このセリフを覚えてる世代なら
分かってもらえるかもしれない…。
『姉さん、事件です! 80年代に爆発的人気を誇ったメンズビギの伝説的アイテム、あのレザースタジャンが復刻するんだって!』
これは事件以外の何ものでもない。
メンズビギのスタジャンといえば、
80年代の日本サブカルチャー史における
象徴的存在であったからだ。
そんな伝説のスタジャンが
このコロナ禍に復刻するのだから…。
社会現象とまでなったDCブランドブーム…
その中心的存在がメンズビギだった。
メンズビギが発売したスタジャンは
瞬く間に若者の間で人気に火がつき、
毎年予約だけで完売するほどだった。
当時学生だった私も
喉から手が出るほど欲しかったが、
それは叶わなかった…。
後追いで発売し始めた
他のブランドのスタジャンを
仕方なく買ったが、
背中に大きく入った憧れブランド
「MEN'S BIGI」のロゴを街で見かける度、
忸怩たる思いが込み上げてきたものだ。
今の自分があるのは、
当時メンズビギのスタジャンが
手に入らなかった悔しさが
原動力になっているのかもしれない…
というのは、
半分以上ウソだけど…。
いつだったか…
当時都内に住む高校の野球部で先輩だった
Yさんの家へ遊びに行った時のことだった。
私服の高校だった母校の中でも
特にオシャレだったY先輩は、
入部したばかりの15歳の私に、
Levi's501生デニムのカッコいい穿き方を
伝授してくれた、命の…
いや、オシャレの恩人である。
話題も豊富で面白く、
Y先輩の周りはいつも笑いに包まれていた。
野球のことは一切教えてくれなかったが…。
そんなY先輩の部屋に上がるや否や、
「GM!(当時はまだGMではない…)
やっと手に入れたよ!」
と言って見せてくれたのが、
燦然と輝くメンズビギのスタジャンだった。
「おお! どんな手を使ったんですか ⁉️」
当時はこんなやり取りが
全国で起こっていたかもしれない。
お金がなくて買えなかった人…
お金があっても買えなかった人…
そんな羨望のシロモノだったのである。
さて…
今回満を持しての復刻は、
MEN'S BIGI設立45周年を記念しての
100着限定アニバーサリー企画である。
当時のデザインを忠実に再現しながらも、
シルエットと素材を現在風にアレンジ!
当時のビッグシルエットよりもスマートに。
さらに厚手のウールメルトンと重厚なカウレザーから、カシミア混ライトメルトン(身頃)と柔らかいラムレザー(袖)にアップデート
どうですか? このデザイン!
ある種の人にとっては垂涎のシロモノ…
私もさっきから涎が出っぱなし(汚ねーな)
なんたって今回のモデルは、
特に人気の高かった
1987年モデルがベースだ。
奇しくも1987年といえば、
私がビギに入社した年なのだ!
ところで…
今回の限定100着は、
クラウドファンディング
「MAKUAKE」からの応援購入のみ。
残念ながら店頭やECサイトでの購入は
一切不可だという。
ちなみに価格は40年前と同じ¥50,000…
これは物価の優等生“玉子”並みに変動なし!
私も欲しい…
こんなチャンスは二度とないかもしれない…
40年近く前の記憶が甦ってくる。
私に万一のことがあったら、
一緒に棺桶に入れてもらおう。
しかし…
限定100着だというのに
いまや関係者側の自分が
真っ先に飛びついていいものだろうか…。
バレる可能性は十分考えられる。
募集開始となった昨日…
早速私はサイトにアクセスしてみた。
すでにサポーターが集まり始めている。
私はちょっとだけホッとした。
私が当時あれほど欲しかった
伝説のスタジャンの人気がなかったら、
それはそれで悲しいではないか…。
でも100着もあるから
最後の方でコッソリ応募しようと思い、
今朝もう一度サイトを開いてみたら…
『姉さん、大事件です!』
すでに募集は終了していた…。
嗚呼、また逃しちまったよ!
しかし…
サポーターの応援コメントを読んでいると、
なんだか熱いものが込み上げてきた。
『憧れたメンズビギスタジャン、やっと手に入れました。このプロジェクトに感謝します』
『楽しみです!』
『1975年生まれなんで、何かの縁を感じてます!』
『一目惚れです!バイカーなのでライディングでも使いたいです。メチャクチャ楽しみです!』
『頑張れニッポン!!』
『学生の頃大流行したこのスタジャン、貧乏学生には高嶺の花でした。今このようなかたちで手に入れられるなんて、本当に嬉しいです』
『亡くなられた萩原健一さんに捧げます!』
『ここ数年、ずっと憧れていたこんな感じのスタジャンを求め続けていました』
『良い商品をありがとう。アパレル業界は大変ですが、コロナに負けずに頑張ってください!』
『ビギのファンです。こういう企画は楽しいですよね!』
『本当に服を購入して嬉しくなったのは何十年ぶりかです。憧れて当時は先立つものがなくて手にできず、違うスタジャンを購入したことを思い出します。楽しみです!12月までウキウキの毎日です。プロジェクトの皆さんありがとう!』
ファッションは捨てたもんじゃない。
コロナ禍にもかかわらず、
服でこんなに喜んでくださる方が
これほどたくさんいらっしゃるなんて…
そして私は心の底から思った。
嗚呼…
やっぱりオレも欲しい!
(そこかよ!)
さて…
この伝説のスタジャンは、
現在のメンズビギ社員でさえ
当時の実物を見た人は僅かである。
それだけ長い歴史を誇るブランドなのだ。
言い換えれば、
メンズビギには多くのLEGACYがある。
さらに言えば、
メンズビギにしかできないことがある。
次回は多くのミュージシャンも愛用した
「伝説のモッズスーツ」を
是非復刻させて欲しいところだ。
でもその前に…
スタジャンを追加生産して
頼むから私にも買わせて欲しい…。
そしていつの日か、
誰もがスタジャンを着ながら
自由にスポーツ観戦ができることを願って!
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せっかくだから1987年のヒット曲…
姉さんがカイリー・ミノーグだったら
So Lucky!
今回スタジャンGET!した人も
So Lucky!
「Kyllie Minogue」
“I Should Be So Lucky”
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メンズビギ横浜店 GMより
コチラも見てネ❗️