さて今回は、
ファッションブログのクセに
たまにしかやらないファッション記事だ。
タイトルは “バンドカラー”
バンドカラー…
クリック
といっても、
それぞれのロックバンドの
個性や特徴のことではなく、
シャツのことである。
バンドカラーシャツ…
といっても、
ロックバンドが必ず着る
シャツのことではなく、
襟のデザインのことである。
(いい加減ロックから離れろ!)
先日公式ブログの方でも書いたが、
私はこのバンドカラーシャツが大好きだ。
去年までは“開襟シャツが大好き!”
などとわめき散らしていたから、
その舌の根も渇かぬうちに…
ということになろうが、
好きなモノは一つとは限らないのである…
ということにしておこう。
そもそもバンドカラーとは
バンド(帯)状の襟のことで、
襟羽根のない襟腰だけのシャツを指す。
もともとシャツというものは
襟腰から襟羽根部分を外して
洗えるようになっていたから、
バンドカラーシャツは天然素材ほど
クラシックでレトロな雰囲気がある。
襟羽根があるだけでキリッとした気品と
畏まり感があるのに対し、
襟羽根のないバンドカラーは
どこかリラックス感と解放感がある。
この程よい抜け感こそ
私が好きな理由でもある。
ところで…
シャツというアイテムは不思議なもので、
襟のデザインや色によって階級や身分、
職種などを表していた時代もあった。
ちょっと前まで普通に使われていた
ホワイトカラー(エリート事務職)や
ブルーカラー(工場労働者)もその例だ。
昔の時代背景を描いた映画では、
バンドカラーを着た登場人物を
よく見かける。
たいていは貧しい農夫や労働者役だ。
その代表的な例は、
映画「タイタニック」における
レオナルド・ディカプリオである。
その後の人生を決定づけたらしいが、
何をどう決定づけたのかは
メンドクサイから聞いてない…。
さて…
現代のファッションにおいては、
こうした歴史的背景のある
職業や身分や階級などといった
生活に密着した服とは一切関係なく、
ただの一つのテイストとして
自由に楽しめるということだ。
そういう意味でバンドカラーシャツは、
オンオフともにカジュアル化が著しい
最近のメンズファッションにおいては、
開襟シャツやサファリシャツと並んで
誰でも取り入れやすいアイテムといえよう。
そして…
私がバンドカラーを好きな理由が
実はもう一つある。
むしろこれこそ最大の理由だ。
それは建築家や芸術家、文化人など
その道の大家と呼ばれる先生たちが、
対談やインタビューなどの席での
バンドカラーシャツ着用率が
群を抜いて高いイメージがあるからだ。
これはその道を極めた者だけが得た、
世間の堅苦しい慣習にとらわれない
自由の象徴としての存在なのかもしれない。
裏返していえば、
バンドカラーシャツを着るだけで
私が憧れて止まない
・Artistic(アーティスティック)
・Avant-garde(アバンギャルド)
・Academic(アカデミック)
な雰囲気が簡単に演出できるということだ。
私はこれを AAA(トリプルA)と呼び、
(男女パフォーマンスグループではない…)
文化人や芸術家気取りをして楽しむのだ。
ファッションの醍醐味の一つは
自分らしさを表現するのとは反対に、
『本来の自分ではない何者かになれる!』
ということでもある。
一度私が
白のバンドカラーシャツを着ていると
『中華料理屋のコックみたい』
とか、
『歯科医みたいですね』
と言われたこともあるが、
もちろん無視した。
AAAではないから…。
さて…
最後にそんなバンドカラーシャツを
粋に着こなしている著名人を取り上げて
この記事をサッサと終わらせようと思い、
安藤忠雄や隈研吾など
世界的建築家の画像を探したが、
これが意外と見つからない。
しかし…
私はこんなこともあろうかと思い、
とっておきの人物を一人確保しておいた。
それは意外な人物である。
その人物とは、
現在日本を救う為に骨身を削る
地域医療機能推進機構理事長の
尾身 茂 氏である。
コロナが騒がれ始めた2月頃…
テレビで初めて見た尾身茂氏に
私は一目惚れだった。
(これって、変?)
まるで明治や大正時代から
抜け出してきたような武骨な雰囲気…
凛とした佇まいの中に垣間見る
一本筋が通った不屈の精神や包容力…
まさに私が思い描く
清く正しい日本のお爺ちゃん像を
そのまま体現しているではないか!
まるで小津映画に登場する笠智衆のようだ。
スタイルもいい。
東海林太郎や大江健三郎直系の
顔とヘアスタイルもいい。
眼鏡もとても似合っている。
朴訥で淡々とした語り口もいい。
聴いてるだけで癒されるあの声は、
きっとウィスパーボイスだろう…。
私は尾身氏から目が離せなくなった。
私のようなオヤジがファンだなんて、
本人が聞いたら腰を抜かすかもしれないが、
尾身先生なら優しく受け入れてくれるはずだ。
副座長を務めたコロナ専門家会議が、
本人も寝耳に水の廃止の一報を聞いた時、
『西村(経済再生大臣)の野郎!
絶対許さん!』
と私は本気で憤慨したものだ。
その後コロナ感染症対策分科会会長に
晴れて就任した尾身氏に対し、
お爺ちゃんの仕事がやっと評価された!
と私は家族の一員のように喜んだ…
あれ ⁉️
何の話だったっけ?
あ、そうそう。
バンドカラーシャツのことだった。
そんな尾身氏がこよなく愛用しているのが
バンドカラーシャツであることを知る者は
私を含めた限られた人間だけだろう。
なぜなら…
誰も興味ないから…。
先日なんか茶系を着ているのを
テレビニュースで確認した。
一つ言えることは、
バンドカラーシャツを着せたら、
今の日本でこの人の右に出る者はいない!
ということだろうか…。
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田舎の農夫に扮したメンバーの集合写真…
こんな武骨な野郎どもなら
絶対バンドカラーを着てたはずだと
記憶の中では思っていたが、
よく見たら誰も着てなかった…
ザ・バンドのクセに…。
「The Band」
“Up On Cripple Creek”
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メンズビギ横浜店 GMより
コチラも見てネ❗️

