無くては困るモノ… | メンズビギ マルイシティ横浜店 GM(ゼネラルマネージャー)の極私的ブログ

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今シーズンの最大商戦である
「マルコとマルオの7日間」や
「ウィンターフェア」が
ちょっと落ち着いてきたので、
今のうち一つでもいいから
記事を書いとこっと!


最近の私は、
無くては困るモノ…について
考察することがある。

でも考えてみたら、
無くては困るモノなんて
普段の生活で気づかないだけで、
いくらでもあるのかもしれない。

生命や健康…
愛や平和や自由…
家族や友人…
お金や仕事…
趣味や芸術…
火や水や空気…

こんなことをいちいち挙げてたら
キリがない…。
でも一つハッキリ言えることは、
代替えがきかないモノ…
ということになるのではないだろうか。


さて…
私がこんなことを考えるキッカケは、
最近ちょっとした出来事があったからだ。


私は仕事帰りには必ず
LINEやメールではなく、
カエルコールをするのが
いまだにルーチンになっている。


おせっかい解説】
カエルコール
カエルコールとは帰るコールのことで、夫が仕事を終え、妻に「今から帰る」と電話すること。カエルコールは80年代にNTTが提唱したもので、「帰る」と「蛙」をかけた巨大蛙が出てくるCMも話題になった。「今から帰る」「早かったのね。お疲れ様!」という会話は夫婦円満の秘訣であるが、「今から帰る」への返事が「まだいい!」となったら要注意だ。


その日私がいつものように
カエルコールをすると、

「今日、大変なことがあったの!」

と妻が興奮気味に言ったので、
いったい何事かと緊張が走った。

なぜなら今から20年以上前…
妻から同じセリフを聞いたことが
あるからだ。

当時住んでいたマンション1階の部屋に、
どうやら空き巣が入ったらしい。
妻が帰宅すると
窓の鍵の周りが割られており、
すぐに警察に通報したそうだ。

続々と駆けつける捜査員に続き、
ドラマでお馴染みの鑑識課が登場し、
早速指紋の採取に取り掛かったそうだ。

『いいな…』

口にこそ出さなかったが、
警察小説が大好きな私は、
本物の警察が目の前で捜査する
その場に居合わせなかったことが
とても残念で悔しかった。


窓の割れ方から推測するに、

「これは本物のプロじゃないな…」

というのが捜査員一致の見立てだったそう…。

「ところで奥さん、何か盗られたモノは?」

と年長の捜査員に聞かれた妻は
気が動転していたせいか、
いつも大事なモノを仕舞ってある
○○の引き出しを開けて、

「あ、通帳が無い!」

と叫んだそうである。

「他には?」

と聞かれた妻が、
その引き出しをひっくり返し
もう一度調べたてみたら、
奥に引っ掛かっていた通帳が出てきた。
しかも、全く盗られたモノがないことも
判明した。

さぞ、バツが悪かっただろう…。

しかしその時、
妻は起死回生の一言を発したのだ。

「あっ!猫がいないっ!」
ドアが開いてるからだっ!」

その絶叫は、
部屋中のドアを開け放し
我が物顔で出入りしていた
熟練の捜査員達の顔を強張らせた。

“ジングル”という名のその猫は、
当時飼っていた雌の愛猫である。
人見知りが激しく内弁慶のジングルは、
見知らぬ男達がさぞ怖かったに違いない。

妻のあまりの剣幕に気圧され、
ジングルがいなくなったのは
あたかも自分達のせいだと
勘違いした捜査員達は、
空き巣の犯人捜しよりも
慌てて猫探しに奔走したという。

その後ジングルは、
寝室のベッドの下で
借りてきた猫のように踞っているのを
無事発見された。

「いやぁ、よかったですね」

精神的に妻と五分五分の関係になった
捜査員達は、

「きっと犯人は、猫ちゃんの気配を感じて
ヤバいと思って逃げたんじゃないかな」

などと、
あたかもウチの愛猫ジングルが
手柄を立てたかのような物言いで
妻の機嫌をとったそうだ…。


あ、このままこの話で終わりそうだから
話を元に戻そう…

ところで、その日起こった
大変だったこととは…

その日は寒かったので、
今シーズン初めて
リビングのエアコンを使ったそうだ。
リモコンで運転ボタンを押すと
当たり前のように動き出した。

ところが…
部屋が暖まってきたので消そうと
停止ボタンを押すと、
『使えません』という表示が出た。
何度リモコンを操作しても
結果は同じだったという。

こんなことは初めてである。
このまま永遠に
エアコンが止まらないのではないか…
と思った妻は次第に恐ろしくなり焦った。

電池を新しいモノに入れ替えてみたが、
残酷にも結果は同じであった。

他にエアコンを止める方法を模索した妻は、
最終手段を思いついた。
それはコンセントを抜くことである。

しかし…
コンセントは天井付近にある。
しかもリビングの天井は他の部屋より高い。
小柄な妻はテレビ台とイスを組み合わせて
サルのようによじ登り、
なんとかエアコンを運転停止に追い込んだ。
その後は怖くて
リモコンを触っていないという。


なんと恐ろしいことか…。
その話を聞いた私まで
背筋に冷たいものが走った。

大袈裟に思われるかもしれないが、
よくよく考えてみてほしい。
一旦動き出したら止まらないのだ。
これじゃ暴走列車と同じだ。
永遠に止まらなくていいのは
自分の心臓だけでたくさんだ。

コンセントを抜けば
最悪止めることはできる。
しかしその度に危険を冒して
フリークライミングをするなんて
真っ平ゴメンだ。

本格的な冬はもう目前に迫っている。
エアコン無しでは越冬はムリだ。
買い換えとなると予定外の出費である。
なんとかしなければ…

「分かった。オレが帰るまで
エアコン周辺を立ち入り禁止にし、
現場保全に努めてほしい。
誰か訪ねてきても絶対部屋に上げるな」

と私は捜査一課係長風に指示したものの、
いったい私に何が出来るのだろう…。

私は帰宅するやいなや、
唯一の目撃者である妻へ事情聴取を行い、
同時にムダだと思いながら
現場検証を行った。

ただの時間稼ぎだと見抜いた妻から

「ちょっとやってみて」

とリモコンを手渡された私は、
恐る恐るスイッチを入れてみた。

動いた…

しかし、停止ボタンを押したら無情にも
『使えません』という表示が…


私はヤケクソになり
あらゆるボタンを押しまくったが、
やはりダメだ。

仕方なくフリークライミングを始めた私は、
エアコン本体の吹き出し口の横に
小さな運転スイッチがあるのを発見した。

やった!

これで事態は急展開するかにみえたが、
よく考えたら
コンセントの高さと大して変わらない…。

一体誰がこんなスイッチを使うのだろう?

あ、オレか…。

押入れの奥から説明書を引っ張り出して
『故障と思う前に…』という章を読んだが、
そこには“電池の消耗”とか“電池の向き”
などと子供騙し程度のことしか
書かれていない。

次にネットで調べてみた。
幸いエアコン本体は動くから
どうやらリモコンの動作不良らしい。

自分で修理することなど
考えたこともない私は、
結局リモコンだけ買い換えることにした。


エアコンのリモコン…

人間を堕落させる為に生まれた
リモコン界にあって、
エアコンのリモコンだけは特別だ。
テレビのリモコンとはワケが違う。
これが無いと、
全員フリークライミングだ。

エアコンのリモコン…

私にとって、
これこそ無くては困るモノである…。

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これも無くては困るモノ…

                           「Yes」 
             “Time And Word”(時間と言葉)

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メンズビギ横浜店  GMより


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