現場研修も終え
今月から本社に戻ったし、
そろそろ書いてもいいだろう…。
メンズビギ横浜店を
クリック
風のように駆け抜けていった男…
その男の名は
タッキー こと滝澤 慶(けい)…
「おまえ、ケンタッキーみたいだな!」
「はぁ?…」
私が最初に放った会心のギャグは
無情にも空中を漂い続けた…。
それにしても、
この男ほど見た目と実像に
ギャップがある奴は珍しい。
私には人を見る目がある…
と今まで勝手に信じていたが、
彼はそんな私の小っちゃな自信を
軽~く葬り去ったのである。
新入社員の現場研修の挨拶で
初めて店を訪れたタッキーと会った時の
私の印象は…
嗚呼、イマドキのイケメンだなぁ…
育ちも良さそうだなぁ…
健康的で時おり覗く歯も白いし、
爽やかで女の子にモテそうだなぁ…
タピオカミルクティー飲んでても
違和感なさそう…
アタマも良さそうだし、
仕事もテキパキ、
きっとIT関係にも強そうだなぁ…
というものだった。
しかし…
本人とご家族の名誉のために
100%間違っていたとは言わないが、
ほぼ裏切られたと言ってもいい…。
この男…
知れば知るほど爽やかでも何でもない。
ただの アナログオヤジ なのだ!
しかも、かなりヒネクレた…。
《証拠その1》
若いのに筋金入りのプロ野球好き…。
福岡、大阪、名古屋、仙台、札幌など
好きな旅行の目的は
全て現地でホームゲームを観ること。
根っからのベイスターズファンで,
暇さえあればユニフォーム着用で
横浜スタジアムに通いつめている。
《証拠その2》
若いのに筋金入りの酒好き…。
球場にはマイ水筒に芋焼酎を入れて持参。
試合そっちのけで、
呑めや騒げやの野外居酒屋状態。
周りの真摯なプロ野球ファンから
ヒンシュクを買い続けている。
好きな食べ物は?と尋ねたら,
シイタケとシシャモと即答する
重症な呑兵衛だ。
《証拠その3》
若いのに筋金入りの銭湯好き…。
時間が許せば近所の銭湯巡りへ
年寄りに混じって開店前から並ぶ。
どうやら仕事帰りにも通ってるらしい。
《証拠その4》
若いのに男同士で遊ぶのが好き…。
女の子にモテたいくせに、
いつも男同士で盛り上がっている。
そのメンバーと私はすでに面識があるが、
全員面白いキャラにもかかわらず、
女性に対し引っ込み思案である。
《証拠その5》
若いのに…
あ、キリがないからもういいか。
しかし…
こんなタッキーには
絵を描いたり、写真を撮ったり、
小説を書いたり、映画を撮ったり…
アーティスティックな一面がある。
本当は美大に進学したかったそうだ。
私は一度、彼が昔描いた絵を
見せてもらったことがあるが、
そこに描かれていた人らしき絵は
深緑色で塗り込められていた…。
「これ、おまえ自身か?
相当病んでるじゃないか!」
意外と繊細なのかもしれない。
声は小さいわ、ハキハキと喋らないわ、
姿勢も落ち着かないわ…
以前近所にケーキを買いに行った時、
そこの店主と散々長話をした帰り際…
『ところで君はどこの国から来たの?』
と尋ねられショックだったという。
それ以来彼は、自分に都合の悪い時だけ
中国人や韓国人になりますという
意味不明の技術を身につけたらしい…。
仕事ぶりを見る限り、
お世辞にも意識高い系とは言えない。
最初の頃…
電話が鳴っても遠巻きに見つめ続ける。
ある時などは鳴ってる電話の子機を
爆弾処理でも依頼するかのように
私に直接手渡したことさえある。
「おまえが先に出ろ!」
「いや、こっちの方が早いかと思って…」
そのクセ時おり変な自信を覗かせる。
珍しくお客様にまとめ売りをし、
私がちょっと褒めると、
「いや、ちょっと本気出しちゃいました」
「アホ!いつも本気出せ!」
ウチの店がいつもお世話になっている
取引先の3人の女性それぞれに、
大魔王、女狐、ネクラ…などと
本人達が聞いたら烈火の如く怒りそうな
酷いアダ名を平気で命名するする一方で、
顧客のKさんから
女の子を紹介してあげるよ!と言われ、
それまで聴いたこともない
大きくハキハキした声と、
普段見たこともないキビキビした態度で
よろしくお願いします!
とアタマを下げる姿に、
私は彼の心の闇と腹黒さを垣間見た…
あ、勘違いしないでほしい!
こんなことばかり書いてると
とてもヒドイ男のように
思われるかもしれないが、
私は全く逆の意味で書いているのだ。
他人から見ればいつも
フワフワしてるように見えるが、
実は自分に正直に生きているのである。
心の裏表を隠そうともせず、
アッケラカンとしている。
(本人は隠してるつもりらしい…)
そして、とにかくよく笑う。
彼の目を見れば、
心の底から笑っているのが分かる。
きっとこの男なら、
箸が転がっても笑うかもしれない。
この屈託のない笑顔は、
周りの人まで幸せな気分にさせる
不思議な癒し効果があるのだ。
こんな男はそうそういない!
こうした彼の人間形成には、
ご家族からの愛情(特にお母様…)が
たっぷり注がれてきたであろうことが
容易に推察できる。
一度、お母様とお姉様が、
わざわざご挨拶に来店されたことがある。
(こんなことは初めて…)
このブログも読んで下さっているらしい。
「いつも息子がお世話になっています。
もし息子が本社で通用しなかったら、
是非GMのところでよろしくお願いします」
などと、
冗談とも本気ともつかないことを
平気で言うお母様も
なかなか洒落っ気たっぷりで素敵だ。
現場研修も1ヶ月ほど経つと、
本人はもとより滝澤家では、
研修後の配属先がどこになるかが
目下の気がかりな点であった。
配属先候補は、
営業課・生産課・EC課の3つ…。
ECとはインターネット通販を
担当する部署。
「GM、ボクはどこが向いてるでしょうか?」
「ん? おまえはどこも向いてないよ。
だからどこへ行ってもいっしょだよ。
ただ、無理して周りに合わせるな。
おまえの場合、マイペースを保てば
きっと周りが合わせてくれるから安心しろ」
そしていよいよ6月下旬…
彼は本社に呼ばれ
辞令を受けることになった。
「ECに決まりました!」
「 そうか。でもおまえ
パソコン苦手じゃなかったっけ?」
「いや、面接の時
ついパソコンが得意と言ってしまって…」
「...」
その日…
家に帰ったタッキーからLINEが来た。
現場研修最終日…
私はタッキーに送別品を渡した。
いたく気に入ったらしい…
あ、GMチルドレンとは、
私が今まで本社に送り込んだ研修生達…
私の野望は、
GMチルドレンの中から
未来のメンズビギ社長を
輩出することである…。
仕事しやすいし…アハハ!
タッキーよ!
君には可能性がある!
(ジャニーズもそうだし…)
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あ、タッキーは“Bad Man”ではなく、
もちろん“Good Man”である…
「The Stone Roses」
“Bye Bye Bad Man”
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メンズビギ横浜店 GMより
コチラも見てネ❗️

