もし…これを読んで
毛に触る…じゃなかった!
気に障る方がいらっしゃったら、
ゴメンナサイ…
~GMより~
ある日…
仁田がヘアスタイルを変えてきた。
「あれ?そのヅラいいね!
新作?」
「あ、気づきました?
ハイ。これ春夏の新作なんですよ。
いいですよー、通気性も抜群です!」
「へぇー、そんないいヅラ売ってるんだ。
ヅラ界も進化してるんだねぇ」
「ハイ。原宿のカツラ専門店《マイヘアー》の
今季イチオシなんですよ」
「へぇー、いいなぁ。
オレも行ってみようかな」
「あ、よかったら紹介しますよ!
その前にカタログ持ってきましょうか?」
こんな会話を
お店で平然と続ける私と仁田…
我々の店では隠し事はナシだ。
お店という小さなコミュニティの中では、
タブーを作ると良好な人間関係は作れない…
というのはウソで、
より突っ込んだオモシロイ話が
できないからだ。
あ、誤解しないで欲しい。
ホントの仁田はヅラではない…
と私は今でも信じている…。
ただ、仁田のヘアスタイルを見てると、
どうしてもヅラに見えてくるのだ。
仁田のヘアスタイルは、
トップとサイドにボリュームがあり、
特に分け目は入っていない。
そのくせサイドの髪を掻き上げると、
そこはツーブロック(胃薬ではない…)で、
短く刈り込まれている。
だから、ふとした拍子に
襟足全体が浮いて見えることがあり、
“被ってる感”や”載っかってる感“が
増長されるのだ。
正直私は、
最近のヘアスタイルについては
サッパリ疎い…。
もしかして流行ってるのかな…
と思い、
周りを観察して見ると
研修生のタッキーも!
新アルバイトのゴマ君も!
ついでだから、
NHK朝ドラ「なつぞら」の
てるお兄ちゃんも!
なんと!気がついたら、
み~んなこのヘアスタイルだったのだ!
これが現代のイケメンの条件なのか…
もちろん私は、
タッキーにもゴマ君にも
「それ、ヅラじゃないよね?」
と確認をとった。
この店ではタブーはナシだからだ。
仁田本人は、
自分の髪は地毛だ!
という強い自負があるので、
いくら私が
「オマエのそれ、ヅラだろ?」
とツッ込んでも、
怯んだり怒ったりするどころか
お題を与えられたお笑い芸人のように
嬉々として的確なレシーブを返してくる。
冒頭の会話がそれだ。
だから、原宿のカツラ専門店《マイヘアー》
を検索しても無駄だ。
そもそもそんな店は存在しない…。
さて、
古今東西多くの男性が抱える
外見的コンプレックスのひとつに、
薄毛がある。
それは私も例外ではない。
年々、確実に減っているのは
火を見るより明らかだ。
昔は一番好きな季節だった秋が、
今はそうでもない…。
私だって若くてもっと毛量があれば、
イマドキの韓流スター風ヘアに
していたかもしれない。
(想像もできないが…)
しかし…
いかなる理由であれ、
薄毛になった自分を
ありのままに受け入れるか否かは、
その人自身の選択に委ねられている。
さらに現在では
AGAなど様々な治療法も確立され、
薄毛への解決法も選択肢が広がった。
どんな方法を選んでも自由であり、
その人の自信に繋がればそれで良し!
だと思うし、
周りがとやかく言うべきことではない!
と心から思う…。
ただ…
カツラの場合…
明らかにヅラだと分かる人がいる。
これだけは困る。
これほどの気まずさったらない。
見てるこちら側の気持ちを
ザワつかせるに十分だ。
試されている感すらある。
見てはいけないもの見てしまったのに
何もできない自分…
見て見ぬフリをする自分の不甲斐なさ…
無力感さえ感じる。
会話の内容は全く耳に入ってこず、
いけない!と分かってるのに
ついついそこに目がいってしまう…
事態は社会の窓が開いてる時よりも
明らかに深刻である。
解決の糸口さえも見えない。
本人に悪気はないのはもちろん
むしろ悩みであることも承知だが、
どうせ被るなら、
気づかれないように被って欲しい…
と思うのは、
あまりに身勝手な言い分だろうか?
もう30年近く前のことだ。
当時私の店が入っていたM社の担当社員に
K氏という方がいた。
当時K氏は私よりも一回り歳上…。
何か困り事があれば
すぐにサポートして下さった、
とても温厚で優しい方だった。
しかし…
K氏には以前からヅラ疑惑があった。
ある時…
空調の調子が悪く、
お店がとても暑かったことがある。
K氏にそのことを伝えると、
後方から大きな脚立を持ってきて
早速登り始めた。
そして天井に取り付けてある
送風口の風量調節レバーを
おもむろにいじり始めたのである。
なんだかイヤな予感がした…
悪い予感は往々にして当たるんだよな…
と思ったその時!
突然送風口からMAXの風が噴出し、
K氏の頭上を直撃したのである。
あっ❗️
私は思わず下を向いた。
しかし…
一瞬視界に入った最後の残像は、
今でも目に焼きついている。
それはロケットの発射シーンのようだった。
あまりの衝撃シーンに直面した私は、
その直後の記憶がほとんどない…。
どうやってその場を取り繕ったのか
全く覚えていないが、
それ以来私はK氏のことを
“ロケットマン”と心の中で呼んでいた。
あれからかなりの年月が経ったが、
私はK氏の顔を今でもハッキリ覚えている。
なぜなら…
エルトン・ジョンにソックリだったからだ。
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いつの頃からか再び髪が増え始めた
Elton John…
今日の1 曲はもちろん、
”Rocket Man“
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メンズビギ横浜店 GMより
コチラも見てネ❗️

