調子こいて、
無くては困るモノ…《PART２》である。
その日は雨…
私はいつもの時間に起き、
いつもの時間に朝食を終え、
いつもより10分前に家を出た。
なぜ10分前に家を出たのか？
長年の勘で分かるのである。
今日は電車が遅れるのが…。
私が利用している通勤電車は、
普段でさえ「混雑のため」という
意味不明な理由で遅れることしばしば…。
風や雨などの天候や連休明けなどは、
たいてい遅れるのである。
いつもより２本早い電車が
最寄り駅を発車したのは
時刻通りだったが、
徐々に徐行し始め
遂には駅間で停車する始末…。
このままでは間に合わないと判断した私は、
急遽違う路線に乗り換えることにした。
途中のターミナル駅で
モミクチャになりながら
電車を降りようとした時だった。
突然、左耳が引っ張られたのである。
耳専門のマニアックな痴漢だろうか…
（いや、ナイナイ…）
私が毅然として振り向いたら、
イヤホンのコードが隣の乗客のバッグに
引っ掛かっていたのである。
もう時間がない…
私は華麗な手さばきでコードをほどき、
ホームに並ぶ乗る気満々の行列集団に
押し戻される寸前に飛び降りた。
やれやれ…
と思いながら取り返したイヤホンを
左耳に入れようとしたその時だった…
あっ！ ない！
イヤホンの先端にあるはずのパッドが
失くなっていたのだ。
パッド専門のマニアックなスリだろうか…
（いや、ナイナイ…）
命に別状はないものの
No Life No Music の私にとって、
通勤中に音楽が聴けないのはツラい。
ダメ元でパッドの付いていない先端を
そっと左耳に入れてみたが、
よく聞こえないどころか
すぐに耳から外れてしまう。
あ～あ…
私は暗澹たる気分になった。
ここからお店のある横浜までは
あと40分は電車に揺られなければならない。
古いLPレコードならアルバム１枚分だ。
帰りならCDアルバム１枚分に
ボーナストラックまで聴けるかもしれない。
だからといって、
右耳だけで聴いても迫力出ないし、
左のイヤホンからの音漏れも気になる。
私は仕方なく諦めることにした。
新橋駅までは座れないな…
乗り換えた電車は
ほぼ定刻通りの運転だったが、
満員御礼である。
片手で華麗にスマホ操作ができない私は
吊り革に身を任せながら
ただボーッと車窓の風景を眺めるのみ…。
音楽が聴けない通勤電車の
なんと味気ないことか…。
イヤーパッド…
私にとっては、
これも無くては困るモノ…である。
さて…
この話には続きがある。
イヤーパッドは失くしたものの
横浜まで無事にたどり着いた私は、
自分の判断が正しかったことを知る。
そこからはいつもの一日が始まった…
かにみえたのだが…
異変を感じたのは、
開店してから用があって
メンズビギの営業に電話した時だった。
あれ？
いつもより
相手の声が聞き取りづらかったのだ。
耳専門のマニアックな痴漢か
イヤーパッド専門のマニアックなスリに
ナニか左耳に入れられたのではないか…
（いや、ナイナイ…）
私は電話を切るやいなや
左耳に人指し指を突っ込んでみた。
すると…
・・・・。
私は言葉を失った…。
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あなたは音楽が聞こえますか？
「The Rolling Stones」
“Can You Hear The Music”
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メンズビギ横浜店 GMより
コチラも見てネ❗️
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