「ダークナイトライジング」 | やっぱり映画が好き

やっぱり映画が好き

正統派ではない映画論。
しかし邪道ではなく異端でもない。

【ネタバレ】あります。すみません、気を付けてください。

ダークナイトライゼス


昨年の夏、箕面のIMAXシアターで観ました。
それほどまでにクリストファーノーラン監督が好きなんです。
映像の画力が私のツボに見事ハマッてしまいます。

今回は「自由」がテーマ、
平等の名の下、権力に立ち向かって奪い取る「自由」
現状からの逃避、過去を消す事で再出発する「自由」
死を恐れず暴力から生活を守ることで感ずる「自由」
様々な「自由」を登場人物がそれぞれ背負っている。
考えさせる作品です…答えは一つでないのが面白い。

前作「ダークナイト」では悪役ジョーカーが提示する
「正義と狂気」の境界線を
社会に矢継ぎ早に突きつけるサイコサスペンス。

今作は怪力男ペインが解放とは名ばかりの「自由」を
混乱へと陥れるパニックストーリー。語り口がうまいんです。

欲言えば、このテーマでバットマンがもっと悩んでほしかった。
「ダークナイト」ではジョーカーの挑戦にあれだけ苦悩していたのに
今回はひたすら「闘い」に突き進むのは…らしくないよってな感じ。

ペインの正体も意外などんでん返しではなく
矛盾に満ちた落胆にしかならない。
執事アルフレッドの訣別もなんだかしっくりこない。

こうしてみると本当に面白いの?と思われるが面白いんです。
「ダークナイト」「インセプション」に比べると完成度は
イマイチなんですが、キャットウーマンとあのバイクで許せてしまう。

この監督の影響で?今年公開されるスーパーマンスタートレック
皆似た感じの雰囲気になっちゃってる。

個人的にリブート、リメイクするのであれば、
その作品のテイストを失わずにしなければつくる意味が無いと思うんです。
「鳥だ」「飛行機だ」と騒ぐご陽気さや
絶体絶命の局面でも船長のとんちで切り抜けるユーモアセンスが
その作品のクオリティなんだと感じます。

とは云えども、まだ未見なのでこれ以上ケチをつけません。
逆にこの予告映像とは良い意味で裏切るような作品である事を
切に願っています。…これが映画だ、なんて云わないでね。