベルの返答しか出来なかった。
恥ずかしい限り。もっと、精進せねば。